共生細菌について知ろう

糖尿病|血糖値の推移は人それぞれ

キーワード

糖尿病 血糖値 血糖値スパイク

 

同じ食生活をしていても、やせる人、太る人、糖尿病になる人、ならない人がいるのはどうしてなのでしょうか。
それは、原因因子が食だけではないからです。
腸内細菌叢も家族の中でも違います。
以下の論文は、様々な要因から、糖尿病の患者がどんな食事・生活をすれば血糖値の上昇が緩やかになるか予測可能になったという内容です。糖尿病を改善する上でこの方法が日本でも取り入れるようになったら、革新的なことです。

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Personalized Nutrition by Prediction of Glycemic Responses.
血糖反応の予想による個人別栄養
David Zeevi  ワイツマン研究所 イスラエル
Cell 163,1079-1094,November 19.2015

 

食後、血糖値上昇は、前糖尿病、況薪尿病などの危険因子であり、今までの食事指導は効果が限定的です。私たちは800人の血糖値を1週間連続的に測定し、46898食への反応を調べた。同一の食事に対しても個人間の違いが大きく、現在の一般的栄養指導があまり効果がないことを示しています。
私たちは血液の測定値、食習慣、人体数値、運動量、腸内細菌の各数値を統合し、食後血糖値を実生活の食事で正確に予測できることを示した。
この方法を二重盲検で実際に試したところ、予測通り、食後血糖値は低く、それに従って腸内細菌も変化した。

上記グラフは4人で比較した、パンを食べた後の血糖値推移ですが、人によって血糖値の推移が異なることが分かります。

 

上記グラフは患者E3の人がいい食生活と悪い食生活を1週間ずつ過ごした際の、血糖値の推移と腸内細菌の推移。
●いい食生活をしている間
黄色の線の善玉菌が増加、血糖値推移がおだやか
●悪い食生活をしている間
黄色の線の善玉菌が減少、血糖値推移が激しい

ということが分かります。

 

食生活を数日かえるだけでも、善玉菌が優位に入れ替わる様子がよく分かりますね。

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書いている私も血糖値スパイクの症状が現れることがあります。

糖尿病予備軍!?って思って、麦ご飯に切り替えたり、パンを焼くときは全粒粉を使ったり

していますが、まだまだ食物繊維が足りないのかなと思っています。

野菜→タンパク質→糖質の順で食べるのが理想ですが、

朝がなかなか達成できない・・・。でも本当は朝食こそ血糖値管理の上では大事なんですよね。

朝食に麦ご飯を食べると、昼食・夕食の血糖値の上昇が緩やかになることは分かっているんです。

血糖値が気になっている方の参考になれば幸いです。(内山)

 

トランス脂肪酸|動脈硬化を防ぐ食生活にするには

「コレステロール低下薬を飲んでいます。どんな食事をしたらいいですか?」

そんなご意見をいただきました。

これの回答の1つとしてはっきり言えるのは、「トランス脂肪酸を避けましょう」です。

これは重要な食事提案の1つです。

 

2月22日(土)の大交流会で講演いただく石田達郎先生は

日本で唯一の日本人とトランス脂肪酸に関する研究をしているグループの1人です。

 

石田先生がトランス脂肪酸に尽力をそそがれるようになったのは、

「冠動脈疾患の手術をした患者の再発」に着目したのがきっかけでした。

 

心筋梗塞などは、心臓の血管がつまって起こる病気。

そのため術後もコレステロール低下薬や抗血小板薬、糖尿病の薬などを飲んでいる人がほとんどにも関わらず、それでも再発している。コレステロールが低い人でも再発していた。

 

そこで、112人の術後の患者を対象に、

血清中のLDL、中性脂肪、エライジック酸(トランス脂肪酸の1種)を調査したところ、

エライジック酸の濃度の高い人に再発率が高いことを突き止めたのです。

以下、グラフをご覧下さい。

エライジック酸のみ統計的有意にQ1の人と比較して、Q3、Q4の人のリスクが高いことがわかりました。

(Q1→Q2→Q3→Q4の順に濃度が高い)

逆に中性脂肪やLDLの濃度の違いによる再発リスクに

違いはほとんどありません。

  

動脈硬化を防止するための食事提案として石田先生があげているのは

●トランス脂肪酸の摂取を減らす

●肉類の摂取を減らす(飽和脂肪酸を減らす、コレステロール値を下げる)

●飽和脂肪酸、トランス脂肪酸以外の油をしっかり取る(EPAなどn-3系がおすすめ)

●塩分を減らす

●バランスの良い食事が大切。特に、朝食、昼食のタンパク質が足りていない。

●無理なく継続(生涯続けられることが大事)

●個人に合わせた指導

 

石田先生はトランス脂肪酸や現実的な食事提案(指導)の研究や講演を行っていらっしゃいます。

日本で最先端のお話が聴ける機会ですので、ぜひご来場ください。

2/22(土)刈谷市産業振興センター401号室 14時〜

定員がございますので、お早めにお申込ください。

非会員の方でも大歓迎です。

トランス脂肪酸と痴呆(久山町研究)

キーワード トランス脂肪酸 痴呆 アルツハイマー

トランス脂肪酸の問題は心血管病のリスクがこれまで言われてきましたが、

今回ご紹介するのは、トランス脂肪酸摂取量が比較的低い日本(福岡県久山町)で行われた研究で、

しかもトランス脂肪酸がアルツハイマーなどの痴呆につながっている可能性があると初めて示した研究です。

 

「血液中のエライジック酸(工業的トランス脂肪酸の一つ)の濃度と痴呆のリスク」

The Hisayama study(久山町研究)

九州大学、神戸大学(石田先生ら)Neurology. Oct 23. 2019.

 

方法

九州大学が行っている久山町研究は、福岡県久山町の住民を1961年以来追跡、研究しているものです。2016年現在の人口は8,600人、40才以上の住民の健康状態を毎年調査しています。

この研究は久山町の60才以上の住民1,760人(参加率83.4%)を対象に2002年と2003年に実施。その内132人は既に痴呆を発症しているなどの理由で除外。1,628人(男性703人、女性925人)の血液を採取、2012年まで追跡し、痴呆の発症者などを調査しました。

 

結果

377人が痴呆を発症。内訳はアルツハイマー型247人、血管性痴呆102人。血液中(血清中)のエライジック酸の高値が統計的に有意に痴呆の発症と関連していた。これらの関連は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸などの摂取量で補正しても有意であった。

※補正とは痴呆・アルツハイマーになる率が高まったり、低くなったりする要因を取り除くために行われる操作

 

この著者の1人である神戸大学の石田達郎先生が2月22日の刈谷での大交流会で講演していただくことになっています。

不妊治療と残留農薬

キーワード 不妊 農薬 残留農薬

 

「不妊」というキーワードは私自身も気になるワードですが、

男性側、女性側の原因は様々だと思います。

生活習慣や食生活などの見直しも不妊治療の第一歩ではないでしょうか。

今回、ある文献がハーバード大学から発表されました。

1つのデータとして参考になればと思います。

果物や野菜からの残留農薬が関係しているか

イントロ

 

12-16%のカップルが不妊になっている。

精子の質も年々悪くなっている、とのデータもある。生殖毒性があるものの中で、農薬が精子の質に影響している。

1970年代に農薬の製造工場の労働者に多くの精子減少症、無精子症などが報告された(DBCP.製品ネマゴン)

一般農法(農薬を使う)で育てられた果物や野菜が主な農薬の摂取源になっている。

 

たくさん農薬が残留している果物や野菜を食べることが精子の質に影響しているか?

 

方法

 

2007年から2015年に男性155人(不妊治療中)の精子338検体を調べた。残留農薬の摂取量は、アメリカ農務省のデータを元に残留が高い作物と低い作物に分け、参加者のそれぞれの摂取量を推定し、摂取量に応じて4段階に分け、それぞれの精子の質を比較した。

 

結果

 

残留農薬が多い作物をたくさん食べている人は、精子の質が低かった。(グラフAとC)

平均して、1日に1.5皿以上、残留農薬が多い作物を食べている人は、1日に0.5皿以下の人に比べ精子数が49%低く、形が正常な精子が32%低い。

残留農薬が低い作物を食べている人は、正常な形の精子の割合が高かった。(グラフBとD)

 

引用文献

Fruit and vegetable intake and their pesticide residues in relation to semen quality among men from a fertility clinic

不妊治療に通っている男性の精子の質に果物や野菜からの残留農薬が関係している

Human Reproduction,Vol.30、No.6、1342-1351、2015

ハーバード大学 T.H.chan school

 

今回の論文は不妊治療中の男性にターゲットを絞っていますが、男性一般で比較しても同じような結果になるという論文も他から発表されているようです。

食物繊維|わずか2週間で改善が期待できた

キーワード 食物繊維 大腸がん

 

2つのグループの食事内容を2週間、入れ替えたらどうなった?

 

アフリカ系アメリカ人(脂肪↑ 炭水化物、食物繊維↓)の食事と

田舎のアフリカ人(脂肪↓ 炭水化物、食物繊維↑)の食事を2週間入れ替えた実験によれば、

 

アフリカ系アメリカ人は、「短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)」=腸内環境が良いとされる値が増え、「総胆汁酸(のちに発ガン性がある物質に変わる)」の価が減りました。

逆に、田舎のアフリカ人はそれらの価が悪化し、たった2週間の食事が与える影響の大きさを読み取ることができます。(下表)

補足

「短鎖脂肪酸」は食物繊維が分解されてできるもので、アレルギーを抑えたり、食欲を抑えたり、糖尿病になりにくく(※)なります。

食物繊維が多い食事が、健康を保つ秘訣のひとつということです。

※なぜ糖尿病になりにくくなるか

食事を摂ることや、短鎖脂肪酸が多いことで分泌されるホルモンGLP-1(糖尿病治療薬にもなっています)が、すい臓に働きかけインスリンを出させます。またGLP-1は脳にも働きかけ、食欲低下を促し体重低下(改善)につながります。それらの複数の経路で、糖尿病になりにくくなります。

 

食物繊維を多く摂る→短鎖脂肪酸が増える→健康改善が見込める

名古屋生活クラブが食物繊維摂取を薦めるのはこういった理由です。食べ物は薬そのものではありませんが、体に作用し、健康を促進することも阻害することもできます。一緒に考え、健康になりましょう。

 

引用:

Fat,fibre ancl cancer risk in African American and rural Africans.

アフリカ系アメリカ人と田舎のアフリカ人(南アフリカ共和国)の脂肪、食物繊維の摂取と、大腸ガンの関係

ピッツバーグ大学・アメリカ Nature Communications. 2015 April



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