ウイルスについて知ろう

マイクロプラスチック|タイヤの粒子も汚染源!?

キーワード

マイクロプラスチック プラスチック

 

マイクロプラスチックの汚染源としては、

不法投棄されたプラスチック自体だけでなく、

●生活排水(洗顔料、化粧品などに含まれるマイクロビーズ、洗剤のカプセルなど)

●工場排水

●農業用資材

などが言われてきているが、新しい論文では、タイヤの粒子も汚染源としてあげられている。

 

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 マイクロプラスチックは遠隔地へ大気中を輸送されている

Atmospheric transport is a major pathway of microplastics to remote regions

N.Evangelion ノルウェー大気研究所

Nature communications. 2020.11:3381

 

要約

Twps(タイヤから出る粒子)、Bwps(ブレーキから出る粒子)のマイクロプラスチックの

地球規模での輸送をシュミレーションした。

遠隔地までこれらの粒子が高い効率で輸送されている。

Twps(タイヤから出る粒子)の約34%、Bwps(ブレーキから出る粒子)の約30%、

それぞれ100キロトン/年、40キロトン/年が世界中の海に入っていく。

直接もしくは、川に流れて海に入っていく量が年間64キロトンになる。

北極では、これらの粒子が光を吸収することで、温暖化が加速し、雪、氷が溶けることが考えられます。

 

キロトン=1000トン

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マイクロプラスチック|1年で5万個以上摂取?

キーワード

マイクロプラスチック ミネラルウォーター

 

人は1年間で少なくとも5万個以上のマイクロプラスチックを摂取している。

そんな論文がありました。

でも、マイクロプラスチックの研究はまだ始まって間もないので、

飲料を含む一部の摂取源から推測した場合で5万個なのです。

(子供の場合は4万個)

People eat atleast 50,000 plastic particles a year,study finds
Damian CarringtonEnvironment editor
The Guardian  Wed 5 Jun 2019 13.00 BST

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人体への影響がどこに起きているのか、どんな病気を関わっているのか?

そういった研究には、時間がかかりますが、

プラスチック汚染により海の生物たちの体内で見つかっていることは事実。

そんな現状を皆さんはどう受け止め、どう行動しますか?

マイクロプラスチック|ティーバッグから検出

キーワード

マイクロプラスチック ティーバッグ

 

みなさんが気にせず飲んでいる、ティーバッグの素材は何でできていますか?

紙ですか?プラスチックですか?

 

最近見かけるようになった、三角ティーバッグの中には、

プラスチック製のものがあります。

 

マイクロプラスチックの問題を調べてみると、

そのプラスチックティーバッグをお湯で抽出すると、

大量のマイクロプラスチックが出てくるという内容がありました。

 

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Plastic Teabags Release Billions of Microparticles and Nonoparticles into Tea.
Laura M.Hernandezら Environ.Sci.Technol. 2019,53,21,12300-12310

 

(結果)
95度で抽出した場合、1つのプラスチックティーバッグからは
約11.6億個のマイクロプラスチックと
約3.1億個のナノプラスチックが検出された。

この結果は、これまでの他の食品から検出された量よりも数桁高い値であった。

 

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これを受けて、名古屋生活クラブではプラスチックティーバッグの商品は

扱いをやめることにしています。

 

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異 強毒化?弱毒化?

日本で広がっているウイルスのタイプについて

 

2020年8月5日に、国立感染症研究所から、日本で感染が広がっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のタイプについて、発表がありました。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html

この結果、

  • 2月ごろまでは、中国の武漢で見つかったウイルスに近いタイプが広がった
  • 3月中旬ごろから、欧州で広まったタイプをベースとして、様々な変異が起こったタイプが各地で散発的に発生。
  • 6月ごろから増えてきたタイプは、欧州系統から変化したタイプの内の一つが、全国的に拡大。
  • 6月ごろから増えてきたタイプは、欧州系等と比べて6か所変化しているが、途中段階は見つかっていない。

6月以降の広がりは、若い人を中心に広がり、徐々に高齢者への感染も増えていました。初期の広がりとは、少し感じが違うので、その原因の一つとして、ウイルスの変異があるのかもしれません。調べた数が十分ではないので、はっきりとはわかりませんが、途中段階が見つかっていないことから、無症状者に広がっていた可能性が指摘されています。調査されなかった人の中で広がっていただけかもしれませんし、海外で変異したものが広がっただけかもしれません。

 

 

 

2. ウイルスの変異と、毒性、感染力の関係

無症状者で広がっていたとすると、病原性が非常に弱くなったけど、感染力は高いという可能性もありますが、国立感染症研究所の報告だけでは何とも言えません。多くの人は、変異と感染力、毒性の強さについて、知りたいと思うと思いますが、そんな簡単ではありません。実際には、このような事を調べた論文はほとんどないので、想像でしか答えられません。

 

この問題について、AASJの西川伸一先生が論文を紹介していました。結局、わからないという結論になるのですが、今の科学技術でわかるのは、これぐらいだという事を知ってもらうことが、正しく理解する第一歩だと思って紹介します。

https://aasj.jp/news/watch/13703

 

元の論文(ワシントン大学 アメリカ)

Deep mutational scanning of SARS-CoV-2 receptor binding domain reveals constraints on folding and ACE2 binding

 

方法

  • 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の、Sタンパク質の中の、ACE2結合ドメイン(感染するときに最初に結合する部分)に変異を導入(新型コロナウイルスのゲノム全体の約2%)
  • 201個のアミノ酸に相当する部分を、一つずつ、元のアミノ酸以外の19種類のアミノ酸に変えたものを作成(理論的には 201か所×19種類=3819種類だが、このうちの3804種類作った。)
  • 作った変異タンパク質を酵母に作らせた。酵母の表面に出てくるように細工して、人に感染するときに結合するACE2タンパク質との結合力を調べた

結果

  • 半分ぐらいの変異は、大きな変化がない
  • 変化があったものは、ほとんどがタンパク質が作られなくなったか、ACE2タンパク質との結合力が低下した
  • ACE2タンパク質との結合力が上がったものもあるが、結合力の上がるような変異が、実際の患者から見つかりやすいわけではない。

 

解説

タンパク質は、20種類のアミノ酸が、決まった順序に並んでできています。この論文でターゲットにしているSタンパク質は、コロナウイルスの表面の棘のようになっている部分です。この部分が、人の細胞の表面にあるACE2というタンパク質と結合して、感染が始まります。表面に結合するだけでは感染にはならず、ウイルスが人の細胞に取り込まれる−コピーを大量に作る−細胞を突き破って外に出る−次の細胞に結合する という繰り返しで、体内で増殖します。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のゲノムは、約10000個のアミノ酸の並びを示している設計図です。この設計図には、人の細胞に結合するもの、ウイルスの殻の部分、人の細胞内で増殖するために必要な部分など、色んな機能を持ったタンパク質が含まれています。このように、いろいろなタンパク質がある中で、重要そうに見えるSタンパク質(1273個のアミノ酸でできている)の中で、

人の細胞に結合する部分周辺の201個分だけを選んで、実験しています。これは、ウイルスのゲノムのたったの2%に書かれている部分ですが、全パターン作ってると3800種類ものパターンができてしまいます(20種類の内の1つは元のウイルスと同じなので、残りの19種類×201個のアミノ酸)。今は、簡単に変異体を作ることができますが、それでもこれだけの数を作るのはかなり大変な事です。

 

結果としては、生物学を知っている人なら当たり前と感じる結果です。1か所ぐらい変異が入っても、たいていの場合何も起こりません。そして、何か変化が起こる場合は、機能が低下するケースがほとんどです。自然界では多くの変異体は、変異前と同じか、機能が低下してしまって生き残れなくて消えていきます。ほんの一部の幸運な変異を獲得したものが、生き残っていきます。

さらに言えば、この実験で見ているACE2結合力も、結合量が強くなることが、必ずしも生存に有利とは限りません。ある程度の結合力があれば十分です。

例えば、ウイルスが、

 ヾ鏡できる細胞の近くに到達する

◆ヾ鏡する細胞に結合する

 感染する細胞に取り込まれる

ぁヾ鏡した細胞内で増殖する

ァ〜殖したウイルスが排出される

という段階があったとします。,任蓮感染できる細胞があるところまで到達できずに、咳、痰と一緒に外に出されてしまっては感染できません。免疫システムで排除されてしまう事もあります。〜イ涼奮でも、体内で増殖するよりも減っていくスピードの方が早ければ、病気にはなりません。今回の論文で見ているのは、△良分だけですが、もし感染できる細胞の近くに到達したウイルスの99%が細胞に結合できたとすると、どうでしょうか。結合力が10倍向上して、近くに来たウイルスの99.9%が結合するようになっても、,涼奮をクリアするウイルスが1%なら、,鉢△鬟リアする確率が、0.99%から0.999%に上がるだけで、ほとんどわからないような違いですが、,涼奮をクリアする確率が上がるような変化は、大きな意味を持ちます。このような段階を、律速段階と言います。

 

さらに、一つずつの変異では、差がなかったり、機能が低下してしまっても、複数組み合わせると、機能が向上することもあります。そこまで来ると、組み合わせの数がさらに膨大になり、体系的な実験を行うのは困難になります。しかも、機能が向上することが、ウイルスにとって有利とも限りません。ウイルスにとって、宿主(人間)が死なない程度に、増殖できるのが増殖には一番有利です。ウイルスは、将来を考えて進化しているわけではないので、短期的には強毒性株が増える可能性も十分に考えられます。

 

このように、これだけ膨大な実験を行っても、実際の感染力、病原性を推測するのはとても難しいというのが、現在の技術の限界です。しかし、今後、この結合部分を阻害するようなワクチンが開発されたときに、ワクチンの効きにくいタイプを予想するなど、基礎的なデータとしてこの実験は重要な意味を持ちます。

 

2020/8/16 外山

 

変異新型コロナウイルスSタンパク質の発現量と結合力。機能が低下した変異は赤、向上した変異は青で示している。横軸は変異を導入した場所。縦軸は改変後のアミノ酸。https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.06.17.157982v1.full より画像を取得

 

未感染者も新型コロナウイルスに対する免疫を獲得している

今回紹介する論文は、かなり難しいと思います。ご質問があれば、遠慮なくお問い合わせください。自分でも、基礎知識が無くて調べながら読みましたので、間違っているところがあればご指摘ください。 (外山)

 

Target of T Cell Responces to SARS-CoV-2 Coronavirus In Human with COVID-19 Disease and Unexposed Individuals

Grifoni et al., 2020, Cell 181, 1489-1501 ラホヤ免疫研究所 アメリカ

 

新型コロナウイルス(SARA-CoV-2)と反応する免疫(獲得免疫)がどれくらいあるのか調べたところ、新型コロナウイルスに感染した人だけでなく、新型コロナウイルスが出現する前に採取して保存してあった血液からも、新型コロナウイルスを認識する免疫細胞が見つかったという論文です。

 

(方法)

新型コロナウイルス(SARA-CoV-2)感染症から回復した患者の血液と、新型コロナウイルスのたんぱく質の断片(ほぼ全体を網羅するように設計した小さな断片を混ぜたもの)を反応させ、免疫系の活性化を調べた。比較対象として、2015〜2018年(新型コロナウイルス発生前)に採取した血液を、「健康な人の血液」として使用した。

 

(結果)

抗体

すべての新型コロナウイルス感染症患者の血液に、抗体が存在している。量は少ないが、健康な人の血液にも抗体が存在していた。

 

T細胞

新型コロナウイルスと反応するヘルパーT細胞は、すべての患者に存在していた。

新型コロナウイルスと反応するキラーT細胞は、70%の患者に存在していた。

健康な人の中にも、新型コロナウイルスと反応するヘルパーT細胞、キラーT細胞を持っている人がいた。

 

 

(解説)

感染後に免疫ができる = 抗体ができる

と思っている人が多いと思いますが、抗体以外にも獲得免疫があります。

 

獲得免疫に関わる細胞

ウイルスに感染された細胞:ウイルスに感染した細胞は、表面にウイルスの断片を提示する。この断片が、健康な細胞と感染されてしまった細胞を見分ける目印になる

B細胞:ウイルスのたんぱく質と結合する抗体を作る。抗体は、感染に重要な部位をふさいで、ウイルスを不活化したり、白血球が攻撃する目印にになる。

キラーT細胞:キラーT細胞は、提示された断片を目印として、感染細胞を攻撃する。

ヘルパーT細胞:ウイルスの情報をもとに、免疫系に指令を出す。

樹状細胞、マクロファージ:抗原提示細胞。ウイルスなど異物の断片を、B細胞、T細胞に届けて活性化する。

 

感染症予防のためのワクチン接種では、「抗体ができた」というだけでは感染症予防にはなりません。なので、ツベルクリン反応では、抗体の有無を見るのではなく、体が炎症反応を起こすかどうかを見ています。

 

今回紹介した論文では、新型コロナウイルスが世の中に存在しなかったときに採取した血液にも、新型コロナウイルスと反応する免疫細胞が存在している事がわかりました。この理由ははっきりしていませんが、おそらく今までにもいた普通のコロナウイルスと感染したときに、獲得した免疫系が、新型コロナウイルスとも反応していると考えられます。反応する免疫を持っていても、ほとんど効果の無い免疫細胞のこともあるので、感染や重症化を予防できると結論を出すことはできませんが、重症化する人と症状のほとんどない人の違いに関係している可能性があります。

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