農薬について知ろう

メキシコ国内のバナナ農園からのブラックシガトカ病原菌の殺菌剤に対する感受性

ブラックシガトカ病はメキシコでは1980年代に確認され、15年で急速に全土に広がった。この病気により収穫量は50〜100%減少する。バナナブランテーションでは合成殺菌剤を使う。2010年ではメキシコ国内のバナナ農家は殺菌剤に5500万ドル(日本円で55億円)使った。 農薬を多量に使う防除法では1年間に殺菌剤(マンゼブ)を35回、その内14-20回を他のトリアソール ストロビルリン、ベンズイミダゾールなどに切り換える場合もある。【訳者注、マンゼブ アメリカ環境保護庁(EPA)、発ガンの恐れ ベンズイミダゾール(カルベンダジム)】 中間型防除法ではマンゼブ、クロロタロニルを15回まで(訳注、EPA、発ガンの恐れ、クロロタロニル) 農薬を使わないバナナ園と集中的に多量に使うバナナ園からブラックシガトカ病原菌を収集し、6つの殺菌剤に対する耐性を半数致死濃度EC50を用い比較した。 殺菌剤に対する耐性が農薬を集中使用する畑の菌に生じている。しかし、お互いに隣り合っている農薬を使っている畑の病原菌との遺伝子の交換により、耐性が発達している。殺菌剤使用により耐性菌が生じている問題を解決するための緊急な行為が必要である。

          農薬不使用EC50(mg/l)畑からの病原菌 集中使用EC50(mg/l)畑からの病原菌

アゾキシストロビン   13.25                 51.58
カルベンダジム     1.8575                 81.40
プロピコナゾール    1.225                 10.01
ビンクロゾリン     220                  368  
フルジオキソニル    9.862                 54.5
マンゼブ        49.2125                112.25

  【説明】例:アゾキシストロビンの濃度を上げていくと病原菌が半分死ぬ濃度がEC50の値でこの場合、農薬不使用の畑からの病原菌は13.25 mg/lで半数が死ぬのに対して、農薬を集中使用している畑からの病原菌はその4倍位の51.58mg/lまで上げないと死なない。つまり耐性がついているということです。

  弊社で販売しているオーガニックバナナに使われている。Timorex Goldは天然植物性殺菌剤でブラックシガトカ病にも高い効果がある。EUでも認可されています。 【解説】 Timorex Goldを調べてたらブラックシガトカ病がバナナに猛威をふるっている現状。それに対して危険な殺菌剤(マンゼブ・クロロタロニル・カルベンダジムなど)を年間で25-40回も使用している現状には驚きました。マンゼブの集中使用でプランテーション内部の水がその分解産物のエチレンチオウレア(アメリカ科学アカデミー発ガンの恐れ)に高濃度に汚染しているという論文もあります。この論文では殺菌剤の集中使用に対して病原菌も耐性を獲得するといういたちごっこが見られます。バナナ大量消費社会の裏には農薬の大量使用があります。バナナは有機かオーガニックのバナナを。

ネオニコチノイド系農薬の基準値変更について

名古屋生活クラブでは、これまでにイミダクロプリドのホウレン草での残留基準値が引き上げられたとお伝えしています。これまで、ヨーロッパで種子処理が禁止されつつあるのに、日本では野放し状態だという事を問題にしてきましたが、使用方法の追加と残留基準引き上げの審議の評価書を読んでみたところ、別の大きな問題が見えてきましたので、報告します。
 
イミダクロプリドの人体への影響は、まだ良くわかっていない部分も多くありますが、少なくとも有機リン系農薬よりも人体に対する急性毒性が100倍ほど弱い事は確かです。それを、反対の口実を作る為に、非常に危険なものであるかのように言うのは、間違っています。
それでは、安全になったのかと言うと、そうでも無いようです。
使用方法変更の審査の流れとしては、.瓠璽ーが使用方法変更の変更を申請すると共に、その方法での農薬の残留量のデータを提出する。∋栂盈未離如璽燭魎陲鵬召了栂唄霆爐鮴瀋蠅掘△修了栂唄霆爐健康被害を起こしそうか審議する。
影響が出るというデータが無ければ認可すると言うところにも、問題がありますが、今回のテーマはそこではありません。イミダクロプリドの場合、昨年の改正で、様々な作物の残留基準を合計すると、許容量の30〜70%にまで達していると言う点です。毒性が低いから、念のためにたくさん撒いておく。害虫が発生してからでなく、予め土に混ぜておく方が、手間がかからなくても良い。といった感じでしょうか?そんな感じで評価しているうちに、いつの間にか許容量に近づいています。許容量は、影響の確認されている量よりも、100倍少なくしてはありますが、未知の危険性もありますので、注意が必要です。
結局、毒性が強くても弱くても、許容量ぎりぎりまで認可されるので、消費者にとってのリスクは同じかもしれません。

 
また、殺虫剤なので当然ですが、ミツバチ、トンボなどの昆虫に対する影響は、有機リン系農薬より低いわけでは有りません。しかし、環境に対する影響については、新規に農薬を認可する時だけ審査され、使用方法の変更では審査されていません。
 
この会社に入ってから、いろいろな審議書を読んでいますが、農薬以外でもたいてい同じような感じになっています。
 
 
「毒性が低い」=「安全性が高まった」ではなく、
「毒性が低い」=「たくさん使える」という発想なのです。

クロチアニジン(ネオニコチノイド系農薬)の残留基準値改正

ネオニコチノイド系農薬のクロチアニジン(製品名ダントツなど)の適用拡大申請(メーカーが、今まで許可されていなかった使用方法の許可を申請する事)に伴い、残留基準値の改正が審議されています。既に、食品安全委員会による審査は終了しており、2013年10月4日から11月2日まで、パブリックコメントの募集がありました。
EUでは、ミツバチへの影響を考慮して、2013年12月からこの農薬の使用は基本的に禁止になりました。しかし、この改正では、ホウレンソウ3 ppm→40 ppm、カブの葉0.02 ppm→40 ppmなど、大幅に基準値を緩和しようとしている品目があり、全体としても基準は緩和されています。
 
改正案の問題点
・TMDI/ADI比(全ての作物に基準値ぎりぎりの農薬が残留していた場合に、日本人の一般的な食生活で摂取する量と許容量の割合)が上がり、余裕がなくなっています。具体的には、幼少児(1〜6歳)の場合、34%から63%に上がります。審査では、「80%(100%ではぎりぎりすぎるので、多くの物質の審査で80%を判断の目安にしている)を超えていないので、許容範囲内である」という判断です。しかし、許容量は個別の物質に対して実験された結果を元に設定されています。農薬、添加物など多くの物質に対して同様に判断していますので、これらが組み合わされた現代の生活では、リスクは高まっている可能性があります。

・TMDIの40%をホウレンソウが占めています。様々な食材に満遍なく振り分けられている場合、食べ方に偏りがあったとしても、極端にリスクが高まる事はありません。しかし、TMDIの内、40%もホウレンソウ由来になるという事は、ホウレンソウをたくさん食べる人のリスクが高まるという事です。平均的な日本人の4倍程度のホウレンソウを食べる人は、それだけで許容量に達します。
 
いろんな野菜を食べるAさんの場合 特定の野菜しか食べないBさんの場合
野菜A40 ppm 100 g 4 mg 野菜A40 ppm 300 g 12 mg
野菜B1 ppm 100 g 0.1 mg 野菜B1 ppm 0 g 0.0 mg
野菜C0.1 ppm 100 g 0.01 mg 野菜C0.1 ppm 0 g 0.00 mg
合計4.11 mg摂取 合計12 mg摂取(Aさんの約3倍)
全てが10 ppmなら合計3 mg 全てが10 ppmなら合計3 mgAさんと同じ)
 
特定のものを多く食べる人は、知らず知らずの内にリスクが高まっている可能性があります。また、いろんな野菜を食べる場合でも、別の農薬は、野菜BやCに偏っているかもしれません。それでも問題が無いと言えるでしょうか?

 人体への影響以外でも
EUでは、まだ一部ではありますが、ネオニコチノイド系農薬が原則使用禁止になっている中、日本ではこの様な改正がされています。はじめにも書きましたが、残留基準値の改正は、「メーカーからの適用拡大申請」に伴って行われるものです。残留基準値が引き上げられ、今まで認められていなかった使い方が認可されると言う事は、農薬の使用量自体が増加すると言う事に直結します。クロチアニジンだけでなく、2012年にはイミダクロプリドの残留基準値も引き上げられたばかりです。
まだ、蜂群崩壊症候群の原因が、完全にネオニコチノイド系農薬によるものだと断定は出来ません。しかし、すぐには死なないような低濃度であっても、みつばち等の昆虫に影響がある事は、いくつもの論文で報告されています。そんな中、使用量の拡大を許容し続けている日本と、関与が否定しきれないから一応禁止にするEUには、これほどの対応の違いがあります。

この残留基準値なら本当に人体には影響がないのかもしれません。蜂群崩壊症候群の原因が農薬以外にも有るかもしれません。これでいいのでしょうか?
 


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