食品の効果について知ろう

エキストラバージンオイルの摂取が閉経した婦人のDNAへの酸化的傷害を減らした

論文で紹介します

Daily consumption of a high-phenol extra-virgin olive oil reduces oxidative DNA damage in postmenopausal women
フェノールを多く含んだエキストラバージンオイルの毎日の摂取が閉経した婦人のDNAへの酸化的傷害を減らした。
イタリア トスカニー科学研究所 パリ
Br J Nutr 2006 742−751
エキストラバージンオリーブオイルは、抗酸化作用を持つ、フェノール系の成分をたくさん含んでおり、死亡率の低下、発ガン、心臓病などの減少の一部をもたらしている。(地中海地方で)
この研究の目的は、健康な人が、いろいろな濃度のフェノールを含むオリーブ油をとることによって、酸化的DNA傷害の量を測ることです。
高濃度のフェノール(592/圈砲函低濃度のフェノール(147/圈砲魎泙爛リーブ油を、フィレンツェの10人の閉経後の婦人に、家庭で使っていた油に代えて、毎日50gずつ、8週間にわたって使ってもらった。
酸化的DNA傷害は、末梢リンパ球のDNAを探り、コメット法で行った。4回の測定の平均は、高濃度のフェノールを含むオリーブ油を摂取した婦人達の方が、低濃度の婦人達より、30%DNA傷害が少なかった。

解説
イタリアなど地中海地方の人達は、心臓病、ガンなどが少ない事が知られています。赤ワイン、オリーブオイルなどに含まれているポリフェノールの抗酸化作用による、と一部思われています。
ヒトなど生き物の遺伝子は、すべてDNA(デオキシリボ核酸)という物質であり、ガンなどは、このDNAが突然変異することによって始まります。突然変異をもたらすものの中に、このところ有名になってきた活性酸素ラジカルがあります。これらが多い事は酸化的ストレスが高いと表現します。これら、活性酸素ラジカルはDNAを傷害し、DNAは切断されたりします。この実験は、このDNAの切断を見ています。
エキストラバージンオリーブオイルに入っているフェノールは、みずからが活性酸素ラジカルの作用を受けることで、DNAの傷害を減らします。  生物の細胞の中にも、ラジカル、活性酸素から守ってくれる酵素(SOD、カタラーゼ)、ビタミン(C、E、グルタチオン)などがありますが、加齢とともに減少するものもあります。年をとればとるほど突然変異の蓄積は増えていき、いっぽう守ってくれる酵素は減少するダブルパンチで、ガンなどほとんどすべての病気にかかりやすくなるのです。
今回の実験で大事なのは、オリーブオイルならなんでもいいわけではなく、エキストラバージン、つまり、しぼっただけの(ピュアはだめ)、さらに色や香も高いエキストラバージンオリーブ油が良いということです。
でも、くれぐれも多く摂ってはいけません。(伊澤)

(2008/12/10)

脂ののった魚はガンを防ぐ

論文で紹介します

−スウェーデン・カロリンスカ研究所の報告から−
1980年代の終わりに、9万人のスウェーデン女性に食習慣の質問状とマンモグラフィーの写真を送ることが求められた。十年後のもう一つの同様の質問状とガンの登録を用いてカロリンスカ研究所の科学者たちは脂ののった魚を摂っている女性たちは腎臓ガンが減っていることの結論を出しました。 少なくとも一週間に一切れの脂ののった魚を摂ることは摂らない人に比較して74%もの腎臓ガンを減らしていました。これは脂ののった魚と腎臓ガンとの関連を示した最初の研究であるとカロリンスカ研究所のAicja Wolk教授(この研究を進めた科学者の一員です)が述べています。 以前の研究が魚の消費と腎臓ガンの関連を見つけることが出来なかったのは、脂ののった魚とそうでない魚を区別して扱わなかったからです。脂ののった魚とそうでない魚の違いはオメガ3系(DHA、EPA、えごま油などの油)の油の含有量とビタミンD(ガンを防ぐことが研究で示されています)の含有量にあります。脂ののった魚はオメガ3系の油をより多く含み(脂ののっていない魚の20~30倍)、3~5倍のビタミンDを含みます。この場合の脂ののった魚というと鮭、ニシン、いわし、サバ、脂のない魚はタラ、まぐろです。 スウェーデンの人々の冬期のビタミンDの摂取源は冷たい海で育った脂ののった魚によっている。             
論文:JAMA,September 20,2006-Vol296,No.11 Aicja Wolk

解説
しかし、養殖の鮭は重金属やダイオキシンなどの毒物を多く含んでいるので、摂取を控えるべきとの研究が科学雑誌の「サイエンス」に報告されています。天然で新鮮な(アレルギーを起こすヒスタミンが少ない)脂ののった冷たい海域で育った魚を摂ることが一番よいと考えられます。 この論文の中でもふれられていますが、脂ののった魚はビタミンDの主な摂取源になります。腎臓ガンのなかでも成長の早いタイプの患者の血清中のビタミンD量は成長の遅いタイプのガンの患者の血清中のビタミンD量に比べて低いことが観察されており、ビタミンDの血清中の濃度が腎臓ガンの発達に影響を及ぼしている可能性が示唆されています。(同様な研究は数多くあります) 脂の多い魚に含まれているオメガ3系の油はガンのみならず、糖尿病とかメタボリック症候群、高脂血症などに効果があります。このようなオメガ3系の油を多く含む魚を摂取したいものです。 そういう点から「しまか」の鮭、サバや「厚岸」のサンマ、鮭など寒い地方で育った魚を食べる事をおすすめします。 論文翻訳 伊澤
(2007.12.10)


 

乳ガンのリスクとカタラーゼの遺伝子型、果物と野菜の摂取、サプリメントの使用などとの関係

論文で紹介します

Associations between breast cancer risk and the catalase genotype, fruit and vegetable consumption, and supplement use
乳ガンのリスクとカタラーゼの遺伝子型、果物と野菜の摂取、サプリメントの使用などとの関係
Jiyoung Ahu, コーネル大学
Am J Epedeiol 2005; 162: 943-952

果物と野菜の摂取と、乳ガン、及び全てのガンに関係が見られないとする、いくつかの最近の研究があります。しかし、それらの研究の結果は、生体内の抗酸化能の多様性、(酸化に対する防衛能力の上下)によるものかもしれません。
そこで著者らは、抗酸化をつかさどる酵素の1つ、カタラーゼ(オキシドールをアワだてる酵素)の遺伝子型と、乳ガンのリスクの関係を、果物と野菜の摂取とサプリメント使用に分けて分析しました。ニューヨーク、ロングアイランドに住む1008人の乳ガンの患者と対照者1056人の食生活と遺伝子型を、19961997年に分析した。
カタラーゼ遺伝子の高活性型、CC型を持つ人は、変異型、Tを持つ人に比べ、17%、乳ガンが少なかった。野菜、とくに果物の摂取は、CC型の人の中でとくに乳ガンのリスクが減少していた。その中でもさらに、サプリメントを使っていない人達で41%の乳ガンのリスクが減少していた。サプリメント使用者には減少が見られませんでした。
これらの結果は、サプリメントよりも食事の重要性を示しています。
 
変異型カタラーゼ遺伝子を持つ人乳ガンの割合 CC型カタラーゼ(高活性型)遺伝子を持つ人
乳ガンの割合
サプリメント未使用
_綿を週に10サービング以下
果物を週に10サービング以上
1.00 0.94
1.06 0.59
サプリメント使用者
_綿を週に10サービング以下
◆ 掘^幣
0.97 0.80
0.81 0.76
サプリメント未使用
L邵擇鮟気16サービング以下
ぁ 掘^幣
1.00 0.74
0.84 0.70
サプリメント使用者
L邵擇鮟気16サービング以下
ぁ 掘^幣
0.85 0.69
0.78 0.74
(2007.12.6)

植物由来化学物質のガン予防における、潜在的な相乗作用

論文で紹介します

Potential synergy of phytochemicals in cancer prevention mechanism of action
植物由来化学物質のガン予防における、潜在的な相乗作用
Rui Hai Liu コーネル大学 アメリカ
The Journal of Nutrition


食事から摂っている抗酸化物質が慢性病のリスクを下げる、という仮説が多くの疫学研究で支持されている。フルーツ、野菜、穀物などが、特に、ガンや心臓血管病などの慢性病のリスクを下げていることが示されています。それゆえ、多くの科学者は、それらの成分を見つけようとしてきました。

ここで、重大な疑問があります。それは、精製された植物由来の化学物質が単独で、同じ様な健康上の効果を持つか、ということです。

現在、広く信じられているのは、その様なサプリメント単独では、その様な効果をもっていない、ということです。

緑黄色野菜とフルーツの消費量とガンのリスクに反比例の関係(消費量が増えれば、リスクが下がる)を示しています。

それらの中には、β−カロテンが多く含まれているので、そのガン予防効果が集中的に調べられました。しかし、サプリメントとしてのβ−カロテンのガン予防効果には、数件の臨床研究の結果、疑問が出されました。

1つの研究では、非メラノーマ皮膚ガンは、β−カロテンで変わりませんでした。

他の研究では、喫煙者の肺ガンリスクは、β−カロテンで下がるどころか、統計的に有意に増加し、死亡率全体も上がりました。

また、心臓血管病の高いリスクの患者に、400ユニットのビタミンEを4、5年に渡って投与した実験でも、違いが見られませんでした。

さらに、ケンブリッジ心臓、抗酸化物質研究でも、400、800ユニットのαトコフェロール(ビタミンE)では、心筋梗塞は減ったものの、心臓血管系の病気での死亡率は、統計的に有意ではないものの、増加しました。

ビタミンCのサプリメントも同様に、ガンや心臓血管病を下げませんでした。1gの皮つきのリンゴの植物由来化学物質の抗酸化力は、ビタミンC83.3μモルに相当します。(100gのリンゴ(皮つき)なら → ビタミンC1.5gに相当)

100gの皮つきのリンゴ中にあるビタミンC量は、0.0057gなので、リンゴの抗酸化力の内ビタミンCは、0.4%以下にすぎない。

この様に多くの抗酸化力は、ビタミンCに由来せず、他の植物由来化学物質によっている。

リンゴの抽出物は、その他にもガン細胞の増殖を抑制します。

皮つきのリンゴだと、43%、一方、皮なしだと29%に下がります。

オレンジ、リンゴ、グレープ、ブルーベリーの組み合わせで食べると、相乗的な抗酸抗酸化力を持ちます。それは、単独での効果の5倍弱の効果にまで高まります。

テンプルとグラッドビンは、200以上の研究からガンのリスクと野菜、果物の関係をまとめました。

彼らの結論は、ガンの予防は、多くの種類のフルーツと野菜を摂っている人で最もよく、1つの種類の野菜や果物ばかり摂っている人は、特定のガンが増える傾向がありました。

栄養と健康をよくするためには、消費者は、サプリメントではなく、抗酸化物質を多く含む食事をすべきです。さらに重要なことは、幅広い食材を摂ることは、いろいろな植物由来化学物質を摂ることになり、その毒性につながるまで摂取することにならないからです。(植物由来化学物質は摂りすぎると毒性を持つ)果物や野菜を多く含む食事の利点は、いろいろな種類の植物由来化学物質がミックスされている、ところにあります。このことが、単独のサプリメントでは、効果がないことの説明の一部になります。

何千という植物由来化学物質があります。分子量、極性、溶解性などが異なっているので、生体内での利用と分布に差が出ます。

この様なバランスのとれた、自然の組み合わせな植物由来化学物質が果物や野菜に含まれており、けっして錠剤などサプリメントでは、まねができないのです。

サプリメントは、生化学、化学分析、試験管内での培養細胞、動物実験などで発展してきましたが、ヒトでの研究からではないのです。

果物や野菜にある低いレベルの植物由来化学物質の健康上の利点は、これらの物質が高量で、精製されて、サプリメントになった時、安全で効果があるとは限りません。一般的に言えば、高レベルになれば、毒性のリスクも上がるのです。

毒性学の一番大事な原則は、どんな物質でも量が増えれば毒になるということでサプリメントも例外ではありません。


補足

植物由来化学物質(phytochemicals)とは、植物が作り出している化学物質で
 

・カロテノイド …… β−カロテン
・フェノリック酸 ……
・フラボノイド …… ケルセチン(玉ねぎ)
・フラバノール …… カテキン(茶)
・アントシアニジン ……
・イソフラボン …… ゲニステイン(大豆)
・タンニン …… タンニン(茶)
・有機イオウ化合物 …… イソチオシアネート

などがあります。


解説

エッセンシャルオイルの毒性を調べたところ、

.┘奪札鵐轡礇襯イル中に含まれる、ユーゲノール、エストラゴール、サフロールなどの成分は、発ガン性を持っているという実験結果があり、ドイツ政府は、フェンネル茶の危険性を、アメリカのFDAはスターアニス茶の危険性を訴えていることがわかりました。

同様に植物由来化学物質(phytochemicals)(フラボノール、イソフラボン、カテキン、β−カロテン)なども調べてみると、それらが含まれる野菜、果物は発ガン抑制効果が大きいという論文が数多くありましたが、個々の精製された物質、例えば玉ねぎ、リンゴ、などに含まれている、ケルセチンは、DNAに一時的に結合したり、アメリカNTP(国家毒性計画)の発ガン試験でも、「いくらかの証拠」がある、と認定されています。

又、ターメリック中に含まれるクルクミンは、発ガン抑制効果が大きく、がん患者の治療にも使われている程ですが、クルクミン単体で実験すると、核DNA、ミトコンドリアDNAなどに傷害を与えます。

この様に、植物由来などの、生物に由来する化学物質の毒性を考える時、重要なことは、

それらの物質は、本来、適正な濃度であれば、いろいろな生体物質と関連して生体に有益な作用をしているか、もしくは少なくともその生体に有害な作用はしていない。

(例えば、上にあげた物質はすべて、酸化から守ってくれています。)

生体に含まれる、その全体のままで消費すれば、適正濃度を越えることなく、有益な作用を期待できる。

この論文でもふれていますが、いろいろな物質が相乗作用をして、より有益な作用が期待できる。それぞれが適正濃度を越えない様に、食品として、摂るべきであって、サプリメントとして摂るべきではない。

特定の一種類のガンを抑えたいのではなく、すべてのガン、すべての病気から体を守りたいのだから、いろいろな物質が必要!! そのためにも、いろいろな食品をまんべんなくとる必要がある。


具体例

りんごの皮が抗ガン作用の一部を担っている可能性がある

Triterpenoids isolated from apple peels have potent antiproliferative activity and may be partially responsible for apple’s anticancer activity.
りんごの皮から分離されたトリテルペノイドは、細胞分裂を止める力を持ち、りんごの抗ガン作用の一部を担っている可能性がある
Rui Hai Liu コーネル大学 アメリカ
J Agric, Food Chem, 2007,55,4366-4370


果物と野菜を多く含む食事は、心血管病、ガン、糖尿病、アルツハイマー病、白内障、老化による機能低下などの慢性病のリスクを減らすことが、多くの疫学研究で一貫して示されてきた。

りんごは、フェノール性化合物を多く含んでいる。100gのりんご中に110mg〜357mgもフェノール性化合物を含んでいる。果物由来のフェノール性化合物の22%は、りんごからとっている。りんごは、フラボノイドも多く含んでいる。フィンランドでは、玉ねぎとりんごがフラボノイドの最高摂取源になっています。

りんごは肺ガン、心血管病、COPD(慢性気管支障害)、血栓性脳卒中を減らします。

りんごに含まれる植物性化学物質は、抗酸化能とガンに対する抗増殖活性を示し、ラットに対して、量に比例して乳ガンを防ぎます。

りんごの皮は、実よりも更に抗酸化能と、抗増殖活性を持っており、皮が多くの植物性化学物質を提供していることを示唆しています。

りんごの皮が自然な価値ある、抗酸化能や生物活性を持っている事をよく理解して、消費すれば、より健康になるだろう。
 

(2010/11/23 掲載)

低脂肪・低コレステロール食はダイエットや心臓病予防などに効果なし

論文で紹介します

低脂肪、低コレステロール食は、ダイエット効果、ガン予防、心臓病予防に効果なし
Harvard school of public health(ハーバード大学公衆衛生学教室)

ハーバード大学で主に行われた詳細な研究は、脂肪の摂取量と病気に関連がない事を示している。


重要なのは、脂肪の種類

「Women’s Health Initiative Dietary Modification Trial」(女性の食事介入試験)で8年間の低脂肪食は心臓病、乳ガン、大腸ガン、ダイエットに効果なし

ますますはっきりしている事は、飽和脂肪とトランス脂肪が「悪い脂肪」であり、一価不飽和脂肪と多価不飽和脂肪が「良い脂肪」であるという事です。大事な事は、「悪い脂肪」を「良い脂肪」に代えることです。


コレステロールについては?

糖尿病の人は、とくにそうだが、コレステロールの総量を抑えることは、重要である。

平均的な人は、血中コレステロールの75%を肝臓で合成し、食事からは25%吸収している。コレステロールを運搬するリポタンパクが動脈硬化と心臓病の進行に重要な役割を果たしている。

LDL(低密度リポタンパク)は、コレステロールを肝臓から全身へ運搬しています。LDLが血中に多い場合、心臓動脈壁に沈着します。それでLDLは、「悪玉コレステロール」と言われています。

HDL(高密度リポプロテイン)は、血中から肝臓へコレステロールを戻すので、全身からコレステロールを減らします。

HDLは、血中の過剰のコレステロールを減らし、動脈内での沈着を減らします。それで「善玉コレステロール」と言われています。

20歳以上の成人の場合、国のコレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program)での最新のガイドラインは、

総コレステロール値 200mg/dl以下
HDL 40mg/dl以上
LDL 100mg/dl以下

8万人以上の女性の看護士さんでの研究で、ハーバードの研究者達は、1000カロリーずつに200mgのコレステロールの増加が心臓病の実質的な増加につながらなかった事を見いだした。


卵について

1日に1個までの卵の消費は、健康な人の場合、心臓病と関連してない事を、ハーバードの研究者達が見いだした。


悪い脂肪

飽和脂肪 HDL、LDLともに増加させる、結果として、悪い効果をもたらす。飽和脂肪を減らす事が重要


トランス脂肪

飽和脂肪より、コレステロールを悪化させる。

「悪玉コレステロール」を上げ、「善玉コレステロール」を減らす。

免疫系の過剰反応(炎症)を起こすので、心臓病、脳卒中、糖尿病、他の慢性病などにかかわっていると示唆されている。

Nurse’s Health Studyでハーバードの研究者達は、トランス脂肪の高い摂取が非ホジキンリンパ腫を、飽和脂肪の高い摂取が子宮内膜ガンの増加につながっていることを見いだした。

アメリカ医学会(Institute of Medicine)は、食事上のトランス脂肪に安全レベル(safe level)はない、と結論を出しました。(2002年)

2006年1月、トランス脂肪は義務表示化された。

ゼロトランス脂肪(zero trans fat)と表示してある商品は、0.5gまでは、許容されています。(カナダでは、0.2グラム)

それで、食品成分リスト中に部分水素添加(partially hydrogenated)とか、植物性ショートニングを見つけたら、その様な表示のない別の製品を探しなさい。(とくに、いつも常食している物ならば)


トランス脂肪の摂取を下げるために

・液体の植物油、トランス脂肪を含まないか、ほとんど分からないソフトマーガリンを選べ
・商業的に作られた、パン、スナック、ファーストフードを含む加工食品を減らせ。安全側に立てば、その様な食品は、それ以外の表示であっては、トランス脂肪を含んでいると思いなさい。
・レストランでトランス脂肪を下げるためには、フライ物は避けなさい。多くのレストランでは、部分水素添加した油を使っています。


資料

Nurses Health study

毎日、4ティースプーンのスティックマーガリンを食べる女性は、心臓病の危険性が1.5倍になる。

Lancet 1993 341:581-5 Willett WC
 

(2012/10/02 掲載)

ウィスターラットの気管支腺ガンの誘導を長期熟成味噌が抑制

論文で紹介します

Wister Ratにおけるジイソプロパノールニトロソアミンによる気管支腺ガンの誘導に対する長期熟成味噌の抑制
しらき、うね、やの、おおたに、みねおか、わたなべ(広島大学、細胞生物学科)

本研究はオスのウィスターラットにおけるジイソプロパノールニトロソアミンによってできた肺腫瘍の発達に対する食事中の熟成味噌の効果を調べるために計画された。

6週齢の全63頭は4グループに分けられた。10週間飲み水にジイソプロパノールニトロソアミン(2000ppm)を添加し、与えた。その後、発ガン処理したラットに普通の固形飼料を与える区(対照区)、同じ固形飼料に10%長期熟成味噌を添加したものを与える区、同じく10%短期熟成味噌を添加したものを与える区に分け、それぞれ12週間給与した。


結果

長期熟成味噌は短期熟成味噌に比べ、有意に肺ガン、腺ガン、PCNA(強い陽性の腫瘍)の数を減らした。本研究の結果、このように長期熟成味噌の食事中の補助添加は肺ガンに対する化学的抑制効果を発揮するであることが示唆された。
 

(2012/10/02 掲載)

トマトとブロッコリーの組み合わせが抗ガン効果を増加させる

論文で紹介します

Combination of Tomato and Broccoli enhance antitumor activity in Dunning R3327-H prostate adinocarcinomas
トマトとブロッコリーの組み合わせが前立腺ガンに対して抗ガン効果を増加させる
Kirstie Canene-Adams イリノイ大学 アメリカ
Cauces Res 2007:67(2)January 15.2007


果物と野菜の摂取がガンに対する影響をどう変えるか、集中的に疫学研究がなされ、アメリカ農務省、アメリカガン協会(American Cancer Society)、アメリカガン研究協会(AICR)などの機関による「摂取のすすめ」がなされている。

1日に2カップの果物と、2カップ半の野菜の摂取がガンにかかるリスクを減らす、とすすめられている。2006年には、アメリカ国内で、前立腺ガンは、新しい患者の33%、死者の9%を男性で占めている。

ほとんどの細胞生物学や実験ガン学の研究は、果物や野菜の特定の化学物質を調べてきました。例えば、β−カロテンは、「α−トコフェロール(ビタミンE)、β−カロテン ガン予防研究」「カロテン、レチノール(ビタミンA)効果試験」で、その効能は否定されました。別のアプローチとして、食品全体の効能を調べる研究は、食品の化学成分の複雑性、内容の変動などの問題もあり、あまりされてきませんでした。

大規模な(前向き)疫学研究から、トマトの、特に加工トマトが1週間に5回から7回の摂取で30%から40%も前立腺ガンのリスクを下げることを見出しました。又、介入試験の結果は、前立腺ガンの発ガンに関係している、バイオマーカーの数値がトマト製品の摂取によって変動することを見ています。

発ガン物質と(男性ホルモン)を使った研究は、フリーズドライしたトマトパウダーの抗ガン効果は、リコペン(トマトの中の一成分)のみでは、説明できないことを、又、そのトマトのパウダーがより長い生存(ガン死の減少による)をもたらした。リコペンを含むエサのみでは、その様な事(ガン死の減少)が見られませんでした。ほとんどの学者達は、リコペンに関心を集中していますが、トマトの中には、いろいろな抗ガン効果を持つ植物化学物質が含まれています。ブロッコリーの様なアブラナ科植物と前立腺ガン(抑制)も最近の疫学研究から、浮かび上がっています。HPESコホート研究では、組織内の前立腺ガンを、アブラナ科植物の摂取が12%減少させるなど、いくつかの研究があります。

ブロッコリーに含まれている抗ガン効果を示す、スルフォラファンを、ねずみに投与した実験では、ガンの体積が対照では207mm3に対して、スルフォラファン投与では、90mm3まで縮小し、重さでも、対照の4分の1にまで減少しました。今回の実験は、移植前立腺ガンをラットに移植し、フリーズドライしたトマトパウダーとブロッコリーパウダーを与え、ガンに対する影響を見ました。

ガンを移植する1ヵ月前から、エサを変え、22週間与え、ガンの大きさ、マーカーの数値を比較した。

                    

ガンの重さ
対照を100として
前立腺中
リコペン量
(ナノモル/g)
‖仂函
100
ND
抗前立腺ガン薬フィナステライド
86
ND
23ナノモル リコペン
93
0.1
224ナノモル リコペン
82
0.9
10%トマト
67
0.5
10%ブロッコリー
58
ND
5%トマト 5%ブロッコリー
70
0.3
10トマト 10%ブロッコリー
48
0.4

NDは検出限界以下


解説

生体を活性酸素などの害から守る、ビタミンC、E、β-カロテン、リコペンなどの働きが知られ、サプリメントとして広く使われています。サプリメントの効果は、否定されたり、逆に死亡率を上げていることさえ示す研究も数多くあります。

今回の実験は、トマト、ブロッコリー、いずれもフリーズドライして粉状にしてラットにエサとして与えて、移植した前立腺ガンの変化を調べたものです。

10%トマト、10%ブロッコリーの組み合わせでは、なんとガンが52%も減少したのです。これは、リコピンの作用のみではありません。トマトにもブロッコリーにも様々な植物性化学物質が存在し、それらの働きでガンが減少したのです。今回の実験は、サプリメントよりも、食品全体をきちんと摂ることの重要性を思い知らせてくれます。
 

(2012/10/02 掲載)

自然の発ガン抑制作用を持つベンジルイソチオシアネートの遺伝毒性

論文で紹介します

Genotoxic effects of benzyl isothiocyanate, a natural chemopreventive agent
自然の発ガン抑制作用を持つ、ベンジルイソチオシアネートの遺伝毒性
Kassie F  ガン研究所 オーストラリア
Mutagenesis 1999 Nov 14(6) 595-604


ベンジルイソチオシアネート(BITC)はアブラナ科植物に含まれています。たくさんの報告がBITCの化学発ガンの抑制を報告しています。しかし、一方で、この物質が潜在的に遺伝毒物であるという証拠が蓄積しています。

試験管内の研究では、量に比例して、遺伝毒性が低量で見られています。一方、げっ歯類での実験では、ごく弱い影響が見られます。

これらの事は、BITCが生体内で解毒されていることを示しています。

BITCの遺伝毒性は、牛血清アルブミンや唾液や胃液の様なヒトの体液によって減少するという実験結果からも支持されます。

BITCがDNA傷害を起こすのに必要な量は、ヒトの食品摂取量をはるかに越えています。しかし、同様に、実験動物での化学発ガンを抑制する量とは同程度です。
 

(2012/10/02 掲載)

くるみは血中のα-リノレン酸とEPAを上昇させる

論文で紹介します

Levels of the n-3 fatty acid eicosapentaenoic acid in addition to those of alpha linolenic acid are significantly raised in blood lipidsby the intake of four walnuts a day in human.
ヒトでの実験で1日に4粒のくるみは血中のα-リノレン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)(両方ともn-3系脂肪)を上昇させる。
Marangoni F ミラノ大学  イタリア
Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2007 Joul;17(6):457-61

くるみに多く含まれてる、α-リノレン酸の摂取は心血管病の予防になる。中程度のくるみの摂取がヒト血中のα-リノレン酸とその誘導体(EPA)にどの様に影響するか調べた。


方法

10人のボランティアに普通の食事に加えて、1日に4粒のくるみを3週間食べてもらい、その後、血中のα-リノレン酸などを測定した。


結果

α-リノレン酸 0.23 → 0.47
EPA 0.23 → 0.82


結論

くるみ由来のα-リノレン酸はEPAなどに体内で変化しており、健康に良い影響を与える。


解説

油脂にも種類があり、多くとりすぎていて健康に悪い影響をもたらしている。

トランス脂肪酸(マーガリンなど)飽和脂肪酸(動物などの油、パーム油など)

n-6系不飽和脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸、植物油、ぶどう油)などと、健康に良い影響を与えるのですが、不足しているn-3系脂肪酸(魚油、えごま油、アマニ油、くるみ)があります。

n-3系脂肪酸の中で、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)は共通の作用と個別の作用があり、EPAの有用性がいわれています。

今回の論文では、くるみを1日に4粒とるだけで、くるみに多く含まれているα-リノレン酸の濃度が血中で上昇すること、又α-リノレン酸が体内で変換したEPAも上昇する事が示されました。

ナッツ類は健康に有益な働きを持つものが多く、とりわけくるみはn-3系油も多く含むので、より有益な働きが期待できます。

原始時代のヒトは、木の実を多く食しており、ヒトの遺伝子はそれらに反応しているとも考えられます。ヒトが進化する長い期間に、食してきた食材がヒトの生存に適しているのだとも考えられます。

下に説明する論文は、くるみがコレステロールを下げること、その下げることと別に心臓病を防ぐ効果を示した論文です。

A walnut Diet improves endotherial function in hypercholesterolemic subjects
くるみは高コレステロール血症のヒトの血管内皮細胞の働きを改善する。
Emilio Ros Circulation April 6. 2004

一価不飽和脂肪酸の代わりにくるみを摂る事は、高コレステロール血症の人の血管の拡張をもたらします。このことは、くるみがコレステロールを下げる効果以外に、心臓病を防ぐ効果を持っていることを説明します。
 

(2012/10/02 掲載)



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