化粧品について知ろう

パーソナルケア商品の使用で尿からフタル酸モノエステル類が検出

論文で紹介します

Personal care product use predicts urinary concentrations of some phtalate mono esters.
パーソナルケア商品(コロン・アフターシェービング・デオトラントなど)を使用すると、尿中からフタル酸モノエステル類が検出される。
Susan.M,Duty ハーバート大学
Environmental Health Perspectives volume 113 No.11 November 2005


フタル酸エステル類は(プラスチック)可そ剤、溶剤、香料や着色料の安定剤として使われている。パーソナルケア商品、医療、ペイント、接着剤、塩ビ製の医療器具にも使われている。DEP、DEHP、BBZP、DBPがパーソナルケア製品に使われている。動物実験では、フタル酸の精巣に対する毒性が見つかっているが、ヒトに対する影響のデータは不足している。DEPの尿中分解物であるMEP(モノエチルフタル酸)濃度と、ヒト精子DNA(遺伝子)の傷害の関係と他のフタル酸エステル、DBPとMBZPの分解物と、精子の運動性減少との関係の2つの研究がある。

最近の疫学研究では、MEP、MBP、MBZPの生まれる前の曝露が、男の子の肛門性器間長さ(AGD)を短くすることに関与していました。

ねずみでの研究では、AGDは生まれる前の抗男性ホルモン効果を示す指標です。

ホウリハンはアメリカ国内のスーパーマーケットで購入した、72種のパーソナルケア商品中(ヘアジェル・ヘアスプレー・ボディーローション・フレグランス・デオドラント)のフタル酸エステル類を分析し、DEPを72%、DBPを8%、BBZPを6%、DEHPを4%の商品から検出しました。

2004年の韓国の研究では、DBPがネイルポリッシュ21種中19種から、香水42種中11種から、DEPは42種香水から24種、8種デオドラントから2種検出した。

2000年から2003年にかけて、マサチューセッツ・ジェネラル病院での精子研究に参加している406人の男性を対象に、パーソナルケア製品の使用状況を確認しサンプル採取した尿中のフタル酸エステル類を分析した。


結果

尿採取の48時間以内にコロン、アフターシェーブを使用していた男性は、高い平均MEPを検出した。

さらに他の製品も使用した場合、MEPは33%増加した。パーソナルケア製品が、フタル酸エステル類の体内汚染源になっていることが分かった。

これらパーソナルケア商品に入っているフタル酸エステル類は表示されていないことが多い。

(伊澤)

(2012/08/06 掲載)

ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究

Carcinogenesis studies of benzophenone in rats and mice

ラットとマウスにおけるベンゾフェノンの発ガン性の研究
M.C.Rhodes アメリカ国立環境衛生研究所
Food Chem Toxicol. 2007 May;45(5) 843-51


ベンゾフェノンはフォトイニシエーターと香料増加剤として、又、殺虫剤・農業・睡眠薬・抗ヒスタミン剤などの薬の原材料として、又、サングラスとインク中の紫外線防止剤として、プラスチックや接着剤の添加物として、又、香料成分として使われている。食品中のベンゾフェノン濃度は、ノンアルコール飲料中の0.57ppmから冷凍乳製品中の3.27ppmまで含まれている。さらに、パン・ソフトキャンディー・ゼラチン・プリンなどにも含まれる。

ベンゾフェノンの毒性研究は職業上及び消費者がベンゾフェノンに曝露される。可能性があるのに、慢性毒性データが無いため選ばれた。

サンスクリーン中のベンゾフェノンは一人の患者にアレルギー反応を引き起こした。ベンゾフェノンの誘導体、ベンゾフェノン−3とベンゾフェノン−4は皮膚を刺激し、光アレルギーを起こし、アレルギー性接触皮膚炎に関与している。


方法

1郡50匹ずつのF344ラット、オス・メスとB6C3マウス、オス・メスをそれぞれ0、312ppm、625ppm、1250ppmのベンゾフェノンを餌に混ぜ、105週にわたり投与した。1250ppm投与のオスの生存率は0(対象)に比べ低かった。


結果

オスラット 腎細管腫瘍 いくらかの証拠
メスラット 白血球 わずかに増加したのでどちらともいえない
悪性組織球内腫 わずかに増加したのでどちらともいえない
オスマウス 肺ガン いくらかの証拠
メスマウス 悪性組織球内腫 いくらかの証拠
肝腫瘍 いくらかの証拠


 

動物 部位
50匹中0ppm
50匹中312ppm
50匹中625ppm
50匹1250ppm
オスラット 腎小管適形成
1
5
20
23
腎小管腫瘍
1
1
2
4
オスマウス 肝腫瘍
11
15
23
23

(以下略)

(2012/08/20 掲載)

発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的

論文で紹介します

Safe Cosmetics Act Aims To Lessen Cancer Risk
発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的
Journal of the National Cancer Institute,Vol.98,No.20,October 18,2006


アメリカ・カルフォルニア州では、「化粧品がその地域で乳ガンが非常に高い割合で起きている原因ではないか」との疑いから、州上院議員のCarole Migdenは乳ガンファンドとある支持団体の助けもあり、「安全化粧品法案」を提出し、州議会で可決されました。

そして2007年1月に施行されました。

この法律はカルフォルニア州で販売されている化粧品を対象としており、化粧品製造業者は国家毒性プログラム、国際ガン研究機関、環境健康毒性評価などで登録のある発ガン物質・生殖毒性物質についてはDHS(カルフォルニア州の健康サービス部)に報告しなければなりません。


一方、ヨーロッパでは…

約6年前、内分泌かく乱物質であるフタル酸ジブチル(DBP)が肌を通して吸収されているという発見がありました。

DBPはコロン、ネイルポリッシュ、ヘアースプレー、保湿液など化粧品に幅広く使用されていますが、このDBPは男性ホルモンのアンドロゲンに影響を及ぼし、特に胎児の発達中に最も作用します。

DBPの研究はまだ始まって間もないですが、EUは2004年に化粧品へのDBP使用を禁止しました。

このことがアメリカに影響し、3つの主要なネイルポリッシュ会社はDBPの入っていない製品を作ることを約束しました。

Sally Hansen(売上トップのドラッグストア)はホルムアルデヒドとトルエンの除去に同意しました。毒性のある成分を使っている他の会社はこのカルフォルニア法が発効される前に除去するとのことでした。


発ガンリスク

2000年10月、“Environmental Health Perspectives”で疾病予防センター(CDC)の研究者が、大人289人を対象とした研究でDBPへの曝露は予想より高く、特に子供を産める年齢の女性で高いと報告しました。

新カルフォルニア安全飲み水毒物施行法ではDBPは毒物と表記されています。

DBPの発ガン性については、動物実験(ラット)において良性の精巣ガンが報告されています。また、人においては肛門陰茎間長が短くなったとの報告があります。

フタル酸は大気、食べ物、飲み水、薬などにも含まれているため、人は様々なフタル酸に曝露しています。化粧品中のフタル酸が発ガンに直接関係しているかは不明です。


解説

現在注目されているフタル酸類はプラスチックの可塑剤として、また、香水、デオドラント、ローション、ヘアケア商品、ネイルケア商品などに含まれています。我々は様々な場所・方法でフタル酸に曝露していると思われます。特に妊娠中に胎児の発達に影響する可能性もあるので、できるだけフタル酸は避けた方がいいと思われます。日本でもDBPを含む製品として、エイボン・プロダクツの「カラーネイルウェアネイルエナメル(N311 ルージュファタル)」などが販売されています。

このニュースからわかるように、アメリカでもヨーロッパでも化粧品の安全性については進んでいることが分ります。その点、日本は出遅れていると言えます。

(もみのき)

(2012/08/20 掲載)

エストロゲン、プラセンタを含むヘアケア製品は子どもの性発達に影響

論文で紹介します

Premature sexual development in children following the use of estrogen-or placenta-containing hair products.
エストロゲンもしくはプラセンタを含むヘアケア製品の使用は子供に早過ぎる性発達をもたらす
Department of Pediatrics,Brooke Army Medical Center,Ft. Sam Houston,TX 78234,USA.


化粧品に使われる様々な物質。一体何を避けたらいいのでしょうか。ここでアメリカの市民グループ(Environmental Working Group)が立ち上げた化粧品の安全性を調べたデータベースより、避けるべき原材料9つをご紹介します。

1.プラセンタ 日本では豚胎盤由来タンパク質が主流。化粧水、クリーム、下地、リップケア、ヘアケア商品に含まれる。
2.水銀 リップ・アイライナー、リップグロス、ネイルトリートメント、マスカラなどに含まれる。
3.鉛 保湿クリーム、ファンデーション、リップスティック、サンスクリーン、コンシーラー、アイシャドウなどに含まれる。
4.香料 多くの種類があり、総称した“香料”との記載が多いため、どんなものが入っているか分りにくい。
5.動物由来物質 ミンクやエミュー由来のもの
6.ハイドロキノン サンスクリーン、ファンデーション、シャンプー、アイシャドー、コンシーラー、ヘアカラー、アイライナー、マスカラ、リップスティックなどに含まれる。
7.ナノ粒子 ナノ粒子にすることでなめらかな肌に見せることができるが、肌の細胞に入ることによる影響が懸念されている。
8.フタル酸 ネイルカラー,化粧水,香水,保湿剤、ハイムの商品(ルージュグロスG2)にもフタル酸を含みますが、これについては調査中です。
9.石油由来製品 不純物を含み、発がん物質を含むこともある。

以下、表題の論文

14ヶ月〜93ヶ月齢のアフリカンアメリカ人の女の子4人において、エストロゲンまたはプラセンタを含んだヘアケア製品を使用から2〜24ヶ月後に胸と陰毛が発達しました。

このヘアケア製品の使用を止めると、胸と陰毛の発達は退行しました。

血清中の性腺刺激ホルモンとエストラジオール(女性ホルモンの1つ)の濃度が変動しました。

これらの女の子において、早期性発達の原因はヘアケア製品以外に見つかりませんでした。

子供は大人に比べてホルモンに過敏であり、少量の摂取がこのような害をもたらすかもしれません。

特に子供に使うものについてはプラセンタが入った商品ではないか、注意する必要がありそうです。
 

(2012/08/20 掲載)

5種のフタル酸エステルの混合物は胎児のテストステロン産生を抑制

論文で紹介します

A mixture of five phthalate esters inhibits fetal testicular testosterone production in the Sprague Dawley rat in a cumulative,dose additive manner.
5種のフタル酸エステルの混合物はSprague Dawleyラットに累積的に投与すると胎児の精巣内テストステロン産生を抑制する
アメリカ環境保護機関(USEPA)
Toxicol Sci.2008 Apr 14


フタル酸ジブチルは人が至るところで曝露している化学物質である。

性分化の間、あるフタル酸に曝露することはオスラットにおいて生殖管奇形をもたらす。

胎児ラットにおいて、フタル酸ベンジルブチル(BBP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)への曝露は精巣内テストステロン産生とインシュリンに似た3つのホルモンmRNAレベルを減らす。妊娠期間8〜18日でSprague Dawleyラットに曝露させたあと、妊娠期間18日における6つのフタル酸{BBP、DBP、DEHP、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジイソブチル(DiBP)、フタル酸ジペンチル(DPP)}が精巣テストステロン産生に及ぼす投与量による影響について特性を記述した。

BBP、DBP、DEHP、DiHP、は効力が等しく(ED50 440±16mg/kg/日)、DPPは約3倍より強く(ED50 130mg/kg/日)、DEPは胎児のテストステロン産生に影響をもたない。

これら5つの抗アンドロゲンフタル酸を一緒に投与することは、共通の毒性を経由するためテストステロン産生を減らすと仮定した。

もう1つの研究では、damsは混合物を100、80、60、40、20、10、5、0%で投与した。一番多い投与量はBBP、DBP、DEHP、DiHP、DiBP(300mg/kg/日化学物質当り)、DPP(100mg DPP/kg/日)を含めた総フタル酸/kg/日で1300mgであった。

この混合物の割合は、それぞれのフタル酸が同程度でテストステロンを減らすように選択された。仮定と同じく、テストステロン産生は付加投与方式で減った。個々のフタル酸と混合物のいくつかは胎児の死亡率、妊娠中の死を引き起こした。これらのデータは、同様の働きを持つ個々のフタル酸が混合物として処理すると胎児のテストステロン産生は妊娠に投与量と付加的な影響を累積的に引き起こすことを証明している。
 

(2012/08/20 掲載)



名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ