共生細菌について知ろう

腸内細菌-うつ病

腸内微生物とメンタルヘルスとの関係が判明

The neuroactive potential of the human gut microbiota in quality of life and depression

Nat Microbiol. 2019 Apr;4(4):623-632

Valles-Colomer Mら ベルギー ルーヴェン大学

 

1054人の腸内細菌叢とうつ病(自己申告、診断)との関係を解析

 

結果

・うつ病患者では、コプロコッカス属(Coprococcus)とディアリスター属(Dialister)が少なかった

・別のコホート研究に参加した1064人で解析しても、同じ傾向が見られた

・参加者の糞便のDNA解析を行った結果、ドーパミン代謝物を合成する能力が高いほど、精神的QOL(生活の質)が良い傾向が見られた

 

飲料水中のマイクロプラスティック 

キーワード

マイクロプラスチック

 Microplastics in drinking water: A review and assessment,DafneEerkes-Medrano et.al, Current Opinion in Environmental Science & Health February 2019, Pages 69-75の概略

 

様々な国のマイクロプラスチック調査をまとめた研究

 

 

要点

 

マイクロプラスチックの存在

  • ほとんどの水道水、ボトル入りミネラルウォーターから、マイクロプラスチックが見つかる
  • 1μmなど非常に小さいものまで調べると、1Lあたり数千個のレベルで含まれている

混入経路

  • 地下水を原水としているものと比べて、河川の表層水を使っているものに多く含まれている(環境汚染)
  • 工場の配管、ボトル由来と思われるマイクロプラスチックも多く見つかっている(製造上の問題)

人体への影響

  • 環境ホルモンなどの影響が懸念されるが、量を考えるとこの影響は小さいと予想される
  • 0.1μm以下のサイズになると、腸から血液に入り込み、大きな問題となる可能性がある

 

*ポリアミド (PA:ナイロンなど), ポリアクリルアミド (PAM:プラスティックの酸化防止剤), ポリアクリル酸ブチル (PBA:接着剤、塗料などに使用), ポリエチレン (PE:ポリエチレン製バッグ等), ポリエチレンテレフタラート(PET:ペットボトルなど), アクリル樹脂(PMMA:窓剤等), ポリプロピレン(PP:繊維、文具など), ポリエルテル (PEST:繊維、ペットボトルなど), ポリスチレン (PS:発泡スチロール等), ポリトリメチレンテレフタラート (PTT:自動車部品など), ポリ塩化ビニル (PVC:パイプ、クッション材など)

1000㎛=1

論文

飲料水の種類
( )の数字は水のサンプルの数

場所

粒子の数の最小と最大(最小〜最大);

全体の平均数

粒子の大きさ

粒子の種類

粒子の組成

*Kosuth et al. 2018

水道水 (n=159)

14か国(5大陸にある)

0 60.9 /L;
5.45
/L

先進国は、発展途上国に比べると粒子の数が多かった。

0.10-5.00 mmの大きさ。平均 0.96 mm の長さ。

 

繊維、破片、薄膜。

繊維が大半(98%)

不明

Mintenig et al. 2019

上水処理施設の原水(地下水源)

注入口(n=6), 排出口 (n=5), 家庭水道メーターの飲料水 (n=5) 水道水 (n=5), 井戸地下水 (n=3)
 

ドイツの5都市

0 7 /m31,000L;

0.7 /m3 (ただし24のサンプルのうち14MP検出なし)

*直下の、チェコの研究とは水源と、検出される粒のサイズの違いがあるため、大きな差異があると考えられる。

 

50-150 µm

破片、繊維と考えられる

PEST, PVC, PA, エポキシ樹脂(電子回路基板などに使用), 及び PE.

これらはDWの浄水や運搬に使用するプラスティック由来の可能性もある。例えば、パイプの多くはPVCもしくはPEで、接手にPAを使う。

 

Pivokonsky et al. 2018

浄水処理場(n=3)の原水及び浄水

 植物プランクトンの発生が少ない冬期にサンプル摂取

尚、原水は2つがため池から、1つは川から取水されている。

チェコの3つの違う都市にある、水源や処理技術の違いがある浄水処理場

各処理場が供給する上水を使用する人数は以下の通り

処理場1:150万人

処理場2:6万人

処理場3:13万人

原水1383-4464 /L

浄水243-684 /L 全体の平均は不明だが各処理場の原水と浄水中の粒の平均は以下の通り

原水

処理場11473±34

処理場21812±35

処理場3 3605±497

 

浄水

処理場1443±10

処理場2:338±76

処理場3:628±28

95%が10μmを下回った。

1 μm >100 μm
1
5 μm  (原水の40-60%、浄水の25-60% )

5-10 μm (原水の30-40% particles、浄水の 30-50%

尚、素材の組成までは正確にわからないが 最大、原水には2181 /L浄水には 230 /L   1 μmを下回るサイズで数えられた
 

繊維、球体、破片. 破片と、繊維が一番多い

原水: PBA, PE, PET, PMMA, PP, PS, PTT, PVC
浄水: PAM, PE, PET, PP, PVC.
PE PP が両方で一番多い種類であった。

 

Oßmann et al. 2018

再利用可能PETボトル(n=12)のミネラルウォーター、使い捨てPETボトル (n=10)、再利用可能グラス (n=9)、使い捨てガラス瓶(n=1)

ドイツ、バイエルン州の食料品店

0 to 16634 /L ;

3633±3860.96  /L

 

再利用PETボトルから最大平均個数の検出(プラスティックの酸化防止剤も検出)。

使い捨てPETボトル2649 ± 2857  /L, 再利用PETボトル4889 ± 5432  /L

ガラス瓶3074 ± 2531/Lガラス瓶からの検出は、容器そのもの以外からの汚染からも示唆する。)

 

1 μm から 10 μm

90%以上が5μmを下回った。

容器別の平均個数は以下の通り。

使い捨てPETボトル <1.5 μm (1419±1614) >1.5μm <= 5 μm range (1184±1329). >5 μm (45±64).
再利用PETボトル <1.5 μm (2298±3048) >1.5μm <= 5 μm (2365±2457). >5 μm (226±307).

ガラス瓶 <1.5 μm (1031±1773) >1.5μm <= 5 μm  (3860±1746).

 >5 μm(1401±2588).

不明

PET, PET+オレフィン, PE, PP, 最も生産量が高く自動車のタイヤ材によく使われるスチレン・ブタジエンゴム等。

 

Schymanski et al. 2018

再利用プラスティックボトルの水 (n=15), 使い捨てプラスティックボトルの水 (n=11), カートン (n=3)、ガラス瓶 (n=9).

炭酸の量によって、ミネラルウォーター、微スパークリングウォーター、スパークリングウォーターに分類した

ドイツの食料品店

2 241 /L、全体の平均は不明だが、容器別は以下の通り。

 

再利用プラスティックボトルから最大平均個数の検出。

使い捨てプラスティックボトル (14±14)、再利用プラスティックボトル (118±88)、ガラス瓶 (50±52)、カートン (11±8)
 

5 μm >100 μm
5
10 μm が最も多く (41%) 10-20 μm (30%) 20-50 μm (22%)と続く。 50-100 μm 5% のみ。 >100 μm 2%

破片

PET, PEST, PE, PP, PA

Wiesheu et al. 2016

ボトル入りミネラルウォーター (n=1)

不明

1

不明

繊維

PET

 

 

人への影響は

ポイントは2つ

  • MPに吸着した環境汚染物質及び添加物摂取量
    これら物質のMP経由での摂取割合は、それらの食物経由での摂取割合からすれば、わずかな割合(浄水は1.8 × 10^-9 9.9 × 10^-4%、水道水は 8.6 × 10^-6~ 4.6% ボトル水は4.2 × 10^−8 ~0.02% )でしかないと考えられる。
     
  • MPの存在が人体の細胞へ慢性的炎症や、細胞ダメージにつながり得る。

MPの摂取もしくは転移に関する最近の研究では、人への影響に関して、消化管からの吸収を摂取経路であるだろうとみている。他の臓器への吸収と移行は、様々な要因(サイズ、表面の特徴)によるが、小さいほど移行効率が良い。2 μm PS 粒子は、腸の層を超えた転移はあまり見せていない。 しかし、50 μm より小さいPE粒子は、リンパ節から肝臓や脾臓に移行し、炎症や免疫反応につながった。1 μm 5 μmを下回るサイズが高密度に存在するという上記のMPs報告は、転移と細胞ダメージを示唆し、さらなる研究が必要である。

 

 飲料水へのMPの混入経路図


菌移植-自閉症

 

自閉症と腸内細菌の関係が明らかに

 

キーワード

自閉症 菌移植 腸内細菌

 

 

Long-term benefit of microbiota transfer therapy (MTT菌移植) on autism symptoms and gut microbiota

菌移植(経口、経腸)が自閉症と腸内細菌に及ぼす長期(2年後)的な改善

scientific reports 2019.4.9 アリゾナ州立大学アメリカ

 

たくさんの研究が、自閉症の人達に腸内細菌叢の異常を報告しており、腸内細菌と自閉症行動との関与が示唆されている。

私達は菌移植実験を以前行った。それは18人の自閉症の子供に抗生物質(バイコマイシン)投与で腸内の細菌数を減らした後、腸を洗浄し、胃酸を抑える薬を投与し(移植した菌の生存を助ける)た後、腸内細菌叢を経口(冷凍)もしくは、肛門から注入し(2.5兆個)、その後少しずつ菌を投与した(25億個/日)実験です。

この以前の実験によって、腸の症状が緩和され、自閉症の症状も改善された。

その2年後にも、腸も自閉症も改善が維持されている。

腸内細菌の種類(多様性)が増加し、とくに、ビフィズス菌が5倍と、プレボテラ菌が84倍と大幅に増加していた。

 

ロイテリ菌-自閉症と腸内細菌

自閉症は腸内細菌と関係する

 

キーワード 自閉症 腸内細菌 ロイテリ菌

 

高脂肪食を食べさせた母ネズミから産まれた子ネズミの自閉症の様な社会的異常、それがロイテリ菌の投与で普通に近づいていく

Microbial reconstitution reversers maternal diet-induced social and synaptic deficits in offspring

 

(高脂肪食を食べさせた母ネズミから産まれた)子ネズミが(自閉症)の様な社会的異常(同時に神経のシナプスにも異常がある)、それがロイテリ菌(Lacto bacillus reuteri)の投与で普通に近づいていく。

ベイラー医科大学 アメリカ Cell 165.1762-1775

 

要旨

妊娠中の母ネズミに高脂肪食(脂肪分60%)を与えると子ネズミに自閉症の様な神経発達異常が増加する。

高脂肪食は子ネズミの腸内細菌を変化させ、それが子ネズミの社会行動に悪く作用する。この様な異常は、普通のエサで育てられた子ネズミと同居させると(フンを食べ合うので)改善される。

 

普通のエサのマウスの子どもの社会的な行動は、脳のVTAという場所のシナプスを増強させるが、高脂肪食の子ネズミでは増強が起こらない。

更に高脂肪食の子ネズミの視床下部(脳の部分)にはオキシトシン(愛情や社会性に関係するホルモン)が少ない。

1つの腸内細菌(ロイテリ菌)がオキシトシンの量を正常化させ、シナプス増強や社会行動異常を直していく。

 

解説

母ネズミに高脂肪食を食べさせると

 


子ネズミの腸内細菌のロイテリ菌が9分の1に減少

 

 

迷走神経を通じて脳に作用

 

 

オキシトシン減少

 


 

行動異常が起きる

 

のでロイテリ菌の投与、もしくは鼻からオキシトシン投与で改善される。

自閉症は遺伝子異常でも起こるので、他の原因もあるのですが、1つの原因に腸内細菌がある!!

 

伊澤

プロバイオティック-LGG乳酸菌と骨

LGG乳酸菌は骨の消失に効果がある?

 

キーワード 乳酸菌 腸内環境 女性ホルモン

 

「女性ホルモンの不足によって骨の消失は起こり、腸内細菌が関与しているので、プロバイオティック(LGG乳酸菌)で防ぐことができる」という論文です。

女性ホルモン(エストロゲン)の不足によって骨の消失は起こり、腸内細菌が関与しているので、プロバイオティック(LGG乳酸菌)で防ぐことができる

エモリー大学 アメリカ

The journal of clinical investigation vol126.No6.June2016

 

エストロゲンの不足で生じる炎症が骨の消失につながっていく。ネズミではエストロゲンの不足は腸の透過性を上げ(腸もれ)、リンパ球の炎症性のTh17細胞を増やし、それが骨の破骨細胞の活性を上昇させる(骨の消失)。バクテリアなどを無くしたマウスでは骨の消失が起こらないので、骨の消失に腸内細菌が関与していることがわかる。

1週間に2回乳酸菌のLGG菌を投与すると、腸の透過性(もれ)が減り、完全に骨消失を防いでくれた。一方、大腸菌やLGGの変異株では防いでくれなかった。

私達のデータは閉経後の骨そしょう症にプロバイオティックが腸もれを改善し、治療効果がある可能性を示している。



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