環境・環境汚染について知ろう

硝酸とアミン類の食事の組み合わせによるニトロソアミンの生成

論文で紹介します

Volatile N-nitrosamine formation after intake of nitrate at the ADI level in combination with an amine-rich diet
ADI(1日摂取許容量)くらいの硝酸の摂取と、アミン類に富んだ食事(魚など)の組み合わせによる、ニトロソアミンの生成
Ingrid T.M.Vermeer 健康リスク分析と毒物学部 マーストリヒト大学 オランダ
Environmental Health Perspectives 106.8.August 1998


最初に

ヒトは、硝酸を主に食物から、そして、少ない割合で、飲み水から摂取している。野菜類が少なくとも85%の摂取源になっている。

飲み水の場合、WHO(世界保健機構)の最大許容量は、44.3mg/lである。ヨーロッパの公共水道では、45mg/lを越すことはめったにない。

個人所有の井戸水では、300mg/l以上の場合もある。

WHOは、地表水と地下水の硝酸濃度がここ10年で、めだって増加しており、その原因は、肥料使用の増大、集約畜産からの廃棄などであり、人類に対して、リスクが増加していると述べています。硝酸の約5%は、体内で、より毒性の高い亜硝酸に変わる。

亜硝酸は、ヘモグロビンと反応して、メトヘモグロビンを作るが、メトヘモグロビンは、酸素を運ぶことができない。

このメトヘモグロビン血症は、乳幼児がとくに危険である。

動物実験での無毒性量に基づいて、WHOは、硝酸イオンのADI(1日摂取許容量)を、3.67mg/kgに投与した。(1974年)

硝酸の他の毒性として、体内での発ガン性のあるN-ニトロソ化合物の生成による遺伝毒性のリスクがある。

硝酸から変換した亜硝酸が、体内でアミン類やアミド類と反応しN-ニトロソ化合物を生成する。およそ300種類の、N-ニトロソ化合物が発ガン性を調べられ、209種類のニトロソアミン類の85%、86種類のニトロソアミド類の92%がいろいろな動物種に発ガン性を持っていた。

ヒトの場合、体内で生成されるN-ニトロソ化合物は、胃ガン、食道ガン、膀胱ガンの危険性につながっている。ヒトに対する発ガンの確定的な証拠はまだないが、Wardは、飲み水の硝酸汚染が非ホジキン性リンパ腫の発生との関連を見ている。LinとHoは、亜硝酸とアミン類の同時摂取で体内で生成されたニトロソ化合物による、ラットの肝臓ガンの発生を報告している。最近の研究では、高いレベルの硝酸を含む井戸水の使用者に、突然変異の増加と、それらの尿中に発ガン性のニトロソ化合物、N-ニトロソジメチルアミン、N-ニトロソジエチルアミン、などが高い濃度で検出された。

この研究の目的は、1日摂取許容量(ADI)レベルの硝酸の摂取による、ニトロソアミニトロソアミンの生成を、調査することです。

アミン類として、フィッシュミール、ADIレベルの硝酸を同時にボランティアに摂取してもらい、尿中のニトロソアミン量を検出することです。


結果

24人のボランティアに対して、実験は3段階で行われた。

尿中硝酸量
(24時間総量)
尿中ジメチルニトロソアミン量
(24時間総量)
1週間(実験前の1週間)
低硝酸の食事、水
76mg 287ng
1週間(実験中の1週間)
ADIレベルの硝酸
+フィッシュミール
194mg〜165mg 871ng〜640ng
1週間(実験後の1週間)
低硝酸の食事、水
77mg 383ng

ADI(1日摂取許容量)レベルの硝酸とフィッシュミールの同時摂取で発ガン性のある、ジメチルニトロソアミンが実験前の約3倍に増加した。


解説

硝酸(NO3)は、野菜に多く含まれています。肥料(化学肥料、有機肥料)を多く施して収穫量を上げる傾向がどんどん強まった結果、各国とも野菜に含まれる硝酸が増加しています。Euは規制があり、低減化の努力をしています。日本には規制がなく、世界的に見ても野菜の硝酸含有量はトップクラスです。

この硝酸、体内で発ガン性のあるN-ニトロソ化合物に変わる事が知られています。が、発ガン性が確定しているわけではないので、Eu以外の国は規制をかけていません。

硝酸のADI(1日摂取許容量)は、発ガン性以外の毒性を基にして、作られています。日本人の硝酸摂取量はADIと、ほぼ同じ位だとか、越えているとか、といったレベルですので、この実験の硝酸量と実は、ほぼ同じなのです。

日本人が食べる野菜の硝酸量はADIと同じくらい、なおかつ、日本人は魚をよく食べる。

このことは、この実験と日本人の食生活が同じということを意味しています。

ということは、こんなに体内で発ガン性物質ができている? という疑いが、濃いのです。

でも、安心なことも少なからずあります。

野菜に含まれる硝酸の量は、作物の種類でも大きく変わりますし、栽培法(水耕>ハウス>露地)でも大きく変わりますし、肥料の量でも大きく変わります。

実際に測った例もあります。

みんなの未来(野菜セット)のグループの根岸さんの野菜を測定した事があるそうです。普通栽培の100分の1くらいでした。これなら安全です。

見た目を重視すると、水耕>ハウス>露地、で、実際にどんどん水耕、ハウスが増えています。

でも、硝酸で安全性を考えると、全く逆です。

大きくて、見た目がきれいな野菜がいちばん硝酸が高いはずです。

野菜ジュースなども、1本飲むだけでADI(1日摂取許容量)を越えてしまう場合もあるそうです。お気をつけ下さい。

(伊澤)

(2012/07/20 掲載)



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