精製油、油脂・脂肪酸について知ろう

子供のアレルギー予防

論文で紹介します。

The Australasian Society of Clinical Immunology and Allergy position statement of allergy prevention in children
子供のアレルギー予防
Susan L.Prescott 西オーストラリア大学 オーストラリア
MJA2005; 182. 464-467 2.May2005


要旨

(1)アレルギーと喘息の家族歴がある子供はハイリスクである。

(2)妊娠中の食事制限は勧められない。

(3)母乳育児はいい点があるのでおすすめできる。母乳育児ができない場合高いリスクを持っている子供の場合は牛乳よりも加水分解された製品をおすすめする。

(4)哺乳中の母親の食事制限は勧められない。

(5)大豆は他の製品(ヤギ乳など)のミルク製品は勧められない。

(6)補助食(牛乳も含めて)子供が4−6ヶ月になるまで遅らせるべきである。この予防効果はハイリスク児でのみ実証されている。

(7)ダニなどのハウスダストなどとの関連は更なる研究が必要。

(8)ペットに関して既に家庭にいるならばそのままでよい(アレルギー専門医によってペットアレルギーと決定されなければ)。

(9)妊娠中はタバコを避けるべきだ。

(10)プロバイオティックサプリメント(微生物)は現時点ではおすすめできない。

(2007/07/02 掲載)

金属と健康問題の関係

論文で紹介します。

Metal-specific lymphocytes : biomarker of sensitivity in man
金属特異的なリンパ球−ヒト感受性のバイオマーカー
カロリンスカ研究所 スウェーデン
Neuro Enclocrinol Lett 1999,20(5).289-298


多くの患者は、健康問題を、アマルガムやその他の歯科金属のせいにしている。遺伝的に感受性のある個人には、水銀と金はハプテン(抗原)として、アレルギー反応を起したり、自己免疫反応を起すかもしれない。

金属によって起きる、リンパ球の反応が3162人の患者で調べられた。

歯の金属の除去の効果が、金属に対する過敏性と慢性疲労症候群の様な症状を持つ患者、111人で調べられた。


金属特異的なリンパ球を血液中に持つ患者がみられた。その中で、ニッケルに対してが一番で、その次が無機水銀、金、フェニル水銀、カドミウム、パラディウムの順でした。

健康な人達に比較して、「慢性疲労症候群」(の様な)患者グループは、数種の金属に対して(特に、無機水銀、フェニル水銀と金)リンパ球の反応が統計的に有意に高かった。

歯科の金属の除去後、83人(111人中76%)が健康の改善を報告している。24人(111人中22%)は変わらず、2人(111人中2%)は悪化を報告している。 歯科金属の取り換え後、金属に対するリンパ球の反応性も低下した。

私達は、金属は視床下部−脳下垂体−副腎、という軸(HPA軸)に影響し、慢性疲労症候群や筋痛脳炎?(myalgic encephalitis)や化学物質過敏症などを引き起こすという仮説を提案する。

(2012/06/15 掲載)

歯科矯正学治療のニッケルとコバルトへの過敏性反応

論文で紹介します。

Nickel and cobalt hypersensitive reaction before and after orthodontic therapy in children
歯科矯正学治療の前後でのニッケルとコバルトに対する過敏性反応
the Journal of contemporary dental practice
volume 5 No.4 November 15 2004


ニッケルとコバルトは、歯科矯正で使われている主な合金です。

この研究の目的は、一般的なステンレススチール製のブラケットとワイアーを使った歯科矯正の前後でのニッケル過敏性の割合を決めることです。

パッチテストと質問状を用い、これらの金属に対する過敏性を評価した。

ニッケルに対するアレルギーは 女性14.55% 男性0%
コバルトに対するアレルギーは 女性7.27% 男性14.81%

でした。

又、歯科矯正前後での過敏性反応に差はなかった。

(2012/06/18 掲載)

食事中の油の効果をマウスで比較した

論文で紹介します。

Effect of Dietary n-3 and n-6 Oils with and without Food Restriction on Activity of Antioxidant Enzymes and Lipid Peroxidation in Livers of Cyclophosphamide Treated Autoimmune-Prone NZB/W Female Mice
食事中のn-3(えごま油、魚油など)、n-6(リノール酸、とうもろこし油など)、脂肪酸の効果を、自己免疫病を発症しやすくしたNZB/Wマウスを使って、食制限のある、なし、などの条件で抗酸化酵素量、脂肪の過酸化などの指標を使い、比べた。
テキサス大学 健康科学センター ガブリエル・フェルナンデス
Journal of the American College of Nutrition
 

人間の病気、全身性エリテマトーテスは、自己の抗体が自己を攻撃してしまう、自己免疫病です。リューマチなども、その様な病気です。

治療には、シクロフォスファミドという、ガン治療にも使われる薬が使われているのですが、この薬は、ラジカルを生じてしまうので重い副作用を持っています。今回の実験は、自己免疫病を発症させやすく改良したマウスを材料に、エサの摂取の制限の有無、エサをとうもろこし油か魚油に、シクロフォスファミドをやるか、やらないかで見たものです。

結果は、マウスの延命効果でみると、エサの摂取の制限が一番重要で次が魚油とシクロフォスファミド(薬)が同じ位です。マウスに食べたいだけ、とうもろこし油を食べさせた場合が一番短命です。


解説

アレルギー関係の病気には、えごま油、魚油などのα-リノレン酸(n-3)が良く、とうもろこし油などのリノール酸、アラキドン酸(n-6)が悪い、というのは、常識的になってきました。この実験もおおかた、それを支持していますが、一番大事なことが、「食事の量の制限」だということです。

抗酸化酵素(SOD、カタラーゼ、グルタチオンなど)生体を活性酸素(ラジカル)から守ってくれる酵素も、「食事量の制限」組に一番多いのです。老化に関しても、「食事の量の制限」が一番老化を遅くすることがはっきりしています。

多くの健康法は「何が良い」と摂ることだけを強調していますが、売りたいがための宣伝であって、本当の事を伝えているわけでは決してありません。

えごま油、魚油などを、酸化しにくい未精製の油で量を減らして取る、リノール酸などは減らす、というのが、油の取り方として一番大事なことではないでしょうか。おかずが何品も並ばないとみすぼらしく感じてしまう、この飽食の時代の感性を直していかないと、健康でいられないのだと、自戒して思います。一汁一菜で満足できる、おいしい素材の食事にすれば、そんなに家計も圧迫しないし(?)。健康を維持できる可能性も高いのです。

(伊澤)

(2007/01/19 掲載)

海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質

論文で紹介します。

Brain-specific lipeds from marine, lacustrine, or terrestrial food resources: potential impact on early African Homo sapiens.
海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質(原始時代のアフリカのホモ・サピエンス(人類)への影響)
Broadhurst CL. アメリカ農務省環境化学研究所
Comp Biochem Physiol B. Biochem Mol Biol 2002 April 131(4)653-73

哺乳類の中枢神経系にある多価不飽和脂肪酸は、次の2つの長鎖脂肪酸、すなわち、ドコサヘキサエン酸(DHA)とアラキドン酸(AA)がしめている、多価不飽和脂肪酸は、(体内で合成できないので)食事に必ず必要な成分で、それが、妊娠中や哺乳中に不足すると、正常な知的な脳の発達ができなくなる。人類にのみ、ユニーク(特徴的)な点は、母親から運ばれてきたエネルギーの70%を、脳が消費することです。DHAとAAは、胎盤や胎児の組織の細胞膜が機能するのに必要です。

現代では、母親からのDHAとAAが胎児の成長に不足しています

ホモ・サピエンス(人類)は、大きな、複雑なエネルギーを浪費する脳を進化させましたが、現在の環境は、それに必要な多価不飽和脂肪酸を充分に提供してくれません。(食事中に多く含まれていない)

沿岸の水産物や湖からの食料は、(脳に必要な)長鎖多価不飽和脂肪酸を、より多く含みます。(陸上の食料に比べて)

食料中のDHA量は、陸上動物の肉に比べ、海の魚や貝は2.5倍〜100倍多く含んでいます。

陸上動物の中では、海鳥が多価不飽和脂肪酸を多く含みます。陸上動物の脂肪は、血管の病気や心の病に関連しています。一方、海の食料の脂肪は、それらに防御的であることが証明されています。初期の人類の食料の証拠として、魚の骨や貝塚の存在があります。

河や河口にいる魚や貝、海鳥やその卵などが初期の人類に、必須な多価不飽和脂肪酸を供給した可能性があり、それらの採取には、集団的な狩りや洗練された技法などを必要としていません。

それらの食料の利用が長い世代にわたって、脳の発達を可能にし、ホモ・サピエンスの進化を可能にしたのです。

陸上のさると哺乳類は、陸上の食料のみに限定された場合、体を大きく進化させるにつれ、1つの例外もなしにすべて、脳と血管系が退化していきました。

(2010/07/29 掲載)



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