ベビーケア商品は幼児のフタル酸曝露の大部分の原因
論文で紹介します
目的
フタル酸はパーソナルケア商品とその他の商品に入っている人工化学物質である。最近の研究ではいくつかのフタル酸が男性の生殖器系の発達を変化させるが、幼児の曝露の原因ははっきりしていないと示している。
我々は幼児の尿中のフタル酸代謝物濃度と幼児の皮膚へのケア製品の使用との関係を調査した。
方法
2000〜2005年に生まれた163人の幼児において9つのフタル酸代謝物を測定した。幼児はいくつかのケア製品に曝露していると考えられた。尿中サンプルの24時間以内に幼児に母親が使用したと報告される商品に対して。重回帰分析の結果は曝露している幼児としていない幼児における代謝物濃度の割合で報告された。我々はZスコアを用いて濃度を統一化し、複数の代謝物への混合した曝露について調査した。
結果
ほとんどの幼児(81%)において7もしくはそれ以上のフタル酸代謝物が検出限界値を超えていた。ローションへの曝露はフタル酸エチル、フタル酸メチルが予想され、パウダーはフタル酸イソブチル、シャンプーはフタル酸メチルが予想された。Zスコアは使用製品の数に伴い増加した。ほとんどの関連性は幼い幼児ほど強かった。
結論
フタル酸曝露は幼児において広がっており、むらがある。ローション、パウダー、シャンプーへの幼児の曝露はフタル酸エチル、フタル酸メチル、フタル酸イソブチルの尿中濃度の増加と有意に相関関係をもち、使用商品の数に伴い増加した。この関連性は幼い幼児で最も強く、それはその幼児がフタル酸の発育上・生殖上の毒性に対しより傷つきやすいからだろう。彼らの未熟な代謝システム能力と体表面積当りの投与量が増加することから。
(2012/08/20 掲載)