食品の効果について知ろう

低脂肪・低コレステロール食はダイエットや心臓病予防などに効果なし

論文で紹介します

低脂肪、低コレステロール食は、ダイエット効果、ガン予防、心臓病予防に効果なし
Harvard school of public health(ハーバード大学公衆衛生学教室)

ハーバード大学で主に行われた詳細な研究は、脂肪の摂取量と病気に関連がない事を示している。


重要なのは、脂肪の種類

「Women’s Health Initiative Dietary Modification Trial」(女性の食事介入試験)で8年間の低脂肪食は心臓病、乳ガン、大腸ガン、ダイエットに効果なし

ますますはっきりしている事は、飽和脂肪とトランス脂肪が「悪い脂肪」であり、一価不飽和脂肪と多価不飽和脂肪が「良い脂肪」であるという事です。大事な事は、「悪い脂肪」を「良い脂肪」に代えることです。


コレステロールについては?

糖尿病の人は、とくにそうだが、コレステロールの総量を抑えることは、重要である。

平均的な人は、血中コレステロールの75%を肝臓で合成し、食事からは25%吸収している。コレステロールを運搬するリポタンパクが動脈硬化と心臓病の進行に重要な役割を果たしている。

LDL(低密度リポタンパク)は、コレステロールを肝臓から全身へ運搬しています。LDLが血中に多い場合、心臓動脈壁に沈着します。それでLDLは、「悪玉コレステロール」と言われています。

HDL(高密度リポプロテイン)は、血中から肝臓へコレステロールを戻すので、全身からコレステロールを減らします。

HDLは、血中の過剰のコレステロールを減らし、動脈内での沈着を減らします。それで「善玉コレステロール」と言われています。

20歳以上の成人の場合、国のコレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program)での最新のガイドラインは、

総コレステロール値 200mg/dl以下
HDL 40mg/dl以上
LDL 100mg/dl以下

8万人以上の女性の看護士さんでの研究で、ハーバードの研究者達は、1000カロリーずつに200mgのコレステロールの増加が心臓病の実質的な増加につながらなかった事を見いだした。


卵について

1日に1個までの卵の消費は、健康な人の場合、心臓病と関連してない事を、ハーバードの研究者達が見いだした。


悪い脂肪

飽和脂肪 HDL、LDLともに増加させる、結果として、悪い効果をもたらす。飽和脂肪を減らす事が重要


トランス脂肪

飽和脂肪より、コレステロールを悪化させる。

「悪玉コレステロール」を上げ、「善玉コレステロール」を減らす。

免疫系の過剰反応(炎症)を起こすので、心臓病、脳卒中、糖尿病、他の慢性病などにかかわっていると示唆されている。

Nurse’s Health Studyでハーバードの研究者達は、トランス脂肪の高い摂取が非ホジキンリンパ腫を、飽和脂肪の高い摂取が子宮内膜ガンの増加につながっていることを見いだした。

アメリカ医学会(Institute of Medicine)は、食事上のトランス脂肪に安全レベル(safe level)はない、と結論を出しました。(2002年)

2006年1月、トランス脂肪は義務表示化された。

ゼロトランス脂肪(zero trans fat)と表示してある商品は、0.5gまでは、許容されています。(カナダでは、0.2グラム)

それで、食品成分リスト中に部分水素添加(partially hydrogenated)とか、植物性ショートニングを見つけたら、その様な表示のない別の製品を探しなさい。(とくに、いつも常食している物ならば)


トランス脂肪の摂取を下げるために

・液体の植物油、トランス脂肪を含まないか、ほとんど分からないソフトマーガリンを選べ
・商業的に作られた、パン、スナック、ファーストフードを含む加工食品を減らせ。安全側に立てば、その様な食品は、それ以外の表示であっては、トランス脂肪を含んでいると思いなさい。
・レストランでトランス脂肪を下げるためには、フライ物は避けなさい。多くのレストランでは、部分水素添加した油を使っています。


資料

Nurses Health study

毎日、4ティースプーンのスティックマーガリンを食べる女性は、心臓病の危険性が1.5倍になる。

Lancet 1993 341:581-5 Willett WC
 

(2012/10/02 掲載)

ウィスターラットの気管支腺ガンの誘導を長期熟成味噌が抑制

論文で紹介します

Wister Ratにおけるジイソプロパノールニトロソアミンによる気管支腺ガンの誘導に対する長期熟成味噌の抑制
しらき、うね、やの、おおたに、みねおか、わたなべ(広島大学、細胞生物学科)

本研究はオスのウィスターラットにおけるジイソプロパノールニトロソアミンによってできた肺腫瘍の発達に対する食事中の熟成味噌の効果を調べるために計画された。

6週齢の全63頭は4グループに分けられた。10週間飲み水にジイソプロパノールニトロソアミン(2000ppm)を添加し、与えた。その後、発ガン処理したラットに普通の固形飼料を与える区(対照区)、同じ固形飼料に10%長期熟成味噌を添加したものを与える区、同じく10%短期熟成味噌を添加したものを与える区に分け、それぞれ12週間給与した。


結果

長期熟成味噌は短期熟成味噌に比べ、有意に肺ガン、腺ガン、PCNA(強い陽性の腫瘍)の数を減らした。本研究の結果、このように長期熟成味噌の食事中の補助添加は肺ガンに対する化学的抑制効果を発揮するであることが示唆された。
 

(2012/10/02 掲載)

トマトとブロッコリーの組み合わせが抗ガン効果を増加させる

論文で紹介します

Combination of Tomato and Broccoli enhance antitumor activity in Dunning R3327-H prostate adinocarcinomas
トマトとブロッコリーの組み合わせが前立腺ガンに対して抗ガン効果を増加させる
Kirstie Canene-Adams イリノイ大学 アメリカ
Cauces Res 2007:67(2)January 15.2007


果物と野菜の摂取がガンに対する影響をどう変えるか、集中的に疫学研究がなされ、アメリカ農務省、アメリカガン協会(American Cancer Society)、アメリカガン研究協会(AICR)などの機関による「摂取のすすめ」がなされている。

1日に2カップの果物と、2カップ半の野菜の摂取がガンにかかるリスクを減らす、とすすめられている。2006年には、アメリカ国内で、前立腺ガンは、新しい患者の33%、死者の9%を男性で占めている。

ほとんどの細胞生物学や実験ガン学の研究は、果物や野菜の特定の化学物質を調べてきました。例えば、β−カロテンは、「α−トコフェロール(ビタミンE)、β−カロテン ガン予防研究」「カロテン、レチノール(ビタミンA)効果試験」で、その効能は否定されました。別のアプローチとして、食品全体の効能を調べる研究は、食品の化学成分の複雑性、内容の変動などの問題もあり、あまりされてきませんでした。

大規模な(前向き)疫学研究から、トマトの、特に加工トマトが1週間に5回から7回の摂取で30%から40%も前立腺ガンのリスクを下げることを見出しました。又、介入試験の結果は、前立腺ガンの発ガンに関係している、バイオマーカーの数値がトマト製品の摂取によって変動することを見ています。

発ガン物質と(男性ホルモン)を使った研究は、フリーズドライしたトマトパウダーの抗ガン効果は、リコペン(トマトの中の一成分)のみでは、説明できないことを、又、そのトマトのパウダーがより長い生存(ガン死の減少による)をもたらした。リコペンを含むエサのみでは、その様な事(ガン死の減少)が見られませんでした。ほとんどの学者達は、リコペンに関心を集中していますが、トマトの中には、いろいろな抗ガン効果を持つ植物化学物質が含まれています。ブロッコリーの様なアブラナ科植物と前立腺ガン(抑制)も最近の疫学研究から、浮かび上がっています。HPESコホート研究では、組織内の前立腺ガンを、アブラナ科植物の摂取が12%減少させるなど、いくつかの研究があります。

ブロッコリーに含まれている抗ガン効果を示す、スルフォラファンを、ねずみに投与した実験では、ガンの体積が対照では207mm3に対して、スルフォラファン投与では、90mm3まで縮小し、重さでも、対照の4分の1にまで減少しました。今回の実験は、移植前立腺ガンをラットに移植し、フリーズドライしたトマトパウダーとブロッコリーパウダーを与え、ガンに対する影響を見ました。

ガンを移植する1ヵ月前から、エサを変え、22週間与え、ガンの大きさ、マーカーの数値を比較した。

                    

ガンの重さ
対照を100として
前立腺中
リコペン量
(ナノモル/g)
‖仂函
100
ND
抗前立腺ガン薬フィナステライド
86
ND
23ナノモル リコペン
93
0.1
224ナノモル リコペン
82
0.9
10%トマト
67
0.5
10%ブロッコリー
58
ND
5%トマト 5%ブロッコリー
70
0.3
10トマト 10%ブロッコリー
48
0.4

NDは検出限界以下


解説

生体を活性酸素などの害から守る、ビタミンC、E、β-カロテン、リコペンなどの働きが知られ、サプリメントとして広く使われています。サプリメントの効果は、否定されたり、逆に死亡率を上げていることさえ示す研究も数多くあります。

今回の実験は、トマト、ブロッコリー、いずれもフリーズドライして粉状にしてラットにエサとして与えて、移植した前立腺ガンの変化を調べたものです。

10%トマト、10%ブロッコリーの組み合わせでは、なんとガンが52%も減少したのです。これは、リコピンの作用のみではありません。トマトにもブロッコリーにも様々な植物性化学物質が存在し、それらの働きでガンが減少したのです。今回の実験は、サプリメントよりも、食品全体をきちんと摂ることの重要性を思い知らせてくれます。
 

(2012/10/02 掲載)

自然の発ガン抑制作用を持つベンジルイソチオシアネートの遺伝毒性

論文で紹介します

Genotoxic effects of benzyl isothiocyanate, a natural chemopreventive agent
自然の発ガン抑制作用を持つ、ベンジルイソチオシアネートの遺伝毒性
Kassie F  ガン研究所 オーストラリア
Mutagenesis 1999 Nov 14(6) 595-604


ベンジルイソチオシアネート(BITC)はアブラナ科植物に含まれています。たくさんの報告がBITCの化学発ガンの抑制を報告しています。しかし、一方で、この物質が潜在的に遺伝毒物であるという証拠が蓄積しています。

試験管内の研究では、量に比例して、遺伝毒性が低量で見られています。一方、げっ歯類での実験では、ごく弱い影響が見られます。

これらの事は、BITCが生体内で解毒されていることを示しています。

BITCの遺伝毒性は、牛血清アルブミンや唾液や胃液の様なヒトの体液によって減少するという実験結果からも支持されます。

BITCがDNA傷害を起こすのに必要な量は、ヒトの食品摂取量をはるかに越えています。しかし、同様に、実験動物での化学発ガンを抑制する量とは同程度です。
 

(2012/10/02 掲載)

くるみは血中のα-リノレン酸とEPAを上昇させる

論文で紹介します

Levels of the n-3 fatty acid eicosapentaenoic acid in addition to those of alpha linolenic acid are significantly raised in blood lipidsby the intake of four walnuts a day in human.
ヒトでの実験で1日に4粒のくるみは血中のα-リノレン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)(両方ともn-3系脂肪)を上昇させる。
Marangoni F ミラノ大学  イタリア
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2007 Joul;17(6):457-61

くるみに多く含まれてる、α-リノレン酸の摂取は心血管病の予防になる。中程度のくるみの摂取がヒト血中のα-リノレン酸とその誘導体(EPA)にどの様に影響するか調べた。


方法

10人のボランティアに普通の食事に加えて、1日に4粒のくるみを3週間食べてもらい、その後、血中のα-リノレン酸などを測定した。


結果

α-リノレン酸 0.23 → 0.47
EPA 0.23 → 0.82


結論

くるみ由来のα-リノレン酸はEPAなどに体内で変化しており、健康に良い影響を与える。


解説

油脂にも種類があり、多くとりすぎていて健康に悪い影響をもたらしている。

トランス脂肪酸(マーガリンなど)飽和脂肪酸(動物などの油、パーム油など)

n-6系不飽和脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸、植物油、ぶどう油)などと、健康に良い影響を与えるのですが、不足しているn-3系脂肪酸(魚油、えごま油、アマニ油、くるみ)があります。

n-3系脂肪酸の中で、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)は共通の作用と個別の作用があり、EPAの有用性がいわれています。

今回の論文では、くるみを1日に4粒とるだけで、くるみに多く含まれているα-リノレン酸の濃度が血中で上昇すること、又α-リノレン酸が体内で変換したEPAも上昇する事が示されました。

ナッツ類は健康に有益な働きを持つものが多く、とりわけくるみはn-3系油も多く含むので、より有益な働きが期待できます。

原始時代のヒトは、木の実を多く食しており、ヒトの遺伝子はそれらに反応しているとも考えられます。ヒトが進化する長い期間に、食してきた食材がヒトの生存に適しているのだとも考えられます。

下に説明する論文は、くるみがコレステロールを下げること、その下げることと別に心臓病を防ぐ効果を示した論文です。

A walnut Diet improves endotherial function in hypercholesterolemic subjects
くるみは高コレステロール血症のヒトの血管内皮細胞の働きを改善する。
Emilio Ros Circulation April 6. 2004

一価不飽和脂肪酸の代わりにくるみを摂る事は、高コレステロール血症の人の血管の拡張をもたらします。このことは、くるみがコレステロールを下げる効果以外に、心臓病を防ぐ効果を持っていることを説明します。
 

(2012/10/02 掲載)



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