化粧品について知ろう

ナノ粒子の潜在的な危険性

論文で紹介します

The potential risks of nanomaterials
ナノ粒子の潜在的な危険性
Paul JA Borm Zuyd大学 オランダ
Particle and Fbre Toxicology 2006 3: 11


工業的に作られたナノ粒子の毒性データはほとんどない。

カーボンブラックと酸化チタン、酸化鉄、アモルファス、ケイ素についての研究が少しあるだけだ。これらの物質は、何十年間と製造されており、又、年間の生産量も何トンにもなる。これらのナノ粒子は、ラットでの実験で、長い曝露で炎症や肺ガンが報告されるまで、やっかいなゴミの様に思われてきた。

疫学研究で、環境中のナノ粒子(PM2.5…2.5μm)濃度が10μg/m3上がるごとに、全体の死亡率が0.9%上がり、呼吸器に限ると2.7%も死亡率が上がることがわかったことで、ナノ粒子の危険性についての議論が始まりました。実験では、カーボンブラックや酸化チタンのナノ粒子は、それより大きいファイン粒子より、より低濃度で毒性を示すことが分りました。人間での研究はありません。

ナノ化粧品について

ナノ化粧品には、50−50nmの大きさの粒子が使われている。

酸化チタンの場合には、皮膚の中へ浸透していくことは報告されていない。しかしながら、健康な皮膚でテストすることで十分かどうかは、疑問が残る。
 

(2012/08/06 掲載)

油とガン

論文で紹介します

Oils and cancr
油とガン
Tolbert PE エモリー大学  アメリカ
Cancer Causes Control, 1997 May;8(3):386-405


ミネラルオイル(流動パラフィン)とガンとの疫学的証拠をまとめました。疫学文献がある経皮と吸入の両経路の職業上の曝露にしぼってまとめた。その対象は機械、印刷、綿と麻の紡績業である。ミネラルオイルは脂肪族炭化水素、ナフタレン類、芳香族などの複合物であり、原料と精製法によって違いがあります。(石油が原料)

最終製品には、種々の添加物や不純物が含まれています。その様な物質として、多環芳香族炭化水素(とくにベンツピレン)(訳注、発ガン性あり)ニトロサミン(訳注、発ガン性)塩素化パラフィン、長鎖脂肪族、硫黄、N-フェニル-2-ナフチルアミン(訳注、発ガン性の疑い)ホルムアルデヒド(訳注、発がん性)があります。綿と麻の紡績と機械産業で使われていた初期のミネラルオイルには、皮膚ガンを起こしたはっきりした証拠がある。

現在のミネラルオイルの製品中の多環芳香族炭化水素とニトロサミン量は過去の物に比べて少ない。が発ガン性に関しては良く分からない。


解説

ミネラルオイル(流動パラフィン)は鉱物油の一種であり、化粧品や塗料の溶剤、機械油など広範囲に使われています。石油を蒸留して作るため、石油に含まれているベンツピレン、ベンゼン、ナフタレン類などの発ガン物質の混入が問題です。

今回の論文では、職業上で使われていたミネラルオイルに発ガン性があったこと(皮膚ガン、直腸ガン、食道ガン、胃ガン、前立腺ガン、膀胱ガン)現在使われているミネラルオイルには以前に比べて発ガン物質の混入が少ないけれど、発ガン性があるか、ないか分からない、という論文です。ミネラルオイル(流動パラフィン)は化粧品に多く含まれています。気になる方は成分表示を見て、避けた方が無難です。それにしても、石油を顔に付けていたとは驚きです。

(伊澤)

(2012/08/06 掲載)

パーソナルケア商品の使用で尿からフタル酸モノエステル類が検出

論文で紹介します

Personal care product use predicts urinary concentrations of some phtalate mono esters.
パーソナルケア商品(コロン・アフターシェービング・デオトラントなど)を使用すると、尿中からフタル酸モノエステル類が検出される。
Susan.M,Duty ハーバート大学
Environmental Health Perspectives volume 113 No.11 November 2005


フタル酸エステル類は(プラスチック)可そ剤、溶剤、香料や着色料の安定剤として使われている。パーソナルケア商品、医療、ペイント、接着剤、塩ビ製の医療器具にも使われている。DEP、DEHP、BBZP、DBPがパーソナルケア製品に使われている。動物実験では、フタル酸の精巣に対する毒性が見つかっているが、ヒトに対する影響のデータは不足している。DEPの尿中分解物であるMEP(モノエチルフタル酸)濃度と、ヒト精子DNA(遺伝子)の傷害の関係と他のフタル酸エステル、DBPとMBZPの分解物と、精子の運動性減少との関係の2つの研究がある。

最近の疫学研究では、MEP、MBP、MBZPの生まれる前の曝露が、男の子の肛門性器間長さ(AGD)を短くすることに関与していました。

ねずみでの研究では、AGDは生まれる前の抗男性ホルモン効果を示す指標です。

ホウリハンはアメリカ国内のスーパーマーケットで購入した、72種のパーソナルケア商品中(ヘアジェル・ヘアスプレー・ボディーローション・フレグランス・デオドラント)のフタル酸エステル類を分析し、DEPを72%、DBPを8%、BBZPを6%、DEHPを4%の商品から検出しました。

2004年の韓国の研究では、DBPがネイルポリッシュ21種中19種から、香水42種中11種から、DEPは42種香水から24種、8種デオドラントから2種検出した。

2000年から2003年にかけて、マサチューセッツ・ジェネラル病院での精子研究に参加している406人の男性を対象に、パーソナルケア製品の使用状況を確認しサンプル採取した尿中のフタル酸エステル類を分析した。


結果

尿採取の48時間以内にコロン、アフターシェーブを使用していた男性は、高い平均MEPを検出した。

さらに他の製品も使用した場合、MEPは33%増加した。パーソナルケア製品が、フタル酸エステル類の体内汚染源になっていることが分かった。

これらパーソナルケア商品に入っているフタル酸エステル類は表示されていないことが多い。

(伊澤)

(2012/08/06 掲載)

ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究

Carcinogenesis studies of benzophenone in rats and mice

ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究
M.C.Rhodes アメリカ国立環境衛生研究所
Food Chem Toxicol. 2007 May;45(5) 843-51


ベンゾフェノンはフォトイニシエーターと香料増加剤として、又、殺虫剤・農業・睡眠薬・抗ヒスタミン剤などの薬の原材料として、又、サングラスとインク中の紫外線防止剤として、プラスチックや接着剤の添加物として、又、香料成分として使われている。食品中のベンゾフェノン濃度は、ノンアルコール飲料中の0.57ppmから冷凍乳製品中の3.27ppmまで含まれている。さらに、パン・ソフトキャンディー・ゼラチン・プリンなどにも含まれる。

ベンゾフェノンの毒性研究は職業上及び消費者がベンゾフェノンに曝露される。可能性があるのに、慢性毒性データが無いため選ばれた。

サンスクリーン中のベンゾフェノンは一人の患者にアレルギー反応を引き起こした。ベンゾフェノンの誘導体、ベンゾフェノン−3とベンゾフェノン−4は皮膚を刺激し、光アレルギーを起こし、アレルギー性接触皮膚炎に関与している。


方法

1郡50匹ずつのF344ラット、オス・メスとB6C3マウス、オス・メスをそれぞれ0、312ppm、625ppm、1250ppmのベンゾフェノンを餌に混ぜ、105週にわたり投与した。1250ppm投与のオスの生存率は0(対象)に比べ低かった。


結果

オスラット 腎細管腫瘍 いくらかの証拠
メスラット 白血球 わずかに増加したのでどちらともいえない
悪性組織球内腫 わずかに増加したのでどちらともいえない
オスマウス 肺ガン いくらかの証拠
メスマウス 悪性組織球内腫 いくらかの証拠
肝腫瘍 いくらかの証拠


 

動物 部位
50匹中0ppm
50匹中312ppm
50匹中625ppm
50匹1250ppm
オスラット 腎小管適形成
1
5
20
23
腎小管腫瘍
1
1
2
4
オスマウス 肝腫瘍
11
15
23
23

(以下略)

(2012/08/20 掲載)

発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的

論文で紹介します

Safe Cosmetics Act Aims To Lessen Cancer Risk
発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的
Journal of the National Cancer Institute,Vol.98,No.20,October 18,2006


アメリカ・カルフォルニア州では、「化粧品がその地域で乳ガンが非常に高い割合で起きている原因ではないか」との疑いから、州上院議員のCarole Migdenは乳ガンファンドとある支持団体の助けもあり、「安全化粧品法案」を提出し、州議会で可決されました。

そして2007年1月に施行されました。

この法律はカルフォルニア州で販売されている化粧品を対象としており、化粧品製造業者は国家毒性プログラム、国際ガン研究機関、環境健康毒性評価などで登録のある発ガン物質・生殖毒性物質についてはDHS(カルフォルニア州の健康サービス部)に報告しなければなりません。


一方、ヨーロッパでは…

約6年前、内分泌かく乱物質であるフタル酸ジブチル(DBP)が肌を通して吸収されているという発見がありました。

DBPはコロン、ネイルポリッシュ、ヘアースプレー、保湿液など化粧品に幅広く使用されていますが、このDBPは男性ホルモンのアンドロゲンに影響を及ぼし、特に胎児の発達中に最も作用します。

DBPの研究はまだ始まって間もないですが、EUは2004年に化粧品へのDBP使用を禁止しました。

このことがアメリカに影響し、3つの主要なネイルポリッシュ会社はDBPの入っていない製品を作ることを約束しました。

Sally Hansen(売上トップのドラッグストア)はホルムアルデヒドとトルエンの除去に同意しました。毒性のある成分を使っている他の会社はこのカルフォルニア法が発効される前に除去するとのことでした。


発ガンリスク

2000年10月、“Environmental Health Perspectives”で疾病予防センター(CDC)の研究者が、大人289人を対象とした研究でDBPへの曝露は予想より高く、特に子供を産める年齢の女性で高いと報告しました。

新カルフォルニア安全飲み水毒物施行法ではDBPは毒物と表記されています。

DBPの発ガン性については、動物実験(ラット)において良性の精巣ガンが報告されています。また、人においては肛門陰茎間長が短くなったとの報告があります。

フタル酸は大気、食べ物、飲み水、薬などにも含まれているため、人は様々なフタル酸に曝露しています。化粧品中のフタル酸が発ガンに直接関係しているかは不明です。


解説

現在注目されているフタル酸類はプラスチックの可塑剤として、また、香水、デオドラント、ローション、ヘアケア商品、ネイルケア商品などに含まれています。我々は様々な場所・方法でフタル酸に曝露していると思われます。特に妊娠中に胎児の発達に影響する可能性もあるので、できるだけフタル酸は避けた方がいいと思われます。日本でもDBPを含む製品として、エイボン・プロダクツの「カラーネイルウェアネイルエナメル(N311 ルージュファタル)」などが販売されています。

このニュースからわかるように、アメリカでもヨーロッパでも化粧品の安全性については進んでいることが分ります。その点、日本は出遅れていると言えます。

(もみのき)

(2012/08/20 掲載)



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