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タバコと肺がんリスク

キーワード タバコ 肺がん

 

Tobacco smoking and somatic mutations in human bronchial epithelium

タバコによるヒト気管支上皮細胞の突然変異

サンガー研究所 29.January 2020

 

【要旨】

タバコは肺がんを起こす。タバコの煙には60種類以上の発がん物質が含まれていて、DNA(遺伝子)に直接作用し、突然変異させる。肺がん細胞のゲノム(遺伝子全体)の突然変異はよくわかっているが、正常な気管支細胞の突然変異のデータはない。私たちは16人の気管支細胞から取られた632個の細胞の全ゲノム(全遺伝子)を分析した。

タバコは1個の細胞に1000個から1万個の突然変異を与えている。その突然変異は個人間にも1人の人間の内でも大きく差がある。

過去喫煙者の細胞には喫煙したことがない人たちと同じような突然変異による傷害が少ない細胞があります。過去喫煙者にはそのような細胞が現喫煙者に比べて4倍以上多く、より長いテロメア1を持っています。

発がんに関わるドライバー変異2は年齢とともに増加し、喫煙したことが無い人の細胞でも中年になると、4%〜14%変異している。

現喫煙者では、少なくとも25%の細胞がドライバー変異を持っており、06%の細胞はドライバー変異を2個もしくは3個持っていた。

このように、タバコは突然変異をもたらすが、禁煙することはタバコによる突然変異を受けていない、気管支上皮細胞の新生を促進している。

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WHOによると、世界中で11億人がタバコを吸っており、毎年180万人が肺がんで亡くなっている。

タバコによる肺がんは10年以上かかって生じる。喫煙者は禁煙者に比べて、肺がんになるリスクが30倍になる。

国立がん研究センターによると

男性の肺がんの68

女性の肺がんの18% はタバコが原因とされています。

突然変異のうち、点突然変異(DNA中の1個の塩基が変化する)は年齢につれて増加する。

1つの細胞ごとに1年間で22個の点突然変異が増加する。

一方、過去喫煙者はそれに加えて2330個、現喫煙者は5300個の点突然変異が生じている。

 

 点突然変異

  1年に22個/1細胞 ずつ増加(喫煙したことがない人)

  過去喫煙者  +2330

  現喫煙者   +5300

 

過去喫煙者は肺がんになるリスクが高いが、現喫煙者よりは低い。この低減はタバコをやめた期間に関係している。

6人の過去喫煙者のうち、5人は喫煙したことがない人たちと同じレベルの低い突然変異の細胞が2050%存在する。この理由はよくわかっていない。

 

*1 テロメア:染色体の末端にある構造で繰り返し配列のDNAとタンパク質からできている。

              ヒトの正常(ガンでない)細胞では、細胞分裂のたびにテロメアが短くなり、細胞分裂ができなくなる。

 

*2ドライバー変異:発がん遺伝子・がん抑制遺伝子の両方

               発がん遺伝子…細胞分裂のアクセル

                  がん抑制遺伝子…細胞分裂のブレーキ

                  この両方の遺伝子が変異するとがん化すると考えられています。

                  実際のがん細胞では両方の遺伝子が突然変異していることが多い。

 



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