農薬について知ろう

農薬残留と野菜果物の摂取と心血管病リスク

キーワード

農薬 心血管病 残留

 

農薬残留レベルごとの果物と野菜の摂取量と心血管病のリスク

Association between intake of fruits and vegetables by pestcide residue status and coronary heart disease risk

ハーバード大学 T.H.chan スクール Environ Int 2019 Aug29

 

背景

 果物と野菜の摂取は心血管病の予防になるが、同時に農薬の主な摂取源でもある。

 果物と野菜の摂取が心血管病のリスクに農薬の残留量によってどう影響するか分かっていない。

 

方法

 14万5789人の女性と2万4353人の男性(開始時に心血管病とガン(非メラノーマ皮ふガンを除く)を持っていない人達)、果物と野菜の摂取は食品質問表を基に算定した。農薬の残留は、アメリカ農務省のデータに基づいて推定した。

 

結果

3つの追跡研究(1人を1年追跡すると1人/年と換算した場合で、平均で17万人だと約13年に値するデータ)では、

3707件の心血管病が生じた。

低残留の果物と野菜の摂取が大きいと、心血管病のリスクが減った。一方、高残留の果物と野菜の摂取はリスクに関係しなかった。

 とくに、1日に4サービング以上の低残留の果物と野菜を食べる人は、1サービング以下の人に比べ、リスクが20%下がっていた。

 高残留の果物、野菜を1日4サービング以上食べる人は、1サービング以下の人と比べて、リスクは0.97だった。

 

補足

アメリカ人のための食事ガイドラインとアメリカ心臓協会は、心臓病を減らすために、1日5サービング以上の果物と野菜の摂取をすすめている。しかし、果物と野菜には多く残留農薬が含まれる。実際、2016年度、アメリカ農務省の調査では、85%もの果物と野菜から残留農薬が検出され、およそ半分からは3種以上の農薬が検出される。

 

方法

131アイテムの食品摂取頻度の質問表を4年ごとに調査した。

残留農薬は、毎年1万サンプル、農薬数400で分析

その結果、残留量に応じて、各農作物を点数化(0〜6まで)した。

 

 

03までを低残留、46までを高残留と分類し、その摂取量によって5分割し、心血管病のリスクを比較した。

                                   

0

1

2

3

豆、グレープフルーツ、乾プルーン、オレンジジュース

りんごジュース、カリフラワー、豆腐、さつまいも、トマト

マスクメロン、人参、かぼちゃ

ブロッコリー、オレンジ、ブルーベリー、なす、ズッキーニ

4

5

6

セロリ、ケール、りんご、梨、ぶどう、ピーマン、アップルソース

いんげん

レタス、桃、梅、ほうれん草、いちご(冷凍も)

 

解説

東京都の残留農薬検査は、農薬143種、332品目を1年間で検査しています。

国(厚生労働省、地方公共団体)の残留農薬検査は、298万877検体で検出率0.36%です(検査農薬数 不明)。これをアメリカの結果と比べると

 

 

検査数

農薬数

検出率

アメリカ

1

400

85

2016

厚労省

298877

0.36

2015

東京都

332

143

9.6%(32332

2016

 

 単位面積当たりの農薬使用量(OECD)で見ると、日本はアメリカの5倍くらいなのに、なぜか検出率が1桁、2桁低くなっています。測定している農薬数が格段に少ないことが原因です。

 さて、一方、今回のハーバード大学の研究結果、心血管病も含めて、野菜、果物の有用性がいわれていますが、「高残留の果物、野菜」を摂っても「効果なし」になりかねませんよ!!と受け取れる内容です。オーガニック食品の摂取については、この論文では調べていませんが、今後の課題であると筆者は述べています。



名古屋生活クラブ

  〒452-0802 名古屋市西区比良2-120 フリーダイアル:0120-72-0251
TEL:052-501-0251 FAX:052-503-0967 e-mail: nsc@athena.ocn.ne.jp >>会社概要はコチラ