添加物について知ろう

カラギーナン(添加物)の胃腸への影響

カラギーナンは、増粘多糖類、安定剤などとして、加工品に良く使われていますが、以前から発がん性が懸念されています。この毒性について、おさらいとしてまとめました。
 
論文1
Review of harmful gastrointestinal effect of Carrageenan in animal experiments.
動物実験でのカラギーナンの胃腸への有害な影響の総説
Environ Health Perspect 2002. Apr. 110(4)
Tobacman アイオワ大学 医学部

食品添加物のカラギーナンは、数々の動物実験で腸のガン化と潰瘍の誘導と促進に関与しているとみられますが、それにもかかわらず、広く使われています。
1982年には、国際ガン研究機関(IARC)が分解カラギーナンをグループ2B(発ガンの充分な証拠が動物にはあるが、ヒトには適当なデーターがない)と認定しています。
動物へのカラギーナンの影響を認め、数人のヨーロッパとイギリスの研究者達が食品へのカラギーナン使用をやめるようアドバイスしました。
渇藻類からの抽出物である、カラギーナンは、100年以上にも渡って使われ、1930年代にアメリカで食品添加物として特許をとりました。
1959年には、カラギーナンはGRAS(安全とみなされる)物質と保証されました。(GRAS物質は、食品にどれだけいれてもOK)
1972年に、FDA(アメリカの厚生省)によって、分解カラギーナンを減少するため、分子量10万以上、粘度5cps以上と規制を変更することが提案されました。が、実際には変更されませんでした。そしていまだに、カラギーナンはGRAS物質とされています。

動物実験の結果

(若林)
・10%分解カラギーナン    24ヶ月以内に32%のラットに大腸ガン
扁平上皮細胞ガン 腺ガン 良性腫瘍
・5%分解カラギーナン    腸の異化生(組織が異常に変化すること) が15ヶ月後に100%
ファビアン5%カラギーナンと過形成ポリープ 腺腫瘍ポリープ

(ロットとマークス)
・カラギーナン 0.1〜5%
6〜12週間うさぎ    粘膜の過形成とポリープ


論文2 (論文1への反論)
「動物実験でのカラギーナンの胃腸への有害な影響の総説(参照)」への反論
Carthew ユニリバー社 環境と安全センター

 Tobacman氏は、カラギーナンが胃の中で酸化水分解され、大腸ガンを促進する事に焦点をあてている。
分解カラギーナンは、ラットの体内に大腸ガンを作る。イニシエーション(DNAに突然変異をもたらす)剤のアゾキシメタンを使い、腸内の異常なクリプト(小さなくぼみ)の数を見ると、分解カラギーナンが、ラットの大腸ガンを促進しているのが分かる。
これらの知見により、分解カラギーナンはIARC(国際ガン研究機関)のグループ2Bの指定(ヒトへの発ガンの可能性)に分類されたが、それは、動物実験に基づいている。
そのままのカラギーナンはIARCにグループ3(ヒトへの発ガン性に関して分類できない)に分類されている。
Tacheの最近の論文で、アゾキシメタンを使うカラギーナンの発ガン促進を見る実験で、ヒトの腸内細菌をラットに入れた場合、発ガン促進は見られなかった。正常なげっ歯類の最近を使った場合は、カラギーナンは発ガンを促進した。
この結果は、以前と同じである。
大腸ガン促進効果は、げっ歯類に特異的なことである。それは、げっ歯類の腸内細菌を必要とする。カラギーナンは、ヒトの大腸ガンを促進しないだろう。
(中略)
モルモットは、カラギーナンによる大腸炎に非常になりやすく、霊長類(ヒトへの比較に最も適当)は、カラギーナンによる大腸炎を起こさない。
カラギーナンの食品使用の安全性は、国連とWHOの第57合同会合(2001年6月ローマ)で確認されている。
会合は、ADI(1日摂取許容量)を“特に決めない?(not specified)”ことを推薦している。
この推薦は、この分野での世界の2人のエキスパート(ネブラスカ大学 コーエンと名古屋市立大学のイトー)による、毒性と発ガン性の総説の後でなされています。


論文3(論文2への反論)
「動物実験でのカラギーナンの胃腸への有害な影響の総説(参照)」への反論(参照)に対する反論
Tobacman アイオワ大学 医学部

(略)
げっ歯類では、分解カラギーナンが潰瘍と発ガンを誘導することは明らかである。同時に、食品グレードのカラギーナンが酸分解やバクテリアによって、分解カラギーナンになることも、はっきりしている。そして、分解カラギーナンは、食品グレードのカラギーナンに、たぶん混入している。
(略)
  Carthewは、ヒト、腸内細菌の役割とカラギーナンの毒性に種の間で差がある可能性をあげている。
Tacheの論文で、2種類のラット(ヒト腸内細菌ラット、ラット腸内細菌ラット)の糞中のカラギーナンの分子量を調べている。

ヒト腸内細菌ラット    307000    両方とも分解を受けている。
ラット腸内細菌ラット    346000    ヒト腸内細菌の方がより分解を受けている

 分解カラギーナンはどちらにもある。
(略)
FDAが1970年代にカラギーナンを再検討した時、FDAは、アカゲザルの論文を採用した。2%分解カラギーナンのエサで、体重の増加はなく、便に血がまじり、ヘモグロビン値が減少した。
  それらは、カラギーナンの摂取をやめた10週後まで続いた。
  さらに、粘膜のびらんと潰瘍と多くの膿瘍があった。
  病理学的な変化は、カラギーナンの投与量と時期に比例した。これらのデーターは、分解カラギーナンが霊長類に大腸炎を起こしうることを示している。
  FAO、WHOのADI評価は、不幸なことである。
  1999年、WHOのGreigは、「特に決めない?(not specified)は一時的である、と述べている。
(中略)
  カラギーナンの推薦は改善されることを望む。
  はっきりしていることは、
  経済的な問題があり、食品産業界と海藻採取業者の利益の問題だということ。
  アメリカでは、FDAは20年以上にもカラギーナンの潜在的有害性を無視してきている。
  しかし、潜在的な有害性を再評価すべき時である。


翻訳:伊澤


この頃は、「ヒトの腸内細菌」「ラットの腸内細菌」という議論をしていますが、ヒトの腸内細菌も人それぞれ違います。現在は、カラギーナンを分解する腸内細菌を持っている人もいる事もわかってきました。(外山 2016/5/25)

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