農薬について知ろう

りんごなどに使われる殺菌剤マンゼブの様々な影響

Thyroid hormones and cytogenetic outcomes in backpack sprayers using ethylenbis(dithiocarbamate)(EBDC) fungicides in Mexico

殺菌剤EBDC(マンゼブなど)の散布者の甲状腺ホルモンと細胞遺伝的な影響

Kyle Steenland.   労働安全と健康国立研究所   アメリカ

(National Institute for Occupational Safety and Health)  Vol 105  No10  October  1997.  Environmental Health Perspectives

 

マンネブ、マンゼブ(EBDCジチオカーバメート系農薬)はアメリカ国内では、一般に広く使われ1990年以前には、1年間で3620トンから5560トン使用されていた。

皮膚から吸収され、エチレンチオウレア(ETU)に分解していく。

1%から10%皮膚から吸収され、その7.5%がエチレンチオウレア(ETU)に分解していく。農薬(マンネブ、マンゼブ)自身も、又その分解物、エチレンチオウレアも、細菌と動物細胞に突然変異をもたらす。

EPA(アメリカ環境保護庁)は、エチレンチオウレアをねずみに甲状腺と他のガンを起こすことから「発がん物質」と認定している。そのため、EPAは1992年に11種の作物への使用を禁止したが、依然としてリンゴ、アーモンド、トマトなどの多くの作物に使われている。

 

 

ヒトへの発がん性に関するデーターはないが、ヒトに関する遺伝毒性を調べたデーターでは、マンゼブを含む殺菌剤の生産している労働者44人の内、統計的に有意な染色体の異常の増加が見られる。(非喫煙者で)

エチレンチオウレアは甲状腺ホルモンT4の減少を生産労働者に起こす。

又ネズミなどのげっし類には、甲状腺ホルモンT4の減少、甲状腺刺激ホルモンの増加、甲状腺ガンなどが見られる。

そこで私達は、EBDC(マンゼブなど)を使用してトマトを育てている49人の労働者への影響を尿中の、エチレンチオウレア量、染色体の異常など調べた。

 

 

  甲状腺ホルモンT4の減少は見られなかったが、甲状腺刺激ホルモンの増加は見られた。更に染色体の異常も統計的に有意に見られた。

 

労働者49人

一般(対照)31人

尿中平均エチレンチオウレア

   58ppb

   未検出

甲状腺ホルモンT4

   7.68μg/dl

   7.59

甲状腺刺激ホルモン

   2-13mIU/l

   1.61

染色体の転座

   6.07

   4.59

姉妹染色分体の交換

   8.52

   7.90

 

 

マンゼブの様々な影響

 

内分泌かく乱作用

微量でも、ネズミの胚の発生を阻害する。紡錘体の集合を阻害する。女性の不稔に関与している可能性がある。
(動物実験で3日間子宮中の甲状腺ホルモンがなくなると自閉症の患者の脳と同様な変化がみられる。)

Curr Pharm  Des  2007;13(29):2989-3004

 

自閉症

自閉症に甲状腺ホルモン異常との関連が見られる。甲状腺に対する毒物として、アブラナ科植物に多く含まれるチオシアネートなどの他に、農薬として、2・4-D、アセトクロール、アミノトリアゾール、アミトロール、ブロモキシニル、マンゼブチオウレアがある。

他にPCB、過塩素酸、水銀などが疑われている。

J Neurol  Sci 2007  Nov15;262(1-2):15-26

 

遺伝子の切断

マンゼブはDNAの一本鎖の切断を量に比例してもたらす。

Toxicol  Appl  Pharmacol  2006 Marl;211(2)87-96

 

 

 

−−−−解説−−−−

マンゼブなどのEBDC(エチレンビスジチオカーバーメート)系農薬は動物には、甲状腺に対する毒性や発がん性などがはっきりしています。IARC(国際ガン研究機関)は発ガン性の分類を2001年に1段階落として、グループ3(発ガン性について分類できない)にしました。これは動物での発がんがヒトには起きないことの強い証拠がある場合の分類です。

しかし、この論文では、トマトへの農薬(マンゼブ)散布の労働者の尿中に、この農薬の分解産物、ETU(エチレンチオウレア)が高い濃度で見つかっており、更に染色体の異常、甲状腺刺激ホルモンの増加も見られています。

フィリピンでのバナナプランテーションの労働者(農薬散布者など)にも、血中のETU濃度の上昇と甲状腺異常(孤立結節)が見られています。

(Environmental Health Perspectives.  Vol112  No1 January 2004)

この様に危険性の高い農薬が日本をはじめ、各国で使われています。(スウェーデンでは使用が制限されています。)何も知らずに使っている、労働者(フィリピンのバナナプランテーションの労働者は自分が使っている農薬の名前も知らない人がたくさんいます。)の健康、農薬散布地域の住民の健康、その作物を食べている消費者の健康などを考えると現状を放置することは、いけない事だと思います。



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