精製油、油脂・脂肪酸について知ろう

歯科矯正学治療のニッケルとコバルトへの過敏性反応

論文で紹介します。

Nickel and cobalt hypersensitive reaction before and after orthodontic therapy in children
歯科矯正学治療の前後でのニッケルとコバルトに対する過敏性反応
the Journal of contemporary dental practice
volume 5 No.4 November 15 2004


ニッケルとコバルトは、歯科矯正で使われている主な合金です。

この研究の目的は、一般的なステンレススチール製のブラケットとワイアーを使った歯科矯正の前後でのニッケル過敏性の割合を決めることです。

パッチテストと質問状を用い、これらの金属に対する過敏性を評価した。

ニッケルに対するアレルギーは 女性14.55% 男性0%
コバルトに対するアレルギーは 女性7.27% 男性14.81%

でした。

又、歯科矯正前後での過敏性反応に差はなかった。

(2012/06/18 掲載)

食事中の油の効果をマウスで比較した

論文で紹介します。

Effect of Dietary n-3 and n-6 Oils with and without Food Restriction on Activity of Antioxidant Enzymes and Lipid Peroxidation in Livers of Cyclophosphamide Treated Autoimmune-Prone NZB/W Female Mice
食事中のn-3(えごま油、魚油など)、n-6(リノール酸、とうもろこし油など)、脂肪酸の効果を、自己免疫病を発症しやすくしたNZB/Wマウスを使って、食制限のある、なし、などの条件で抗酸化酵素量、脂肪の過酸化などの指標を使い、比べた。
テキサス大学 健康科学センター ガブリエル・フェルナンデス
Journal of the American College of Nutrition
 

人間の病気、全身性エリテマトーテスは、自己の抗体が自己を攻撃してしまう、自己免疫病です。リューマチなども、その様な病気です。

治療には、シクロフォスファミドという、ガン治療にも使われる薬が使われているのですが、この薬は、ラジカルを生じてしまうので重い副作用を持っています。今回の実験は、自己免疫病を発症させやすく改良したマウスを材料に、エサの摂取の制限の有無、エサをとうもろこし油か魚油に、シクロフォスファミドをやるか、やらないかで見たものです。

結果は、マウスの延命効果でみると、エサの摂取の制限が一番重要で次が魚油とシクロフォスファミド(薬)が同じ位です。マウスに食べたいだけ、とうもろこし油を食べさせた場合が一番短命です。


解説

アレルギー関係の病気には、えごま油、魚油などのα-リノレン酸(n-3)が良く、とうもろこし油などのリノール酸、アラキドン酸(n-6)が悪い、というのは、常識的になってきました。この実験もおおかた、それを支持していますが、一番大事なことが、「食事の量の制限」だということです。

抗酸化酵素(SOD、カタラーゼ、グルタチオンなど)生体を活性酸素(ラジカル)から守ってくれる酵素も、「食事量の制限」組に一番多いのです。老化に関しても、「食事の量の制限」が一番老化を遅くすることがはっきりしています。

多くの健康法は「何が良い」と摂ることだけを強調していますが、売りたいがための宣伝であって、本当の事を伝えているわけでは決してありません。

えごま油、魚油などを、酸化しにくい未精製の油で量を減らして取る、リノール酸などは減らす、というのが、油の取り方として一番大事なことではないでしょうか。おかずが何品も並ばないとみすぼらしく感じてしまう、この飽食の時代の感性を直していかないと、健康でいられないのだと、自戒して思います。一汁一菜で満足できる、おいしい素材の食事にすれば、そんなに家計も圧迫しないし(?)。健康を維持できる可能性も高いのです。

(伊澤)

(2007/01/19 掲載)

海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質

論文で紹介します。

Brain-specific lipeds from marine, lacustrine, or terrestrial food resources: potential impact on early African Homo sapiens.
海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質(原始時代のアフリカのホモ・サピエンス(人類)への影響)
Broadhurst CL. アメリカ農務省環境化学研究所
Comp Biochem Physiol B. Biochem Mol Biol 2002 April 131(4)653-73

哺乳類の中枢神経系にある多価不飽和脂肪酸は、次の2つの長鎖脂肪酸、すなわち、ドコサヘキサエン酸(DHA)とアラキドン酸(AA)がしめている、多価不飽和脂肪酸は、(体内で合成できないので)食事に必ず必要な成分で、それが、妊娠中や哺乳中に不足すると、正常な知的な脳の発達ができなくなる。人類にのみ、ユニーク(特徴的)な点は、母親から運ばれてきたエネルギーの70%を、脳が消費することです。DHAとAAは、胎盤や胎児の組織の細胞膜が機能するのに必要です。

現代では、母親からのDHAとAAが胎児の成長に不足しています

ホモ・サピエンス(人類)は、大きな、複雑なエネルギーを浪費する脳を進化させましたが、現在の環境は、それに必要な多価不飽和脂肪酸を充分に提供してくれません。(食事中に多く含まれていない)

沿岸の水産物や湖からの食料は、(脳に必要な)長鎖多価不飽和脂肪酸を、より多く含みます。(陸上の食料に比べて)

食料中のDHA量は、陸上動物の肉に比べ、海の魚や貝は2.5倍〜100倍多く含んでいます。

陸上動物の中では、海鳥が多価不飽和脂肪酸を多く含みます。陸上動物の脂肪は、血管の病気や心の病に関連しています。一方、海の食料の脂肪は、それらに防御的であることが証明されています。初期の人類の食料の証拠として、魚の骨や貝塚の存在があります。

河や河口にいる魚や貝、海鳥やその卵などが初期の人類に、必須な多価不飽和脂肪酸を供給した可能性があり、それらの採取には、集団的な狩りや洗練された技法などを必要としていません。

それらの食料の利用が長い世代にわたって、脳の発達を可能にし、ホモ・サピエンスの進化を可能にしたのです。

陸上のさると哺乳類は、陸上の食料のみに限定された場合、体を大きく進化させるにつれ、1つの例外もなしにすべて、脳と血管系が退化していきました。

(2010/07/29 掲載)

カロリー制限とと絶食の繰り返しが脳の老化を抑える可能性がある

論文で紹介します

Caloric restriction and intermittent fasting : Two potential diets for successful brain aging
カロリー制限と次の日の絶食(食べる日と絶食の繰り返し)、この2つの方法が脳の老化を抑える可能性がある
Browen Martin 国立老化研究所 アメリカ
Ageing Res Rev .2006 August ; 5(3) 332-353


歴史上、多くの社会が食料が乏しい時期や宗教的な理由での食事制限が健康に有益であることを認識してきた。

最初の科学的な研究は1935年にマッケイが食の制限が寿命を伸ばすことを見つけました。マッケイはラットに消化できないセルロースを含むエサを与え、平均寿命および最長寿命が伸びることを観察しました。ラット以外にも、ねずみ、しょうじょうバエ、線虫、くも、魚などでも観察されています。

重要なことに、カロリー制限や次の日の絶食は、げっ歯類で糖尿病や心臓病などのリスクも減らします。さらに、ラットを一日おきにカロリー制限して2−4ヶ月育てると化学物質による海馬の神経細胞の障害を減少させました。

(ストレスを受けたときに防御するためにつくられるタンパクにヒートショックタンパク70(HSP-70)とブドウ糖調節タンパク78(GRP-78)という代表的なタンパクがあります)カロリー制限を受けたラットは自由に食べられるラットに比べて脳中にこれらHSP-70とGRP-78が増加していました。以前の研究でこれらHSP-70とGRP-78は神経細胞を酸化的傷害と興奮毒性(神経細胞が過剰に興奮して死んでしまうこと)から守っている証拠があります。

オスラットを用いた長期研究でカロリー制限は平均24時間ブドウ糖濃度を15mg/dl減少させ、インシュリン濃度は50%減少させた。

カロリー制限したラットは、自由に食べさせたラットに比べ、同じ速度でブドウ糖を利用したが、血液中のブドウ糖の効率的な利用とインシュリンに対する反応性をともに高めていると思われる。

インシュリン−ブドウ糖調節システムを老化に大きく強調する理由はインシュリンシグナル系の機能をなくした突然変異体が3つの種(線虫、しょうじょうバエ、ねずみ)で寿命が延びているからです。


解説

食事(カロリー)をたくさん摂ると、血中のブドウ糖が増加し、それに反応してインシュリンも増加し、細胞内にブドウ糖を取り込みます。インシュリンは細胞の受容体に結合し、そこから一連の反応が次々と起こります。このことをインシュリンシグナル系といいます。このインシュリンシグナル系を働かなくさせた突然変異体が3種(線虫、しょうじょうバエ、ねずみ)でいづれも寿命が延びました。このことは、食事(カロリー)をたくさん摂って、血中にブドウ糖を増加させ、インシュリンを増加させることが寿命を「ちぢめている」事を意味しています。食べることは危険性と隣り合っているのです。今の日本人は僕も含めて、ついつい食べ過ぎてしまっているようです。もう少し少なくして満足する食事に変わって行かないと、食べすぎによって起こっている病気(糖尿病、メタボ、アルツハイマー病などの脳の病気もそうみたいです)を予防することは難しいでしょう。

今の栄養学は、不足…カルシウムが足りない…葉酸が足りない…などなど不足のことばかり取り上げていますが、それにもまして必要なのは「食べすぎ」の弊害ではないでしょうか。おかずを減らして、少ない量で満足する食事を各家庭で工夫してください。

量より質です。

(2012/07/12 掲載)

未精製油のキャノロールがラジカルを除去する

Isolation, identification, and structure of a potent alkyl-peroxyl radecal scavenger in crude canola oil, canolol.
未精製のナタネ油中に含まれる脂質過酸化ラジカル除去能を持つ“キャノロール”の分離と構造
熊本大学 崇城大学 前田


酸化した油の中に含まれる脂質過酸化物は、赤身の肉に含まれている、ミオグロビン、ヘモグロビン、ヘムの触媒作用により、脂質ラジカルになるので好ましくない成分です。脂質ラジカルは、生化学的に反応性が高く、核酸(遺伝子)やタンパク質を傷つけることによって、細胞を傷害します。私達は、未精製のナタネ油から脂質ラジカル除去能を持つ成分を分離して、キャノロールと名づけ、構造を、4−ビニル−2,6−ジメトキシフェノールと決定した。未精製のナタネ油中に含まれているキャノロールは焙煎によって、大幅に増加し、精製した油では減少した。

脂質ラジカル除去能は、未精製の油で最も高く、精製の各段階で減少し、純粋な精製油で最も低かった。

キャノロールは焙煎によって生成している。キャノロールは脂質ラジカル除去能が最も高い物質の1つであり、その能力はよく知られている。

Α−トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンC、β−カロテン、ルティン(そばに含まれている)、ケルセチンなどの抗酸化物質よりも高い。


用語解説

ラジカル
・・・活性酸素はラジカルの中の1つで、活性酸素同様に細胞に害をなします。
精製
・・・市販されている油は、色も香りも除去されて、純粋油だけにされています。日持ちを向上させるため。

生じた脂質ラジカルを除去することによって、DNA障害、発ガンへつながるのを阻止するのが抗酸化物質で、ビタミンC、E、βカロテンなどがよく知られていますが、未精製のナタネ油に含まれるキャノロールはこれらの物質以上の力を持っています。エキストラバージンのオリーブ油が最も高く、次がごま油、その次がナタネ油です。

不飽和脂肪酸(リノール酸、DHA、EPAなど)→ 脂質過酸化物→ 脂質ラジカル→ 阻止
→×→
キャノロール
DNA障害→ ガン

下の表は、精製の段階ごとにキャノロール及び脂質ラジカル除去能が減っていくことを示した表です。

精製 IPOX50 キャノロールμg/g 総ビタミンEμg/g
脱ガム ナタネ油 1,46 220 785
脱酸 ナタネ油 21,6 38 754
脱色 ナタネ油 105 検出できない 749
脱臭 ナタネ油 300以上 検出できない 409


IPOX

50%の脂質ラジカルを除去するのに必要な量。量が少ないほど、ラジカル除去能が高い。脱ガムしただけの油と、脱臭油と比べると、205倍以上のラジカル除去能の違いがあります。総ビタミンEでみると、785/409≒1.9倍なので、ビタミンEはラジカル除去にあまり有効でないことも分かります。


解説

ラジカルによってもたらされていると思われている病気、炎症、ガン、動脈硬化、神経変性していく病気(筋ジストロフィー、パーキンソン病、アルツハイマー病)などに効果があるかもしれない。

この研究は、現在の工業的精製法が、ラジカル除去能を保持できる様な方法に変わっていく必要を示しています。

(2006/09/22 掲載)



名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ