食品の効果について知ろう

みりんの健康効果

 清酒の場合、蒸した米、米麹、水を仕込み、麹菌がデンプンを分解し、出来た糖を乳酸菌や酵母が利用して、少しずつアルコールが増えていきます。一方、みりんの原料は、蒸したもち米、米麹、焼酎です。日本酒と非常に良く似た原料から作られますが、仕込んだ瞬間に、アルコール濃度が約14%(日本酒と同じ)になっているので、全く違うものが出来上がります。このアルコール濃度は、多くの菌が死滅する濃度です。では、みりんは原料を混ぜただけのものでしょうか?そうではありません。最初の1ヶ月弱の間、麹菌の持っていた酵素が、もち米や米麹のデンプンが分解し、ぶどう糖やオリゴ糖が作られます。この糖を、乳酸菌や酵母が利用する事が無いので、非常に甘い調味料になります。また、たんぱく質、脂質、核酸など、その他の成分も、数ヶ月の時間をかけて、麹菌が持っていた酵素反応で変化し、日本酒とは違った物質が蓄積されます。
 
 みりんは、菌が死んでいる発酵食品なので、健康効果は期待できないでしょうか?それも違います。東京農業大学の高橋康次郎さんの論文を紹介します。
本みりんの貯蔵着色と機能性      日本醸造協会誌 2011年9月 106巻9号p578-586
 
みりんの健康効果については、あまり研究が進んでいませんが、抗酸化作用、血圧上昇抑制効果が知られています。これらの効果を示す成分は、いくつか知られています。そこで、市販のみりん20種類のみりんの成分と色の濃さを調べてみました
 
結果
  1. 抗酸化性、ACE阻害率の量(血圧上昇を抑える)、色の濃さなどは、どれも次の様な順番だった
糖類を添加した本みりん < 純米本みりん < 長期貯蔵
  1. 長期熟成すると、メラノイジン(抗酸化性、抗菌作用、DNAを変異から守る作用、発ガン抑制、高血圧抑制等が知られている物質)が作られている


解説
比較した本みりん
糖類を添加した本みりん:酒税法では、原料の米(米麹を含む)の2.5倍、不揮発成分の80%までぶどう糖や水あめを入れても良い事になっている。通常の1/3ぐらいしか米を使わないので、実際には米が発酵してできた成分は非常に少ない。
純米本みりん:ぶどう糖や水あめを添加していないみりん。但し、アルコールとして、焼酎ではなく醸造アルコールを使っている製品がほとんど。数ヶ月の発酵後、ほとんど貯蔵していないもの。
長期貯蔵:純米本みりんの中で、発酵後のもろみを搾った後、1〜10年熟成したもの。熟成中は、麹菌の力ではなく、成分自体の化学変化が起こる。
 
 糖類を添加した、一般的な本みりんは、本来のみりんの成分は1/3程度で、後は甘みを付けただけなので、抗酸化作用もほとんどありません。また、純米本みりんでも、搾った後ほとんど熟成期間の無いものに比べて、長期熟成したものは、抗酸化作用も、血圧を抑制する成分も多くなります。総フェノール(フェノール類の多くが抗酸化物質)を見ると、貯蔵による差はあまり有りませんが、糖類を使用したものは非常に少なくなっています。この事から、糖類を使用したものは、いくら貯蔵しても抗酸化作用が高まる事は無いと考えられます。特定の成分を補給するのではなく、「食べ物をまるごとをいただく」事が基本です。
 そして、本来の原料(焼酎も米から作るので、みりんの原料は米と水だけです)を使用した、本物の発酵食品には、健康への効果が期待できます。そして、生きた菌を体に取り入れるというだけではなく、菌が作り出したもの、更にそこから派生して出来たものにも、健康に良い影響があります。
2016/6/10 掲載 外山


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