化学化合物(環境毒物・環境汚染)について知ろう

プラスチック製品による海の汚染

この写真は、(株)名古屋生活クラブのスタッフが、渥美半島のどろんこ村での研修で、薪にするための流木を拾っているところです。しかし、流木だけでなく、プラスチック製品のごみも目に付きますね。ここは、比較的少ない方だと思いますが、もっとひどい所を見たことがあるのではないでしょうか。
現在、世界中の海が、プラスチックで汚染されています。

 
大きな問題となっているマイクロプラスチック
  • 小さなプラスチック(正式な規定は無く、研究者によって0.5〜5 mm以下とばらつきがある)
  • 歯磨き粉、化粧品などに含まれるビーズ(製品の段階で小さなプラスチックになっている)と、大きなプラスチックが粉々になったものがある。(アジアでは後者が多い)
  • 元のプラスチックに含まれる成分(ビスフェノールA、フタル酸エステル類など)だけでなく、海水中の様々な毒物(PCBs、DDTsなど)が、マイクロプラスチックに吸着している
  • 鳥、魚介類、プランクトンが食べてしまい、蓄積する。特に牡蠣などの貝類に多く蓄積する
  • マイクロプラスチックを食べた生物に、毒物が移行する
 
この様に、多くの問題のあるマイクロプラスチックですが、こんなところにも影響がありました

スチレンの発ガン性をNTPが2011年に認定しました

スチレンの発ガン性をアメリカ国家毒性計画(NTP)2011年に認定しました。
Report on Carinogens,13
 
ヒトでの発ガン性の証拠は限定的、毒物実験では発がん性に充分な証拠がある。
 
ヒトでの発ガン研究
  1. スチレン曝露した労働者にリンパ造血組織のガンの発生率と死亡率の増加とリンパ球のDNA付加体(DNAにくっつく)と遺伝障害の増加が見られる。
  2. 食道ガンとすい臓ガンの増加にも、ある程度の証拠が有る。
  3. 発ガン性の完全な証拠はないが、スチレン曝露した労働者のリンパ球に、DNA付加体と染色体異常があることから、スチレン曝露と発ガンの関係は信頼できる。
  4. ヒトでの発ガンの多くの証拠は、強化プラスチック産業、スチレン−ブタジエンゴム産業という2つの分野から来ている。
 
動物実験
  1. CD-1マウスのオス、メスの吸入実験で良性肺しゅよう及び悪性しゅよう(両者をまとめる)
  2. オス、B6C3Fの経口投与で、良性+悪性肺しゅようが投与量に比例して増加。
 
遺伝毒性
  1. スチレンの分解産物、スチレン-7.8-オキサイドはDNA付加体を作る(DNAにくっつく)
  2. スチレン-7.8-オキサイドは、試験管内の実験では突然変異を起こす。
  3. マウスへの投与でDNAの1本連鎖が切断される。
 
曝露
スチレン製造工場、タバコの煙、自動車の排ガス、生シナモン、ポリスチレン容器から、スチレンの溶出
 
カナダの研究では、
子ども 0.8μg/kg/
大人 0.4μg以下/kg/
 (体重が50kgとすると、20μg//1日→1日、1人20μgの摂取)
喫煙者 3.5μg/kg/
    
   
次の論文はポリスチレン容器からのスチレン溶出量を調査しています。
調査したのはDFA(アメリカ食品医薬品局)です。
 
Updated evaluation of the migration of styrene monomer and oligomers from polystyrene food contact materials to food and food simulants

ポリスチレン容器から食品へのスチレン及びスチレンオリゴマーの溶出量の最新調査
ポリスチレン容器から食品への溶出量は、
 
スチレン(モノマー) 2.6163ng(2.6μg/kg163μg/kg
スチレンダイマー
(スチレンが2つ結合しているもの)
 検出限界以下〜4.8ng/g

解説
カップ麺などの容器には、ほとんどポリスチレン(PSと表記)が使われています。
ポリスチレンの中には、スチレンが残っており、食品に移行します。
今、そのスチレンがNTP(アメリカ国家毒性計画)により、2011年に発ガン性が認定されました。IARC(国際ガン研究機関)によっても、2002年にグループ2B(ヒトに対して発がん性の可能性がある)に分類されています。
 
2015年2月の日本スチレン工業会のホームページを見ると
・スチレンには発がん性がない
IARCの認定は、多くの科学者が新しいデータを考慮していないと指摘している。
・遺伝毒性はない
としていますが、IARCNTPという、2つの大きな機関の認定と大きなへだたりがあります。
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