水産について知ろう

カラギーナンで糖尿病になる?

Exposure to Common Food Additive Carrageenan Alone Leads to Fasting Hyperglycemia and in Combination with High Fat Diet Exacerbates Glucose Intolerance and Hyperlipidemia without Effect on Weight.
よく使われている食品添加物カラギーナン単独で空腹時血糖が上昇し、高脂肪食とカラギーナンの組み合わせで耐糖性と高脂血症が体重増加なしで悪化する、
 Joanne K.Tobacman イリノイ大学 アメリカ
 Journal of Diabetes Research Volume 2015

方法 C57BL/6Jマウスを一年間
    .灰鵐肇蹇璽
   ◆.ラギーナン
    高脂肪食
   ぁ.ラギーナン+高脂肪食
 【カラギーナンの投与量は平均的なアメリカ人の摂取量1日当たり0.25g
  ⇒4.2μg/g体重/日の半分の2μg/g体重/日の投与(マウス)】

結果 
.ラギーナンは投与6日後に耐糖性が低下し23週後には空腹時血糖値が上昇。
カラギーナンと高脂肪食の組合せでは↓,侶覯未より早く現れ、高脂肪食が悪化、カラギーナン単独,任和僚鼎増加しない。

結論
現代の食事に含まれているカラギーナンは糖尿病につながっているかもしれない。


関連情報
カラギーナン(添加物)の胃腸への影響
ヒトの腸内細菌も、良く使われる増粘多糖類「カラギーナン」を分解する。発がん性あり?

カラギーナン(添加物)の胃腸への影響

カラギーナンは、増粘多糖類、安定剤などとして、加工品に良く使われていますが、以前から発がん性が懸念されています。この毒性について、おさらいとしてまとめました。
 

ヒトの腸内細菌も、良く使われる増粘多糖類「カラギーナン」を分解する。発がん性あり?

Bacteria of the human gut microbiome catabolize red seaweed glycans with carbohydrate-active enzyme upclates from extrinsic microbes
ヒトの腸内細菌は、紅藻類の多糖類グリカンを外来微生物由来の酵素で分解する
Jan-Hendrik Hehemann ビクトリア大学 カナダ PNAS November 27.2012 vol 109 no.48

始めに、ヒトや他の哺乳類の大腸にいる2大バクテリアにファーミキュート門とバクテロイデス門がある。
バクテロイデス門のバクテリアは、陸上植物や宿主のグリカンを分解できる様に適応している。デンプン、ペクチン、ヘミセルロースや他の植物由来の物質を分解する酵素を持っている。この炭水化物を分解できる一群の酵素を持っていることが、宿主とバクテリアの共生的な進化をもたらしている。
バクテロイデス中では、これらの一群の酵素は多糖類利用遺伝子座(PUL)と名づけられた。1まとまりになった遺伝子群を作っている。私達は、腸内細菌バクテロイデスプレベイウス(Bacteroides plebeius)のPUL遺伝子群を同定した。この遺伝子群は、炭水化物を分解するものだが、紅藻類の炭水化物を分解する海洋バクテリアから遺伝子伝達されて、獲得された遺伝子群だと思われる。アガラーゼ(寒天多糖類を分解する酵素)が日本人の腸内細菌から、ポルフィラナーゼ(のりの多糖類を分解する酵素)がスペイン人の腸内細菌から、アルギン酸リアーゼ(昆布などの多糖類を分解する酵素)がアメリカ人の腸内細菌からなど見つかり、現代の食事に含まれるこれらの新しい海藻由来の炭水化物に腸内細菌が適応(酵素を新しく獲得)した可能性がある。
今回の研究でこのバクテロイデスプレベイウスが海藻からの多糖類をエザに増殖することを示した。
さらに、以前の研究では否定されていた寒天上で生育できるバクテロイデス ユニフォーミスNPIと、カラギーナン上で生育できるバクテロイデス テタイオミクロンVPI3731株を見つけた。私達の研究は紅藻類のガラクタンを分解できる腸内細菌がもしかしたら健康に影響を与える可能性があり、ヒト、腸内細菌の進化の可塑性についての理解を修正する必要がある。
カラギーナンが分解されてできる低分子量カラギーナンには、動物には潰瘍性腸炎を起こすので、健康への懸念がある。
バクテロイデス テタイオミクロン VPI3731株は、カラギーナン上で強烈に増殖するので、カラギーナン分解酵素を持っているはずである。これらの分解酵素を調べることと、この株がヒト腸内にいるのかどうかと、実際に毒性のあるカラギーナン分解産物を作るのかが将来の研究課題である。
 
バクテロイデス テタイオミクロン VPI3731株について
ヒト腸内細菌から分離された、バクテロイデス292株の内の1株は、海藻由来のカッパーカラギーナンを単一炭素源とした培地上で育成できる。3株がみつかり、その中の1株。
 
解説
カラギーナンはIARC(国際ガン研究機関)で発がん性グループ2B(動物では発がん、ヒトでは不明)に分類されています。動物(マウス)の腸内細菌にはカラギーナンを分解する細菌がいて分解されて小さくなった低分子量カラギーナンに発がん性があるという想定です。しかし、「ヒトには、カラギーナンを分解できる腸内細菌がいない」とのことで、ヒト発がん性は不明とされてきました。今回のこの研究で、ヒト腸内細菌にカラギーナンを分解するバクテロイデス テタイオミクロン VPI3731株があることがわかりましたので、カラギーナンの発がん性はますます疑わしくなってきました
伊澤

以前に掲載した「日本人は、海藻を消化できる細菌を持っている!」もご覧ください。
2010年に発表された、欧米人は海藻を消化できませんが、日本人の3割が寒天を分解する事のできる細菌を持っているという論文を紹介しました。しかし、その2年後の2012年に、欧米人からも海藻を消化できる細菌が見つかったと報告されました。
外山

IARC(国際がん研究機関)が赤身肉、加工肉の発がん性を認定した件について

20151026日に、WHO傘下のIARCが、加工肉の発がん性をクループ1(発がん性がある)、赤身肉をグループ2A(恐らく発がん性がある)と評価しました。この発表は、最近新しい研究結果が出てきてわかった事ではなく、 今までに公表された800以上の研究結果を、IARCが総合的に評価して、グループの設定を公表したという事です。
名古屋生活クラブでも、今までにも会員交流会などで、「これらの肉の発がん性は間違いないが、有用性もあるので、食べ過ぎないように適度に食べて欲しい」とお伝えしてきた事なので、IARCの発表に対して、特に驚きはありませんでしたが、会員様や世間での反応が予想以上に大きいので、見解を公表します。
 
赤身肉とは?
日本での赤身、脂身といった区別ではありません。牛、豚、羊、馬、山羊の肉といった、哺乳類の肉を指します。
 
加工肉とは?
塩漬け、発酵、燻煙などの処理をされた肉。
 
どれくらいの発がん性があるのか?
赤身肉、加工肉共に、大腸がんが増えます。IARCで、10種類の研究を総合的に分析したところ、1日に付き50gの加工肉を食べると、大腸がんのリスクが18%増加していました。赤身肉の場合、1日100gで17%の増加です。世界全体で、毎年34,000人が加工肉が原因で癌で死亡、50,000が赤身肉が原因で癌で死亡している事になります。
 
肉は食べない方が良いか?どれくらい食べたら良いか?
確かに赤身肉、加工肉には発がん性があると考えられますが、肉には健康への良い影響もあります。10月初めの、オーストラリアがん評議会(Cancer Council Australia)の発表でも、発がん性を認める一方で、赤身肉を週に3〜4回、1回あたり65〜100グラム食べることを推奨しています。オーストラリアと日本では、食文化が違うので、もう少し少なくても良いかもしれませんが、完全にやめるのではなく食べ過ぎないようにする事が大切だと思います。
 
発がん性の原因は何か?
赤身肉、加工肉の発がん性は、一つの物質が原因ではなく、ヘム鉄、ニトロソ化合物(ニトロソアミンなど)、ポリサイクリック芳香族炭化水素、加熱によって発生するヘテロサイクリックアミン、燻製のベンゾピレンなど様々なものが含まれています(IARCの発表)。また、腸内細菌のバランスによって、大腸がんのリスクが変化する事が知られていますが、食事によって、腸内細菌のバランスが崩れ、大腸がんが増えている可能性もあります(PMID: 25919227など)。これらの内、何が一番大きく影響しているのかは、まだ良くわかっていませんが、発色剤(ニトロソアミンを発生させる亜硝酸塩)を使っていないハムやソーセージを選んだり、肉を焼きすぎて焦がさないなど、避けられるリスクは避ける事が重要です。
 
まとめ
名古屋生活クラブとしては、今までと同様に、
  • 肉は食べ過ぎない方が望ましいが、完全に排除する必要は無い
  • 亜硝酸塩(発色剤)を使用したハム、ソーセージは避ける
  • 過度の加熱は避ける(加熱不足による食中毒には注意)
  • 燻製は、ベンゾピレンを低減させたものを選ぶ
という事が重要だと考えています。
 

水銀の危険性 岨劼匹發涼稜縦祺爾砲弔い董

アメリカ政府は、水銀排出を抑制する政策を続けています。オバマ大統領は2012年石炭火力発電所からの水銀排出を抑制する法案を作りましたが、今年になってアメリカ最高裁から水銀排出を抑制するための装置の導入のコストを計算し直せという決定が出されました。
水銀の危険性 〜子どもの知能低下について〜
●こどもの知能低下につながる可能性があります。胎児は水銀を排出する能力が低いので特に妊婦さんには読んでほしいお話です。●
Public health and economic consequences of methyl mercury toxicity to the
developing brain
(発達中の脳に対するメチル水銀の毒性が公衆の健康と経済的な損失をもたらしいる。)
-Lennardo Trasande ハーバード大学小児科学
 Environmental Health Perspectives volume113 number5 may2005-
メチル水銀は、発達中の神経に対する毒物である。曝露は主に水銀に汚染され
た海産物を妊婦が食べることによって生じる。
水銀汚染の原因は人為的なものが70%、天然由来のものが30%である。
1990年代を通してEPA(アメリカ環境保護庁)は、人為的な汚染、特に火力発電
所由来の水銀を放出減らし続けてきた。しかし、最近になってEPAはコストが高
い事を理由にその流れを抑制する事を提案した。
 私達は、アメリカ国内の火力発電所からの放出を減らすコストについて考えるた
めに、火力発電所由来のメチル水銀の経済的コストを試算してみた。
 子どもの血中及び臍帯血中の水銀濃度を測定しているフェロー諸島(デンマークウ)
)の研究によると、子どもの知能低下には臍帯血(メチル水銀)濃度が5.8μ/
1リットルにより起きる。CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の血中水銀デー
タに当てはめてみるとアメリカ国内で毎年31万6588から63万7233人に知能低下
が起きることになる。
 知能低下はその子供達の生涯にわたって生産量を減少させる事になる。
これがメチル水銀の毒性のコストであり毎年、8,7ビリオンドル(8700億円¨1
100円として)(範囲として2200億円〜4兆3800億円)に値する。
 このうち1.3ビリオンドル(1300億円 範囲 100億円〜6500億円)分が毎年
のアメリカの火力発電所由来の水銀放出分である。
アメリカでは、このように知能低下によってどれだけの損出になるかを計算して、規制する
法案を作っています。子供の知能低下をお金に換算というところには疑問もあります。
日本は良い判断をしているのでしょうか?。
  • 許容量の比較
 メチル水銀摂取量の基準
 アメリカ環境保護庁  0.1 マイクログラム/kg体重/
JECFA(国連)  0.23マイクログラム/kg体重/
日本  0.29マイクログラム/kg体重/ アメリカの3
  各国が安全性の評価に使用しているデンマークの北に位置するフェロー諸島で行われた研究結果によると水銀摂取量に比例してゝ憶、注意力、8生譟↓せ覲弌認知
 などに悪影響が見られるとされてます。
◆,匹里らい影響があるの?。(アメリカ人の摂取量より)
2009-2010年の1649才の婦人を調査したところ2.3%の人の血中水銀濃度
5.8μg/ℓを超えました(アメリカの基準を超えて摂取していると考えられ
る)。これは妊娠可能な女性の140万人に当たり。フェロー諸島の結果を当て
はめると毎年75000人以上の新生児が知能低下している可能性があることに
なります。
  →アメリカ政府はサメ、メカジキ、メキシコ湾のアマダイ、キングマカレイに
ついて妊産婦は摂取を避けるように求めています。
  •  日本人の水銀摂取量
   2002年、秋田県在住154人女性(2548才)を調べた論文(tohoku j exp.med.
2003 ,200,67-73 )によると1人当たりの水銀の平均摂取量は153μg/埖僚/
日に相当)とされてます(アメリカの基準の2倍)。この研究によると日本人女性
90%以上がアメリカの基準を超えており23.4%の人が日本の基準も超えてます
このようなデータから考えると日本でも水銀の暴露により知能低下を起こしている胎児が少なくないと考えるのが自然です。
  • 水銀は、どこから摂取?
水銀汚染が深刻なのはクジラ、サメ、イルカ、マグロ、カジキ、キンメダイ。
妊娠中の女性は、これらの魚の摂取については注意する必要があると言えるでしょう。
アメリカEPA基準値に従えば体重55圓稜ド悗1週間に摂取できる各魚の量は以下のようになります。
魚種 総水銀量(μg/g 許容量(g
アジ 0.040 962
イワシ 0.018 2139
カツオ 0.154 250
サンマ 0.058 664
サケ 0.027 1426
クロマグロ 0.723 53
キンメダイ 0.684 56
ミナミマグロ 0.498 77
マカジキ 0.460 84
ツナ缶詰 0.114 338
   日本の厚労省は特定の魚種の摂取を控えることは特に推奨していませんが以下の
  ような注意喚起をしています。
  (妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(筋肉)の目安について
    -厚生労働省資料より-
妊婦が注意すべき魚介類の種類とその摂取量(筋肉)の目安
摂取量(筋肉)の目安 魚介類
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで(1週間当たり10g程度) バンドウイルカ
1回約80gとして妊婦は2ヶ月に1回まで(1週間当たり40g程度) コビレゴンドウ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり80g程度) キンメダイ
メカジキ
クロマグロ
メバチ(メバチマグロ)
エチュウバイガイ
ツチクジラ
マッコウクジラ
1回約80gとして妊婦は週に1回まで(1週間当たり160g程度) キダイ
マカジキ
ユメカサゴ
ミナミマグロ
ヨシキリザメ
イシイルカ
クロマグロは週に80gまでになってますが53gでアメリカの許容量に達しています。他の魚介類も同じように、この目安ではアメリカの許容量を超えています。
ただし魚には体に良い効果も沢山有るので、完全に排除するのではなくリスクの高い魚種を避け、うまく取り入れて下さい。


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