化粧品について知ろう

発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的

論文で紹介します

Safe Cosmetics Act Aims To Lessen Cancer Risk
発ガンリスクを減らすための安全化粧品法の目的
Journal of the National Cancer Institute,Vol.98,No.20,October 18,2006


アメリカ・カルフォルニア州では、「化粧品がその地域で乳ガンが非常に高い割合で起きている原因ではないか」との疑いから、州上院議員のCarole Migdenは乳ガンファンドとある支持団体の助けもあり、「安全化粧品法案」を提出し、州議会で可決されました。

そして2007年1月に施行されました。

この法律はカルフォルニア州で販売されている化粧品を対象としており、化粧品製造業者は国家毒性プログラム、国際ガン研究機関、環境健康毒性評価などで登録のある発ガン物質・生殖毒性物質についてはDHS(カルフォルニア州の健康サービス部)に報告しなければなりません。


一方、ヨーロッパでは…

約6年前、内分泌かく乱物質であるフタル酸ジブチル(DBP)が肌を通して吸収されているという発見がありました。

DBPはコロン、ネイルポリッシュ、ヘアースプレー、保湿液など化粧品に幅広く使用されていますが、このDBPは男性ホルモンのアンドロゲンに影響を及ぼし、特に胎児の発達中に最も作用します。

DBPの研究はまだ始まって間もないですが、EUは2004年に化粧品へのDBP使用を禁止しました。

このことがアメリカに影響し、3つの主要なネイルポリッシュ会社はDBPの入っていない製品を作ることを約束しました。

Sally Hansen(売上トップのドラッグストア)はホルムアルデヒドとトルエンの除去に同意しました。毒性のある成分を使っている他の会社はこのカルフォルニア法が発効される前に除去するとのことでした。


発ガンリスク

2000年10月、“Environmental Health Perspectives”で疾病予防センター(CDC)の研究者が、大人289人を対象とした研究でDBPへの曝露は予想より高く、特に子供を産める年齢の女性で高いと報告しました。

新カルフォルニア安全飲み水毒物施行法ではDBPは毒物と表記されています。

DBPの発ガン性については、動物実験(ラット)において良性の精巣ガンが報告されています。また、人においては肛門陰茎間長が短くなったとの報告があります。

フタル酸は大気、食べ物、飲み水、薬などにも含まれているため、人は様々なフタル酸に曝露しています。化粧品中のフタル酸が発ガンに直接関係しているかは不明です。


解説

現在注目されているフタル酸類はプラスチックの可塑剤として、また、香水、デオドラント、ローション、ヘアケア商品、ネイルケア商品などに含まれています。我々は様々な場所・方法でフタル酸に曝露していると思われます。特に妊娠中に胎児の発達に影響する可能性もあるので、できるだけフタル酸は避けた方がいいと思われます。日本でもDBPを含む製品として、エイボン・プロダクツの「カラーネイルウェアネイルエナメル(N311 ルージュファタル)」などが販売されています。

このニュースからわかるように、アメリカでもヨーロッパでも化粧品の安全性については進んでいることが分ります。その点、日本は出遅れていると言えます。

(もみのき)

(2012/08/20 掲載)



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