農薬について知ろう

思春期の野菜や果物の摂取量が、乳がんのリスクを減らす

野菜や果物を摂取することが大切だということは、誰もが知っていることですが

今回ご紹介する論文は「思春期」「野菜や果物をたくさん食べる」ことが「乳がんリスクを減らす」

ということを疫学研究で示したものです。

 

乳がんには2種類のタイプがあり、女性ホルモンの由来によるものとそうでないものに分けられます。

この論文によると女性ホルモン由来でない乳がんに対して思春期の果物摂取量と関係性がありました。

 

思春期の果物摂取量ごとの乳がんリスク減少率
果物摂取量 グループ1 グループ2

グループ3

グループ4 グループ5 この結果が偶然起こる確率
乳がんリスクの発生率 1 0.82 0.76 0.82

0.75

1%

(5%以内なら有意=偶然によるものではないと判断される)

(果物摂取量が一番低いグループ1の発生率が1としてそれに対する発生率)

果物摂取量が多いグループは低いグループよりリスクが低下(0.75倍)=つまり25%減少していました。

 

これまで、思春期や成年早期(20歳過ぎころ?)の食事内容と乳がんの関係性は

研究がなくわかっていませんでした。

乳房は成長期に特に発達します。その時期(思春期〜成人早期)は放射線と同じように

発がん性物質にも敏感です。将来の乳がんリスクを下げるためには、その時期に繊維、ビタミンや

ほかの有効成分(ポリフェノールなど)を多く含む野菜や果物を摂取することの必要性を

この研究ははっきり示しました。

 

論文:Fruit and vegetable consumption in adolescence and early adulthood and risk of breast cancer Walter C Willett ハーバード大学 BMJ 2016

 

核融合科学研究所の重水素実験について

2017年3月7日から、岐阜県土岐市にある自然科学研究機構 核融合科学研究所​で、重水素を使用したプラズマ実験が開始されました。この実験では、放射性物質であるトリチウムが発生し、回収しきれずに環境中に放出される事から、心配な方も多いと思います。実際には、どれくらい危険なものなのでしょうか?

いろいろなデータを比較してみた結論としては、この実験自体は健康被害を出すようなものではないと思いますが、核融合発電の実用化には、問題があると思っています。

 

トリチウム排出、発生量の比較

排出量(または生成量)

(ベクレル/年)

備考
核融合科学研究所 3.7〜5.5×1010 370〜550億 生成量
福島第一原発 2×1012 20,000億 放出量 2008年(合計約500万kW 沸騰水型軽水炉)
沸騰水型*1 2×1013 200,000億 蓄積量 100万kWあたり
福島第一原発 3.4×1015 34,000,000億 放出量 事故後に放出(2014年3月25日時点の推計)
玄海原発 1×1014 1,000,000億 放出量 2010年(合計約350万kW 加圧式小型軽水炉)

加圧式小型軽水炉*1

2×1014 2,000,000億 蓄積量 100万kWあたり
ピカリング原発 8.4×1014 8,400,000億 放出量 カナダ(合計770万kW 重水原子炉)
六ヶ所村再処理工場 1.3×1015 13,000,000億 放出量 2008年(アクティブ試験)
2.0×1016 200,000,000億 放出量 実際に800トン処理した場合
水爆実験*1 2×1016 200,000,000億 1954/3/1 ビキニ環礁
核融合発電*1 4.7×1019 470,000,000,000億 使用量 100万kWあたり
天然*1 9.6×1017 9,600,000,000億 地球全体

*1:原子力資料情報室より

 

降雨1Lあたりのトリチウム濃度

(ベクレル)

核兵器爆発前*1

0.2〜1

1960年代*1 100
現在*1 1〜3
2007〜2016年*3 不検出〜1.2

*3:環境放射線データベースから、東海4県のデータを集計(2017/3/14現在)

 

 原子力発電所や再処理工場から、非常に多くのトリチウムが排出されていて、トリチムが多く発生する重水原子炉が多く稼動しているカナダでは、原子力発電所周辺の住民に、ダウン症、新生児死亡、小児白血病の増加が指摘されています。日本の原子力発電所は、カナダよりは少ないといっても、この数字を見て安心とは思えません。そして、六ヶ所村の再処理工場では、本格稼動前のアクティブ試験の段階でさえカナダのピカリング原発を越えるトリチウムを放出し、他にも炭素-14、クリプトン-85などが放出されます(実際に稼動しているセラフィールド(イギリス)では、周辺作物の炭素-14濃度が上がっている事が報告されている)。

 現在の地球上のトリチウムは、大気圏内核実験が行われていた時代に比べると減ってはいますが、過去に比べるとまだ多い状態が続いている事を考えると、できるだけ出さない方が良いと思います。しかし、核融合科学研究所​での重水素実験自体は、周辺住民に健康被害が出るとは思えません。少しなら良いというわけでは有りませんが、この実験で排出されるトリチウムの被害を心配するより、もっと大量にトリチウムが垂れ流されているという問題。それを止めるのではなく、未だに継続しようとしているという大きな問題があります。そして、核融合発電に関しては、現在のような実験レベルではなく、実用レベルで稼動した場合には、たったの100万kwで、地球全体で天然に作られるトリチウムの50倍も使用します。これを、きちんと管理する事が可能なのか、非常に疑問に思います。

 

現時点では、(株)名古屋生活クラブとしては、

 核融合発電の実現には安全性にも疑問があり、慎重に見守る必要がありますが、実験自体に反対するほどではない。但し、実験を行ったという既成事実から、強引に実用化することは、許されない。

と考えています。自由な研究と、産業化した場合のリスクに対する抑制がうまく働いて、良い世の中になる様に活動していきたいと思っています。 (外山)

 

薄められたデータ これを根拠に安全だと言える? ベノミル

分析農薬数が少ないと検出率が低くでるというからくり

 

下の表は厚生労働省が各自治体や検疫所から集めてまとめた、国産農産物の残留農薬の検出率と基準値違反の割合です。

 

年度 検査数 農薬の検出数 農薬の検出率 基準値違反の数 基準値違反の割合
H23 1,123,811 3,230 0.29% 31 0.003%

 

『本集計結果から、基準値超過の割合はいずれも低く、我が国で流通している食品における農薬等の残留レベルは十分に低いものと考えられました。』

厚生労働省はこうまとめていますが、検出率がたったの0.29%とあるけれど、これって本当!?

 

次の資料を見て下さい。

国別の、対面積あたりの農薬の使用量です。この時点で日本は韓国に次いで2位です。

 

 

 

次に農薬の検査数と検出率を比較してみました。

検査した農薬の種類 検体数 検出数 検出率
ドイツ(2005) 641 13,951 8,886 63.7%

東京都(2014)

145 309 108 35%

厚生労働省(2011)

いろいろ* 1,123,811 3,230 0.29%

*各検査機関で検査数がバラバラのデータなので集計不可

 

ドイツは、分析農薬数600以上、検出率63.7%です。東京都の検査でも35%の検出率です。一方で厚生労働省は検出率0.29%と言っています。
日本は面積あたりの農薬使用量はドイツの4倍以上なのに、検出率0,29%というのはどうなんでしょうか?


一般に、分析する農薬の数が増えると検出率は上がります。逆に、日本は分析する農薬の数が少なく検出率が下がります。
分析する農薬が少ない不検出のデータで薄められた検出率をもとに、厚生労働省は『我が国の農薬等の残留レベルは十分に低い』と結論付けています。

 

 

厚生労働省の言う、検出率0.29%はごまかし

検出率0.29%という数字の裏側に、検査する農薬の数が少ないと検出率が下がるカラクリがありました。厚生労働省がまとめたデータは、検査するものそれぞれで検査する農薬の数がバラバラです。検出限界も統一されていません。

それに、みかんや柑橘の検査では、ベノミルのような高い割合で検出される農薬をわずかしか検査していません。
厚生労働省がこのデータを根拠に『日本の農産物の残留レベルは十分に低い』と言うのはごまかしです。

 

今回ベノミルを調べてて知ったのは、EUやオーストラリアと、日本の対応の違いです。とても大きな差がありました。

一体この違いは何なのでしょうか。日本の農産物はまだまだ安全とは言えません。(村島)

 

高い検出率・少ない検体 ベノミル

見つからないベノミルの残留データ

前回はベノミルの毒性や各国の対応についてのお話でした。

http://1.nagoyaseikatsuclub.com/?eid=197

 

では次に、ベノミルはみかんやその他の野菜に実際に残留しているのでしょうか?

そこでベノミルの残留データを探したのですが、国内では全然見つからないのです。

 

ベノミルはみかん収穫後の輸送中や倉庫での貯蔵中、スーパー等の店頭にならんでいる時にカビ無いよう、みかんを収穫する直前に散布されます。つまり、ベノミルがみかんに残留しているから、長時間カビないのです。
(ベノミルは、みかんを含む柑橘類に対して収穫前日まで使用可能)

 

その使われ方から考えても、みかんに残留していないはずが無いのだけれども、データが見つからない。。。
必死で探して、ようやくベノミルの残留データが見つかりました。

 

高い検出率
 

年度 品目 検体数 検出数 検出率
H21 みかん 25 11 44%
H22 みかん 22 14 64%
H23 みかん

23

9 39%
H19 その他の柑橘類 7 6 86%
H23 その他の柑橘類 9 6 67%

検査した農薬:カルベンダジム、チオファネート、チオファネートメチル及びベノミル(注1)

厚生労働省 『食品中の残留農薬等検査結果』

注1) ベノミルと類縁の化合物を合わせて計算しています。

 

ベノミルが、みかんとその他の柑橘類にとても高い割合で残留しています。

みかんは外皮を剥いて検査しています、つまり果実に残留しています
(その他の柑橘類は、皮ごと検査。)

 

少ないデータ

これだけ高い割合で残留しているベノミルのデータが国内で全然見つからないことが不思議でした。

東京都の残留農薬検査ではベノミルは検査の対象にすらなっていませんでした。

 

残留農薬検査って、何のためにやるのか? 私達の安全を守るためなのでは?

だとしたら、ベノミルのような残留する可能性の高い農薬を検査しなければ意味が無いと思うのです。

例えばH23年度に検査したみかんのうちわずか23検体しかベノミルの検査をしていないのは、国民の安全を守るための残留農薬検査としては、かなりピントがずれていると思うのです。(つづく)

 

 

ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアでは使用禁止の殺菌剤 ベノミル

みかんはとても腐りやすい食べ物です。みかんが貯蔵中に腐る主な原因はカビです。そこで慣行栽培では(一般的な農薬、化学肥料を使う栽培)収穫直前に殺菌剤(防カビ剤)を散布します。だから慣行栽培のみかんは、あまりカビません。しかし、使われている殺菌剤に問題があります。

 

ベノミルとその毒性

ベノミル(商品名:ベンレート)という殺菌剤は、日本においては柑橘の他にもトマトやきゅうりなど、様々な作物に幅広く使われています。柑橘においては貯蔵中や輸送中に腐らないようにするために、収穫前日まで使用できます。

 

EPA(アメリカ環境保護庁)は、ヒトに対して発がん性がある農薬として挙げており、環境ホルモンの疑いがあります。
特にお母さんのお腹の中にいる子供が曝露した場合には、生まれたときに先天性異常が見られるなど、催奇形性の報告が数多くあります。

 

ベノミルの代謝物:カルベンダジムの問題
ベノミルはカルベンダジム(MBC)という物質を不純物として含むだけでなく、水分に出会うと容易にカルベンダジムに変化します。カルベンダジムは、1999年に失効した殺菌剤で、遺伝毒性があり、環境ホルモンの疑いがあります。また、土壌中に3カ月〜2年以上も残留する場合があります。
★ベノミルと同様に使われている農薬の中に、チオファネートメチルがあります。これの代謝物もカルベンダジム(MBC)になります。この殺菌剤も、みかんでは収穫7日前、みかん以外の柑橘には収穫前日まで使用が可能です。

 

 

EU、アメリカ、オーストラリアは危険だと判断

オーストラリアでは、政府がベノミル、チオファネートメチルとその代謝物カルベンダジムの毒性について独自の基準をもって検証し、現行の基準でのベノミル使用は支持できないとはっきりと言っています。そしてベノミル、チオファネートメチルは2004年には失効、もしくは自発的に登録を抹消しています。EU、アメリカでも使用禁止です。 また、ベノミルの毒性について検証している論文を検索しても、見つかるのは海外の論文ばかりです。

 

国外ではベノミルの使用による胎児の先天性異常や、薬害などによる訴訟が相次ぎ、デュポン社は2001年に販売を中止し登録を取り下げました。しかし、日本では住友化学が商標を譲り受け、今も国内で製造販売を続けています。

この事実について、みなさんはどう思われますか? 

 

日本ではベノミルのような先天性異常が報告されている農薬が、貯蔵、輸送中に腐敗をださないために使われています。

農薬を使う人や食べる人よりも、経済や流通を優先していることが伺えます。

 

一方で、化学合成農薬を使わない生産者さんは、みかんが腐るコストを負担しているのです。

腐るコストを負担してでも、安心して食べられるみかんを栽培してる生産者さんのみかんを食べてください!(つづく)

 



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