トランス脂肪酸について知ろう

天然由来のトランス脂肪酸は安全?

1950年代に、フレッド・クメローが、トランス脂肪酸の危険性を訴えてから長い年月が経ち、アメリカでは部分水素添加した油がほぼ禁止になりました。ここで、「部分水素添加した油」とされているように、人工的に油に水素を添加して性質を変えたときにできるトランス脂肪酸が危険であり、天然のトランス脂肪酸はあまり問題にはなっていません。

 

オレオサイエンス 第14 巻第6 号(2014)に掲載されてた総説

「トランス脂肪酸問題と異性体 −工業型トランス脂肪酸と天然型トランス脂肪酸−」より

 

要点

  • 一言でトランス脂肪酸と言っても、いろいろなトランス脂肪酸がある。
  • 天然にもトランス脂肪酸は有る(牛などの脂に含まれるバクセン酸など)
  • いろいろな研究で差は有るが、概ね「人工的=悪い」「天然=悪くない」という傾向がある
  • 人工的に作ったトランス脂肪酸は、トランスになっている位置が広く分布している(いろんなタイプのトランス脂肪酸が混ざっている)が、天然は特定のタイプに集中している。
  • 人工的に作ったトランス脂肪酸に一番多く含まれる、9番目がトランスのタイプは、健康への影響が見られない(その他いろいろの中に悪者がいる?実は、何が悪いのか良くわかっていない)
  • 牛の脂などに含まれるバクセン酸は、健康への影響が見られない
  • 牛に濃厚飼料を多く食べさせると、バクセン酸(11番目がトランス)ではなく、トランスの位置が1つずれて、10番目がトランスのタイプが多くなる
  • ウサギの実験で、10番目がトランスのタイプを多く含むバター(濃厚飼料を多く食べて育った牛の乳から作ったバター)は、11番目がトランスのタイプが多いバター(草を多く食べて育った牛の乳から作ったバター)よりも血液中の悪玉コレステロール(VLDH、LDH)を増やす(動脈硬化、心臓疾患につながる)

 

解説

 ここに書いた事も、はっきりと結論の出ているものはほとんど有りません。トランス脂肪酸については、60年以上経った今でも、「良くわからないけど、人工的に部分水素添加した脂には、何か悪いものが含まれている」と言う程度です。しかし、「原因はわからないけど何か影響がある」という段階で対応する事が重要です。本当の原因を突き止めてから対応していては遅すぎます。

 そして、もう1つ目に止まったのは、天然のトランス脂肪酸でも、「濃厚飼料を多く食べさせた牛は悪影響がある」と言う事です。牛は、本来草を食べて育ちます。消化の悪い草から栄養を取るために、4つの胃でゆっくりと消化していきます。しかし、現代の酪農、畜産では、トウモロコシを多く食べさせます。消化の良いトウモロコシを食べさせた方が、早く大きくなり、乳牛なら脂肪分の高い乳がたくさん出ます。こうすると、天然でも悪影響のあるトランス脂肪酸ができてしまうようです。

 

 トランス脂肪酸が問題だと思って、「草で育てた牛」「放牧」を推奨してきたわけでは有りませんが、やっぱり無理な育て方はしない方がいいと思います。

 

外山



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