共生細菌について知ろう

プラスチック製品による海の汚染

この写真は、(株)名古屋生活クラブのスタッフが、渥美半島のどろんこ村での研修で、薪にするための流木を拾っているところです。しかし、流木だけでなく、プラスチック製品のごみも目に付きますね。ここは、比較的少ない方だと思いますが、もっとひどい所を見たことがあるのではないでしょうか。
現在、世界中の海が、プラスチックで汚染されています。

 
大きな問題となっているマイクロプラスチック
  • 小さなプラスチック(正式な規定は無く、研究者によって0.5〜5 mm以下とばらつきがある)
  • 歯磨き粉、化粧品などに含まれるビーズ(製品の段階で小さなプラスチックになっている)と、大きなプラスチックが粉々になったものがある。(アジアでは後者が多い)
  • 元のプラスチックに含まれる成分(ビスフェノールA、フタル酸エステル類など)だけでなく、海水中の様々な毒物(PCBs、DDTsなど)が、マイクロプラスチックに吸着している
  • 鳥、魚介類、プランクトンが食べてしまい、蓄積する。特に牡蠣などの貝類に多く蓄積する
  • マイクロプラスチックを食べた生物に、毒物が移行する
 
この様に、多くの問題のあるマイクロプラスチックですが、こんなところにも影響がありました

出来る範囲で良いものを食べましょう

ノルウェーの35,107人の女性を対象とした調査によると、妊娠期間中に何らかの有機食品を
時々、しばしば、よく食べた人  48%
ほとんど食べなかった人     52%
でした。ほぼ半々です。

この中で、生まれた子供(男の子)が尿道下裂(尿の出口が先端ではなく手前にある)だった人数は、
時々、しばしば、よく食べた人   22人 (0.13%)
ほとんど食べなかった人      52人 (0.29%)
2倍以上の差が有ります。
細かくデータを見てみると、この有機食品には、野菜、果物、穀物だけでなく、牛乳、卵、肉も含まれますが、どの食品で比較しても、ほぼ同じ割合になっていました。

有機食品を時々食べたぐらいで、健康になるものではありません。原因となる物質を特定する事もできません(安易に決め付ける人は、信用できない人なので注意して下さい)。おそらく、意識している人と、そうでない人では、普段の生活全体に違いがあるのでしょう。
農薬、動物用医薬品、食品添加物。高濃度に摂取した場合、動物実験で尿道下裂を起こすものは、たくさん有ります。これらは、影響が出ないように残留基準が設定されている事になっていますが、実際には少しは影響があるのだと思います。たかだか数十匹の実験動物では、わからない事もたくさんあります。

名古屋生活クラブでも、許容している農薬や添加物もあります。特に危険なものは取り扱っていませんが、取り扱っているものなら無条件に安全というわけではありません。
各家庭で状況は違いますが、出来る範囲で良いものを選ぶことが重要だと言う事を、この研究は示していると思います。
(PMID: 26930698, PMID: 26307850)
2016/5/27 掲載 外山

アクリルアミド

2016年4月5日の第601回食品安全委員会で、「加熱時に生じるアクリルアミド」の評価がまとめられましたので、改めてまとめます。
 
アクリルアミドの毒性
発がん性、神経毒性、雄の生殖毒性等。発がん性は、遺伝毒性なので、閾値を設定できない。代謝産物のグリシドアミドにも同様の毒性が見られる。
各国で、BMDL10(10%リスクが上がる摂取量)は、0.2〜0.3 mg/kg 体重/日程度と評価されています。
 
発生源
アスパラギンと、還元糖が高温で反応して出来る。
アスパラギンは、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の一つです。還元糖というのは、ブドウ糖、果糖などですが、デンプンなど多糖類やショ糖(砂糖の成分)もそれ自体は還元糖では有りませんが、分解すると還元糖ができます。たんぱく質と炭水化物がある食品を高温で調理するとできるので、ほぼ全ての食品という事になりますが、特にアスパラギンを多く含む食品を焦がした時にできやすい。
 
どれくらい摂取している?
平均的な日本人で、実験動物から求めたBMDL10の約1/1000 (リスクが10%上がる量の1/1000)
たいした事無いように見えますが、アクリルアミドの発がん性は閾値が無い事、あくまでも実験動物での毒性を元にした評価だという事を考えると、無視できる量ではありません。食品安全委員会でも、「公衆衛生上の観点から懸念がないとは言えない」という結論です。
 
どんな食品から多く摂取している?
評価書<別添 1>から、一部抜粋
食品 中央値(真ん中の人)
(ng/kg-bw/day)
多く食べる人(上から95%
(ng/kg-bw/day)
平均値(合計÷人数)
(ng/kg-bw/day)
コーヒー* 22 58 27
ジャガイモ(下炒め、素揚げ、炒め)* 11 53 17
もやし(素揚げ、炒め) 4.9 28 8.5
たまねぎ(下炒め、素揚げ、炒め)* 8.0 55 16
成形ポテトスナック 4.8 25 7.9
小麦系菓子類 4.5 37 10
ポテトチップス 3.7 55 14
合計 154 261 166

* 元のデータでは分割されていたものを、合計した。
平均的な日本人の食生活では、コーヒー、炒めたり揚げた野菜、スナック菓子からの摂取が多くなっています。

腸内細菌叢の変化がアレルギーなどに関係している

Allergy associations with the adult fecal microbiota: Analysis of the American Gut Project
成人の便中微生物叢の(貧しさ)がアレルギーに関係している。アメリカ腸内細菌プロジェクトの分析から
Xing Hua 国立衛生研究所 アメリカ
E Bio Medicine 3(2016)172-179

要旨
腸内細菌叢の変化がアレルギーなどに関係しているかもしれない。
アメリカ腸内細菌プロジェクトの、便中、16S rRNA(微生物の種類が分かる)のデータを使った。便中微生物の豊富さ(種類)と割合をアレルギー(ピーナッツ、ナッツ、貝、薬、ハチ、喘息、花粉、湿疹)を持っている人と持っていない人で比べた。
微生物の種数で3分割し(多い人、中間、少ない人)、豊富な人に対して少ない人がどのくらいの割合でアレルギーを持っているかを計算した。

結果
アレルギーを持っている割合は(自己申告)81.5%、
ピーナッツ2.5%、花粉症40.5%
便中微生物の種類はアレルギーを持っている人全体では、かなり少なかった。(P=10-9
微生物の種数で3分割して比べると、多い人に比べ少ない人は

花粉症   1.7倍
薬     1.8倍         
ピーナッツ 7.8倍
多い人に比べ少ない人がこんなに高い割合でアレルギーを持っている。


そして、これらのアレルギーを持つ人たちは微生物の割合も異なっていた。
(ちがう種類になっている。7〜9種類異なっている。)
伊澤
 

世代を越して、食事によって腸内細菌が絶滅しつつある。

Diet-induced extinctions in the gut microbiota compound over generations
世代を越して、食事によって腸内細菌が絶滅しつつある。
 
Sonnenburg.ED. スタンフォード大学 アメリカ
Nature 2016 Jan 14,529
 
腸には、何兆個もの微生物が住み着き、免疫、代謝など人に影響を及ぼしている。伝統的な生活(狩猟採取民族)をしている人達に比べて、現代的な生活をしている人達の腸内細菌の多様性が減少していること(腸内細菌の種類が少ないこと)は、何が原因でこの変化をもたらしているかの疑問を投げかけている。
Microbiota-accessible carbohydrates(MAC)とは、人が消化できずに微生物のエサになる炭水化物で食物繊維として含まれている物で、腸内の微生物叢を形作るのに重要ですが、現代の高脂肪、単一な炭水化物、低食物繊維の食事ではかなり減少しています。
ヒト、腸内微生物を持ったマウスにこの低MAC食を与えた時、このマウスの腸内細菌は一世代では元に戻りうる変化に留まります。
しかし、数世代経つと、この低MAC食は腸内細菌の多様性が連続的に進行し、MAC食を導入しても元に戻らなくなります。元の多様性に戻すには、失われた種類の微生物の投与と、MAC食が必要になります。
伊澤


名古屋生活クラブ

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