化粧品について知ろう

サンスクリーンの使用と悪性メラノーマ

論文で紹介します

Sunscreen use and malignant melanoma
サンスクリーンの使用(日焼け止め)と悪性メラノーマ(皮膚がん)
Westerdahl J  ルンドホスピタル大学 スウェーデン
Int J Canar 2000 Jul 1:87(1):145-50


1995年〜1997年にかけて南スウェーデンで悪性メラノーマと診断された571人の患者と、913人の対照者(16才〜80才)の間でサンスクリーン使用と悪性メラノーマの関係をナースコントロール研究で調査した。

サンスクリーンの使用者は、非使用者に比べ、日光を浴びる程度が高かった。それで、サンスクリーン使用によって悪性メラノーマの確率が上がった。

日焼け、髪の毛の色、夏期の日光浴の回数などで補正して計算すると、サンスクリーン使用によって悪性メラノーマが1.8倍に増加した。

さらに、サンスクリーン使用によって日光浴の時間が増えた人に限って計算すると8.7倍(サンスクリーン未使用の人と比べて)になった。
 

(2012/08/23 掲載)

サンスクリーン剤は皮膚吸収が起きる

Percutaneous absorption of the sunscreen benzophenone-3 after repeated whole-body applications, with and without ultraviolet irradiation
紫外線照射のあるなしに関わらず、サンスクリーン剤、ベンゾフェノン-3(オキシベンゾン-3)は全身への塗布で皮膚吸収が起きる
Gonzalez H、サールグレンスカ大学 スウェーデン
Br J Dermatol 2006 Feb;154(2):337-40


ベンゾフェノン-3は、皮膚を透過し、尿中で検出される。

24人のボランティアにベンゾフェノンを全身塗布(ベンゾフェノン4%含む一般市場で販売されているサンスクリーン)を5日間朝、晩塗布、尿中のベンゾフェノン量を塗布後5日目まで調査した。

塗布した1.2〜8.7%(平均3.7%)のベンゾフェノンが尿中で検出できた。塗布後5日目にも検出されたので、ベンゾフェノンの蓄積がわかる。
 

(2012/08/23 掲載)

化粧品中のポリアクリルアミドとアクリルアミドの安全性

Amended final report on the safety assessment of polyacrylamide and acrylamide residue in cosmetics

化粧品中のポリアクリルアミドとアクリルアミド(未反応残留物)の安全性に関する訂正最終報告
The Cosmetic Ingredient Review Expert Panel (化粧品成分に関する専門委員会(化粧品業界が設立))
Int J Toxicol 2005 24 Suppl 2:21-50


ポリアクリルアミドはアクリルアミド(モノマー)を重合させることで作られる。

未反応のアクリルアミド(モノマー)がポリアクリルアミドの中に残っており、濃度としては、1ppm以下から、600ppmまでの範囲で残っている。

ポリアクリルアミドは、110種類の化粧品製造に、0.05%〜2.8%の範囲で使われている。アクリルアミド(モノマー)の残っているレベルは、0.1%以下から0.1%の範囲内で、実際には、0.02%から0.03%の範囲で残留している。

アクリルアミドモノマーは、皮膚を浸透する。2世代にわたる生殖毒性試験では、高用量(5mg/kg/日?)で、生まれる前の胎児の死亡があり、親に対する毒性の結果である。無作用量(毒性が観察されない量)は、0.5mg/kg/日である。アメリカ国家毒性計画(NTP)の生殖、神経毒性試験では、オスの生殖阻害と弱い神経毒性がみられた。神経毒性は、中枢及び末梢神経、両方でみられ、微小管阻害によるものらしい。

アクリルアミドは、哺乳類に遺伝毒性を持ち、発ガンイニシエーター活性を持っている。マウスの2種の系統で、総量300gの投与で肺の良性腫瘍とガンが増加した。(2週間6回分の投与で)

ラットを使った2種類の慢性毒性試験の内、1つ試験では、乳房の腺ガン、クリア細胞ガン、甲状腺ろ肪ガン、口くうガン、子宮ガン、クリトリス腺ガンなどがメスにみつかった。

オスのラットでは、中枢神経のガン、甲状腺ガン、陰のうガンなどが増加した。

ヒトに対する生涯発ガンリスクの計算では、3ケタにも及ぶ範囲内で2×10-3から、1.9×10-6になった。(500人に1人から50万人に1人の発ガンリスク)

ヨーロッパ協同体(EU)では、つけたまま(leave-on?)の化粧品に対しては0.1ppm、それ以外の化粧品には0.5ppm規制がある。

当委員会は、化粧品に対して5ppmの基準が適当であるという結論に達した。


解説

アクリルアミド、2〜3年前からフライドポテト、ポテトチップスなど高温で調理した食品から多く検出されるということで問題になりました。

私も大学、大学院の時、毎日、研究で使っていたなじみの物質で、担当教官から、発ガン性などの危険性があるかも知れないといわれていた物質です。

そのアクリルアミドが残留しているポリアクリルアミド(プラスチックの様な重合した巨大分子)がこともあろうにシャンプー、ヘアスプレーなどに大量に使われているのです。シャンプーに入れる目的は、「まとまりが良く滑らかな髪」を実現できるのだそうです。

あたり前です。髪の毛をプラスチックでコーティングしている様な訳ですから、まとまりが良く滑らかになるに決まっています。

その代償として、発ガン物質に付随しているとはほとんどの消費者は知らないでしょう。シャンプーメーカーは、きちんと表示すべきです。

「まとまりが良い滑らかな髪…副作用、発ガンがあるかもしれません」
 

(2012/8/23 掲載)

酸化チタン

論文で紹介します

TITANIUM DIOXIDE
酸化チタン
国際ガン研究機関(International Agency for Research on Cancer)

曝露データ

酸化チタンは1923年に商業化生産が始まった。約70%は色素(粒子)向けである。2004年、世界中の生産量は440万トンです。

生産される粒子は主に0.2〜0.3μm(200〜300nm)です。超微粒子等級は10〜15nmの大きさでほとんどサンスクリーンやプラスチックなどの紫外線防止剤として使われている。

ほとんどの酸化チタンは無機物質(アルミナ、ジルコニア、シリカ)や有機物質(ポリオール、エステル、シロキサン、シラン)などの物質でコーティングされて、表面能力を上昇させてある。

酸化チタンが他の物質に結合させてあるー例えばペイントーなどの使用では酸化チタン曝露はほとんど起こらないと考えられています。


ヒト発がん性

ヨーロッパ6ヶ国の酸化チタン製造労働者(男性)の研究では、一般に比べわずかに肺がんのリスクが上昇していました。

結論として、酸化チタンへの労働曝露を示す最近の研究はありません。


動物の発がん性

吸入実験では、メスラットに良性及び悪性の肺腫瘍が生じた。別の吸入実験でも肺腫瘍(良性)が高投与量の場合、オスとメスのラットで増加した。ラットの2つの吸入実験とメスマウスの吸入実験の結果はネガティブ(発がん増加なし)だった。気管内点滴注入の場合、メスラットは2種類(ナノ化粒子と一般の)の酸化チタン投与いづれも良性と悪性の肺腫瘍を増加した。ハムスター、メスマウスでは増加しなかった(気管内点滴注入)。

経口、経皮、腹腔内、投与のいづれも、マウス、ラットいづれもがんを増加させなかった。


メカニズムの考察

動物で得られている様な酸化チタンの排出のデータはない。

酸化チタンを経口摂取した、わずかに1例の研究では粒子のサイズによる吸収率の違いと、人によって変動が大きいということです。

ボランティアを使ってのナノ化酸化チタンを含むサンスクリーンを健康な人に塗ってもらう実験では、最外層の角質層に浸透しただけでした。ナノ化粒子は最も遅く排出される。

げっ歯類(ラット、マウスなど)の場合、ナノ化粒子は最も強く肺に影響する。ナノ化粒子は肺胞のマクロファージ(白血球の一種)の食作用を阻害する(試験管内の実験)。

試験管内での酸化チタンとDNAの実験ではDNA傷害が誘導され、活性酸素種の生成が示唆されています。

この影響はナノ粒子の方が大きく、日光、紫外線で増大する。

腹腔内点滴注入したマウスの場合、骨髄と末梢血リンパ球で小核の形成が増加した(訳注・突然変異の増加)。


評価

1.酸化チタンのヒト発がん性のデータは不十分である。

2.酸化チタンの動物発がん性のデータは十分である。


結論

酸化チタンはおそらくヒト発がん物質である。

グループ2B

IARC.February 2006.

ナノ化酸化チタン長期曝露による細胞のガン化

論文で紹介します

Disturbed mitotic progression and genome segregation are involved in cell transformation mediated by nano-Tio2 long-term exposure
ナノ化酸化チタン長期曝露による細胞のガン化は細胞分裂進行と分離がかく乱されることによって起こる。
HuangS 国立Chung Hsing 大学  台湾
Toxicol Appl Pharmacol, 2009 Dec 1,241(2):182-94


酸化チタンナノ粒子(直径100nm以下)は、毒性が低いため化粧品や薬に広範に使われている。しかしながら最新の研究では、酸化チタンナノ粒子は動物での発ガン性や種々の培養細胞での細胞毒性や遺伝毒性を示している。

この研究で私達は酸化チタンナノ粒子への短期曝露は細胞分裂、細胞の生存、活性酸素のいづれをも培養繊維芽細胞で増加させることを示した。さらに長期曝露は細胞の生存や増殖を増加させるばかりでなく、多核細胞や小核を増加させる。

私達の実験によって、酸化チタンナノ粒子への曝露は細胞周期進行と染色体の分離をかく乱し、染色体の不安定性と細胞のガン化につながっていることを証明している。


解説

日焼け止め防止のサンスクリーンに使われている、酸化チタンナノ粒子は長期間曝露によって細胞のガン化につながる。
 

(伊澤)



名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ