共生細菌について知ろう

乳酸菌に特有の抗炎症メカニズムを発見

Immunity. 2013 Jun 27;38(6):1187-97. doi: 10.1016/j.immuni.2013.02.024. Epub 2013 Jun 20.
 
(独)産業技術総合研究所の研究チームは、乳酸菌の持つ2重鎖RNAが、インターフェロン-β(ウイルスの増殖抑制や腫瘍細胞の増殖抑制、炎症の抑制などの作用を持つ)の産生を介して、抗炎症効果を発揮する事を発見しました。

RNAには、リボソーム-RNA(r-RNA)、メッセンジャー-RNA(m-RNA)、トランスファー-RNA(t-RNA)がある事が良く知られていますが、これらは全て1本のRNAで出来ています。一方、遺伝子の本体がDNAではなくRNAで出来ているウイルスは、遺伝子の本体が2重鎖のRNAであったり、増殖の過程で2重鎖のRNAが出来ます。この様な、長鎖の2重鎖のRNAは、通常人間には存在しないので、免疫を活性化させます。
インターフェロン-β:ウイルスの増殖抑制や腫瘍細胞の増殖抑制、炎症の抑制などの作用を持つ物質











乳酸菌はほかの細菌に比べて多量の二重鎖
RNAを含んでいる(左の図)。小腸から分離した乳酸菌、プロバイオティクス乳酸菌を調べたところ、菌株によって差異がみられるものの大多数(約
7割)の乳酸菌に共通する性質として、免疫細胞から多量のインターフェロンを誘導した(右の図)。

解説
乳酸菌には、健康に有用な効果がある事が知られています。これは、腸内に常在している乳酸菌、食品と一緒に摂取する乳酸菌ともに言える事です。この論文では、乳酸菌が持っている、長鎖の2重鎖のRNAが、抗炎症効果や免疫の活性化に関与している事を突き止めました。乳酸菌が死んでいても効果はあり、腸内の常在菌でも、食品から摂取したものでも、効果があるようですが、乳酸菌の種類によって、大きな差があります。
この他に、乳酸菌の細胞壁成分であるペプチドグリカン、リポテイコ酸、リポタンパク、特徴的な配列のDNA(CpGモチーフ、ATモチーフ)、熱ショックタンパク質が関与しているという報告があります(こんな物質名を覚える必要は有りません)。
乳酸菌が健康に有用である事は確かです。しかし、そのメカニズムは多様であり、完全に解明されているわけではありません。にもかかわらず、様々なメーカーから、多種多様な効果の内の一つを強調した商品が発売されており、継続して摂取する事を推奨しています。例えば、生きて腸に届くという性質は、少なくともこの2本鎖RNAによる「抗炎症作用」「免疫の活性化」には関係ありません。しかし、悪玉菌が増えすぎないようにする効果は期待できるかもしれません。
特定保健用食品(トクホ)を全て否定する気はありませんが、特定の効果が科学的に立証されている事が、トクホの表示の条件です。他の有用な効果が弱くなっていても、審査には関係ありません。しかし、普段の生活では、様々な効果に目を向ける事が重要です。
 


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