薬・治療について知ろう

フェンネルティーのリスクアセスメント

論文で紹介します

Fennel tea risk assessment of the phytogenic monosubstance estragole in comparison to the natural multicomponent mixture
フェンネルティーのリスクアセスメント(自然な多成分な混合物と植物由来の単一物質−(エストラゴール)−と比較して)
Iten F シュピタール?大学 スイス
Forsch komplementarmed klass Naturheikd 2004 Apr 11(2) 104-8


何世紀もの間、フェンネルは、伝統的なハーブ治療薬として、ヨーロッパと中国で使われてきた。消化不良を起こしている幼児と乳児の治療に、フェンネルティーは、最初の選択です。

この長く支持されてきた経験が、驚くことに、ドイツ連邦政府の?声明で対照的になった。

それは、エストラゴール、メチルユーゲノールなどを含む食品摂取を減らす様に消費者に求めた声明でした。タラゴン、バジル、アニス、スターアニス、ジャマイカペッパー、ナツメグ、レモングラス、ビターフェンネル、スウィートフェンネルなどです。

これらの警告は、フェンネル中の成分、エストラゴールがラットとマウスを発ガンさせる、という実験に基づいています。

しばらくして、批判が専門家から起こりました。批判は、単一の物質(エストラゴール)を高用量で与えている点で、それは、ヒトの消費量に全然見合っていない、という所です。

さらに、ヒトと、マウスではエストラゴールの代謝に量的な相違があるということを研究が明らかにしました。

さらに、1つの物質が単一の物質として投与される時と、天然の複雑な成分の1つとして投与される時では、副作用が全然異なっている、ということも示されました。

この様に、フェンネルティーの様に、いろいろな成分の混じりあった物は、ガンを予防する、種々の酸化防止剤を含んでいます。

これらの違いは、リスクアセスメントで評価されません。

よいリスクアセスメントは、ヒトで集められた適切なデーターに基づかれるべきです。

フェンネルティーの長い伝統的な使用と発ガン性を示す、疫学及び臨床研究がないのだから、フェンネルティーの消化に関しての重大な危険性の確率は小さい様に思う。

(2007/5/7 掲載)

次の日の絶食は老化を抑える

論文で紹介します

Intermittent fasting dissociates beneficial effects of dietary restriction on glucose metabolism and neuronal resistance to injury from calorie intake
次の日の絶食はブドウ糖代謝と神経の傷害抵抗性で有利である。
R.Michael Auson   老化国立研究所  アメリカ
PNAS May 13  2003. vol.100 6216-6220


食事制限は、インシュリン感受性の増加、ストレスに対する耐性死亡率の減少、長寿など様々な利点を持っている。

そのメカニズムは分かっていないが、長期にわたってカロリー制限する事が必要とされています。C57BL/6マウスを用い「次の日の絶食」(食べたいだけ食べ、次の日絶食の繰り返し)という実験をすると食事量は減少せず、体重も減少しなかった。(食べれる日に2倍食べているので) それにも関わらず「次の日絶食」は、「カロリー制限」(60%に制限)したマウスよりも血中グルコース濃度、インシュリン量、神経細胞の傷害抵抗性などでより良かった。「次の日絶食」はブドウ糖代謝、神経の傷害抵抗性がすぐれており、カロリーの量とは関係ない。


解説

食事を60%ずっと制限するより「次の日絶食」の方がヒトにもねずみにも、老化を抑え長生きできる。ということをこの論文は示しています。食べれる時と飢える時の交替、野生の生き物なら当然の事で、それに適用する様に体の仕組みが作られている様なのです。それだから、食べ物が溢れている先進諸国では、糖尿病を始めとして「食べ過ぎ」の病が溢れているのです。

摂った食事は次の飢えに備えて、すぐに脂肪などとして体内に蓄えてしまうのです。

(伊澤)

(2007/12/21 掲載)

コレステロール低下薬の最新の知見、新しいデーター、新しい疑問

論文で紹介します

Recent cholesterol-lowering drug trials :new data, new question
コレステロール低下薬の最新の知見、新しいデーター、新しい疑問
Michel de Lorgeril Joseph Fourier-Grenoblel1大学
J.Lipid Nutr .vol.19,1(2010)


2008年―2009年に発表されたコレステロール低下薬は効果なし(ENHANCE, SEAS, GISSI-HF, AURORA)か明らかに偏向しており、信頼のおけない(JUPITER)研究になっています。私達はこれらのコレステロール低下薬が効果なしという結論を、どう説明できるのだろうか?この論文で、著者はこれらの研究を再検討しまとめて、これらの最新の研究結果についてコメントします。

同時に、重要なことは2005年から2007年にかけて発表されたコレステロール低下薬研究のほとんどが、効果に否定的もしくはあいまいなものだったことです。

2005年にバイオックス事件(訳注下)があり、臨床研究について新しい規制が強化されています。


(訳注 バイオックス事件・・・製薬メーカーメルク社が鎮痛薬バイオックスの副作用を知りながら販売し、心筋こうそくなどで死亡者が出た事件。この事件の裁判(3万件)でメルク社が論文の著者をゴーストライターにしているなど多くの意図的な情報操作があり、これらの事を防ぐため、FDA(アメリカ食品医薬品局)が規制を強化したもの。その内容として[彎恩Φ罎寮觚世竜遡害宗文Φ罎鮖呂瓩燭箸いΔ海函法↓研究の結果がその薬の効果に好ましくない場合でも公表すること、の2点になっています。)

これらのことをいっしょにして考えてみると、2008年〜2009年の研究も含めて、最新の研究が示していること(2005年〜2009年)は、以前の研究(2004年以前)がスタチン(コレステロール低下薬)に関して高い効果を示した研究が、(特に冠状心臓病の2次的予防に効果を示し)医療関係者のガイドライン作りの基になった。それらの研究を慎重に、製薬業界とは独立した専門家によって、再評価されるべきであることを示している。


(訳注 現在のガイドライン‐例えば総コレステロール値220以下という様なガイドラインの基になった1994年〜2004年にかけての、コレステロール低下薬の高い効果を示した論文に疑いがあり、それらの研究を製薬業界とは独立の(無縁の)専門家で再評価すべきだと言っています。2005年に臨床研究規制の強化があり、それ以後の論文の結果ではコレステロール低下薬の効果が否定もしくはあいまいだからです。)

次の疑問点は、コレステロールを低下させることが心血管病(死)の予防につながるという理論を再評価すべき時なのかどうなのかという点です。


(訳注 総コレステロール値について、260程度の方が長生きだとする論文もあります。現在のガイドラインの基準値220以上の人は日本人でも40%もおり、本当に病気なのかという疑問が残ります。)


解説

もし、製薬会社が会社に不利な試験薬の効果を発表せず、効果ありの論文だけを発表していたら、どういうことになるのか、今回の論文はコレステロール低下薬にその疑いがある、といっています。日本では、男女問わず、コレステロール値が高い人は、コレステロール低下薬を処方されていますが、これは日本だけで、アメリカ・ヨーロッパでは処方されるのは男性だけです。コレステロール低下薬には副作用があります。(筋肉が衰えていく病気「私は薬に殺される」福田実著 幻冬舎刊)遺伝的な高コレステロール症の人についてはわかりませんが、動脈硬化の原因は、酸化したコレステロールであり、タバコなどの影響が強いのです。

(伊澤)

(2011/4/7 掲載)

ロフェコキシブに関する論文はゴーストライターだった

論文で紹介します

Guest authorship and ghostwriting in publications related to rofecoxib. : a case study of industry documents from rofecoxib litigation
ロフェコキシブに関する論文は、著者を借りてきたり、ゴーストライターだった:ロフェコキシブ裁判の会社(メルク社)の文書の研究
Ross. J S.  マウントシナイ医学校.アメリカ.
JAMA, 2008 Apr. 16:299(15) : 1800-12.


ロフェコキシブ(商品名バイオックス…メルク社が販売した、アレルギー用鎮痛薬で心臓などへの副作用が見つかり販売中止になった)に関してメルク社との裁判で明らかになった会社側の1996年から2004年の文書を基にした。

約250の文書を調査した.臨床研究論文の発表に関して、メルク社の社員単独もしくは、他の医学系出版会社と共同して草稿を作り、その後、外部の大学などの研究者を著者にしていた.招いた外部の著者は、著者欄の1番目、もしくは2番目に書かれることが多かった.総説(まとめの論文)に関しては、メルク社の営業職社員が草稿のプランを作り、医学系出版会社とゴーストライター契約を結び、外部の大学などの研究者を著者として招いた.招かれた著者は普通1人でお金を支払った.96論文の内、92%の臨床研究論文にはメルク社の財政援助が開示されてあった.しかし、総説論文(72本中の36本)の50%しかメルク社の財政援助を開示してなかった。
 

(2011/4/21 掲載)

ミコバクテリウムのパラ結核菌

論文で紹介します

MYCOBACTERIUM AVIUM PARATUBERCULOSIS:Infrequent Human Pathogen or Public Health Threat?
ミコバクテリウムのパラ結核菌:稀にしか起きない人への病原体か、公共衛生への脅威か?
A Report from the American Academy of Microbiology


クローン病は被害が甚大で、原因・治療法を見つけるのが難しい。北アメリカで80万人が感染し、下痢・出血・腸の障害など、胃腸の症状に苦しんでいる。数ヶ月、時には数年続く様々な組織の症状で長期に渡って日常生活に支障をきたしてきた。

研究員・臨床医は、一連の要因が揃うとクローン病が発症するとしている。ある遺伝的形質を受け継ぎ、環境の刺激を受け、過剰な免疫を起こし、炎症を起こすことである。その組み合わせにより患者の病症は幅広く様々である。患者、家族、地域、健康管理システムに対するこの病気の経済的・社会的なインパクトは大きい。

長い間、腸の慢性炎症だと考えられており、炎症を抑える治療が行われていたが、クローン病自体を治療するものではない。炎症は普通、体外由来の生物、無生物(破片)、悪性の細胞(たとえばがん細胞)、微生物(バクテリア、ウイルス、菌)などによって起こる。炎症の原因が排除されるまで、白血球が殺菌し続ける。原因が排除されれば炎症が収まる。

遺伝子の違いによって、ある種のバクテリアに反応できない人がいて、環境要因が関係していると思われる。クローン病は微生物により引き起こされた疑いのある場合がある。クローン病はある特定の病気というよりは症候群に近く、幅広い症状を持ち、原因も1つにしぼれない。ミコバクテリウムと大腸菌(Eschelichia coli)の変異体が考えられる。感染原因が1つではないことで、原因と治療法を見つけようにも何にしぼればいいのかわからない。

原因の1つに、家畜のもつMAP(Mycobacterium aviumの亜種paratuberculosis)の可能性があり、クローン病患者は通常の人の7倍の割合で血中や組織にMAPをもっているため、MAPがクローン病と関連があることは明白である。重要なのは、MAPがクローン病を引き起こすのは、直接的なのか間接的なのか、ということである。もしそうであれば、感染の経路、防除法、治療法を決定する必要がある。

アメリカでの流行ががん患者の数を超えたにもかかわらず、クローン病は集中的に研究が行われない。米国微生物学会(AAM)は様々な分野の専門家を召集して会議を行い、クローン病にMAPが確かに作用する疑いがあげられた。

●MAPは汚染された土壌と水に存在し、クローン病の環境要因と関係し合って発病にいたる。
●MAPはクローン病と似ているヨーネ病(家畜等動物の遺伝病)の原因であり、病因がわかっているので、クローン病の要因と病気との関係を与えてくれる。
●MAPは低温殺菌では死滅せず、アメリカとEUで売られているミルクから検出されている。ヨーネ病に感染した家畜の乳製品や肉からもMAPが見つかっている。クローン病患者のMAPへの感染ルートとなっている。
●あるミコバクテリアに有効な抗生物質は、MAPに特化していない抗生物質であっても、クローン病の病症が緩和される場合がある。

これらの調査によって状況的にクローン病の原因にMAPが含まれることは間違いなさそうである。

一方で、決定的にクローン病の原因であるとか、大多数のクローン病の原因であるかは、組織自体のわかりにくい特性によって妨害されている。MAPに近づける、幅広く利用可能な有効な臨床的方法わかっていない。もっとも重要なのは、資源、財政、技術の不足であり、MAPが病気の過程に含まれるかどうかを決めるが必要である。

現状は、今も続いているMAPに感染した家畜の生産と流通が重要な課題である。早期発見と食糧供給の対策が必要である。

/佑汎以間の感染がどのように起こるか、⊃佑MAPによって感染するのか、を解明し、原因と治療法を見出す必要がある。

(2012/07/30 掲載)

植物性乳酸菌の新生児の腸へのシンバイオティック投与による定着

論文で紹介します

Long-term colonization of a Lactobacillus plantarum synbiotic preparation in the neonatal gut
植物性乳酸菌の新生児の腸へのシンバイオティック投与(菌とそのエサの同時投与)による長期間の定着
Panigrahi P メリーランド医科大学 アメリカ
J Pediatr Gastroenterol Nutr 2008 Jul;47(1):45-53


プロバイオティック、プレバイオティック、シンバイオティック(プロバイオティックとプレバイオティックの組み合わせ)がますます健康の様々な局面に使われる様になってきています。

(腸への)定着ということが成功するための重要な要素ですが、その様な臨床研究はほとんどありません。新生児や幼児などではもっとも必要な対象ですが、更に研究は少ないです。この研究は新生児に7日間シンバイオティック投与をして、定着能力、耐性、便中の菌そうへの影響を調べる目的で行われました。


方法

出生時1800g以上の新生児を出生後1日〜3日の間にシンバイオティック投与(植物性乳酸菌とフルクトオリゴ糖)もしくはプラセボとしてデキストロース食塩水に、2対¥1の割合で分けました。投与期間は7日間、便検査を最初の日、3日目、7日目、14日目、21日目、28日目に行った。


結果

19人の新生児がシンバイオティック処置を受け、12人がプラセボ処置を7日間受けた

シンバイオティック処置を受けた新生児9便から植物性乳酸菌が3日目には84%、28日目には95%が検出された。2ヶ月目には100%、3ヶ月目には94%、4ヶ月目には88%、5ヶ月目には56%、6ヶ月目には32%、便から植物性乳酸菌が検出された。

(2012/7/30 掲載)

認知障害とアルツハイマー病、酸化的ストレスとコレステロールの関係

論文で紹介します

Cognitive impairment and Alzheimer’s disease: Links with oxidative stress and cholesterol metabolism
認知障害とアルツハイマー病 酸化的ストレスとコレステロール代謝の関係
Alejandra Sekler 認知神経科学センター チリ
Beuropsychiatric Disease and Treatment 2008:4(4)715-722


アルツハイマー病は今日最も多い痴呆です。アルツハイマー病は脳の中にタンパクの凝集体の形成が特徴的で、それは過リン酸化されたタウタンパクとAβ(エーベーター)プラークからできている。アルツハイマー病や他の神経変性病の病因は、酸化的ストレスであり、結果として神経細胞の機能障害と神経細胞死につながっています。酸化的ストレスは、活性酸素種や窒素種の調節できない生産の結果で、タンパク質、脂質、核酸の構造変化を招いています。

これらのことから、アルツハイマーの原因として、酸化障害であるといういくつかの仮説が出されています。痴呆や他の神経変性病の進行と酸化的ストレスの指標の関係を示している研究があります。

さらに、アルツハイマー病の進行と、コレステロールとの関係を示す証拠があります。高コレステロール血症は、アミロイドの(脳に蓄積するAβ)進行の初期のリスクファクターであり、長期間の集団を追跡した研究はコレステロールが晩年のアルツハイマー病に関係していることを証明しています。

アポЕタンパクはコレステロールや他の脂肪の血流や脳脊髄液での輸送をしています。

アポEタンパクには3つの遺伝子型ε2、ε3、ε4があり、ε4をホモに持つ(両親からいずれもε4を受け継いでいる場合)は、アルツハイマー病のリスクが高い。アルツハイマー病の患者の脳中の過酸化レベルはアポEの遺伝子型によっており、ε4の場合、高いことが分かっています。(アポEの様な)脂質を輸送するタンパクは、活性酸素の標的であり、アポE・タンパクの過酸化とアルツハイマー病には関連があります。以前の患者の研究で、酸化的ストレスははっきりと、認知の低下に結びついており、アルツハイマー病の患者の酸化バランスの悪さは、いろいろな生物指標からはっきりしています。

(2012/07/30 掲載)

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