精製油、油脂・脂肪酸について知ろう

油の選び方

油の選び方|米油-パーム油

 

油に発がん物質が含まれることは知っていますか?

名古屋生活クラブでは、米油とパーム油に警鐘をならしています。

以下、ご覧ください。

 

キーワード

油の選び方

パーム油

米油

 

 

食品中の3-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルの含有実態調査の結果について(平成24、25年度)

詳細版pdf

平成26年12月17日 農林水産省消費・安全局

 

これまで、EUのデータを元に、パーム油に発がん性が懸念されるグリシドール、3-MCPDが多く含まれているとお伝えしてきました。実際に、パーム油には多く含まれていて、使用量も多いので、最も影響が大きい油です。しかし、気をつけないといけないのは、パーム油だけではありません。
日本の農林水産省も、あまり注意喚起はしませんが、油に含まれる発がん性物質の調査をしています。EUと同様にパーム油(アブラヤシ油)が高いのですが、こめ油のグリシドールは、パーム油より高く、ぶどう種子油(グレープシードオイル)はグリシドール、3-MCPD共にパーム油とおなじぐらいです。

 

パーム油をこの様な油に切り替えても意味がありません。注意して下さい

 

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粉ミルクについて 1

パーム油にも含まれる発がん性物質「3-MCPD」の許容量

植物油脂及び食品中の加工汚染物質 −パーム油には発がん性物質が多く含まれている−

(2018/3/30 外山)

粉ミルク-パーム油

粉ミルクの安全性

 

パーム油には発がん物質を多く含みます。

そんなパーム油が粉ミルクにも入っているのです。

 

キーワード

粉ミルク 油の選び方 パーム油

 

粉ミルクには、パーム油が多く含まれているので、粉ミルクだけで育っている赤ちゃんは、発がん性物質(3-MCPD、グリシドール)の摂取量が許容量を超えてしまっている。という件に対して、質問を受けました。

 

植物油脂及び食品中の加工汚染物質 −パーム油には発がん性物質が多く含まれている−

乳児用調製食品のみを摂取している赤ん坊のGEへのばく露量は、リスクが低いと考えられるばく露量の10倍にまで達するため、特に懸念される

「乳児用調整食品」とは、粉ミルクの事です。EUだけでなく、日本でも摂取量は非常に多くなっています

 

 

Q なぜ、粉ミルクにはパーム油が多く使われているのか

パーム油にも含まれる発がん性物質「3-MCPD」の許容量

トランス脂肪酸の問題から、以前のマーガリン、ショートニングなどの固まる油の代替品として

よく使われるようになったパーム油(表示は植物油脂、ショートニングなど)について、

毒性は以前書きました。

植物油脂及び食品中の加工汚染物質 −パーム油には発がん性物質が多く含まれている−

実際どの程度含まれるものなのか、名古屋生活クラブの生産者のパーム油使用時の

食パンレシピを参考に計算しました。

 

食パン以外にもパン・菓子、乾麺など、他からもパーム油の摂取があることを考えると

世界保健機関(WHO)が設定する1日あたりの摂取許容量を簡単に越えてしまいます

 

 

植物油脂及び食品中の加工汚染物質 −パーム油には発がん性物質が多く含まれている−

原文:Process contaminants in vegetable oils and foods 

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160503a

 

食品安全委員会の食品安全情報: syu04470040149

http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04470040149


 欧州食品安全機関(EFSA)は2016年5月3日、植物油類及び食品中の加工汚染物質類のリスク評価に関する報道発表資料を公表した。概要は以下のとおり。

食事中の油の効果をマウスで比較した

論文で紹介します。

Effect of Dietary n-3 and n-6 Oils with and without Food Restriction on Activity of Antioxidant Enzymes and Lipid Peroxidation in Livers of Cyclophosphamide Treated Autoimmune-Prone NZB/W Female Mice
食事中のn-3(えごま油、魚油など)、n-6(リノール酸、とうもろこし油など)、脂肪酸の効果を、自己免疫病を発症しやすくしたNZB/Wマウスを使って、食制限のある、なし、などの条件で抗酸化酵素量、脂肪の過酸化などの指標を使い、比べた。
テキサス大学 健康科学センター ガブリエル・フェルナンデス
Journal of the American College of Nutrition
 

人間の病気、全身性エリテマトーテスは、自己の抗体が自己を攻撃してしまう、自己免疫病です。リューマチなども、その様な病気です。

治療には、シクロフォスファミドという、ガン治療にも使われる薬が使われているのですが、この薬は、ラジカルを生じてしまうので重い副作用を持っています。今回の実験は、自己免疫病を発症させやすく改良したマウスを材料に、エサの摂取の制限の有無、エサをとうもろこし油か魚油に、シクロフォスファミドをやるか、やらないかで見たものです。

結果は、マウスの延命効果でみると、エサの摂取の制限が一番重要で次が魚油とシクロフォスファミド(薬)が同じ位です。マウスに食べたいだけ、とうもろこし油を食べさせた場合が一番短命です。


解説

アレルギー関係の病気には、えごま油、魚油などのα-リノレン酸(n-3)が良く、とうもろこし油などのリノール酸、アラキドン酸(n-6)が悪い、というのは、常識的になってきました。この実験もおおかた、それを支持していますが、一番大事なことが、「食事の量の制限」だということです。

抗酸化酵素(SOD、カタラーゼ、グルタチオンなど)生体を活性酸素(ラジカル)から守ってくれる酵素も、「食事量の制限」組に一番多いのです。老化に関しても、「食事の量の制限」が一番老化を遅くすることがはっきりしています。

多くの健康法は「何が良い」と摂ることだけを強調していますが、売りたいがための宣伝であって、本当の事を伝えているわけでは決してありません。

えごま油、魚油などを、酸化しにくい未精製の油で量を減らして取る、リノール酸などは減らす、というのが、油の取り方として一番大事なことではないでしょうか。おかずが何品も並ばないとみすぼらしく感じてしまう、この飽食の時代の感性を直していかないと、健康でいられないのだと、自戒して思います。一汁一菜で満足できる、おいしい素材の食事にすれば、そんなに家計も圧迫しないし(?)。健康を維持できる可能性も高いのです。

(伊澤)

(2007/01/19 掲載)

海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質

論文で紹介します。

Brain-specific lipeds from marine, lacustrine, or terrestrial food resources: potential impact on early African Homo sapiens.
海、湖、陸、由来の食料の脳に特異的な脂質(原始時代のアフリカのホモ・サピエンス(人類)への影響)
Broadhurst CL. アメリカ農務省環境化学研究所
Comp Biochem Physiol B. Biochem Mol Biol 2002 April 131(4)653-73

哺乳類の中枢神経系にある多価不飽和脂肪酸は、次の2つの長鎖脂肪酸、すなわち、ドコサヘキサエン酸(DHA)とアラキドン酸(AA)がしめている、多価不飽和脂肪酸は、(体内で合成できないので)食事に必ず必要な成分で、それが、妊娠中や哺乳中に不足すると、正常な知的な脳の発達ができなくなる。人類にのみ、ユニーク(特徴的)な点は、母親から運ばれてきたエネルギーの70%を、脳が消費することです。DHAとAAは、胎盤や胎児の組織の細胞膜が機能するのに必要です。

現代では、母親からのDHAとAAが胎児の成長に不足しています

ホモ・サピエンス(人類)は、大きな、複雑なエネルギーを浪費する脳を進化させましたが、現在の環境は、それに必要な多価不飽和脂肪酸を充分に提供してくれません。(食事中に多く含まれていない)

沿岸の水産物や湖からの食料は、(脳に必要な)長鎖多価不飽和脂肪酸を、より多く含みます。(陸上の食料に比べて)

食料中のDHA量は、陸上動物の肉に比べ、海の魚や貝は2.5倍〜100倍多く含んでいます。

陸上動物の中では、海鳥が多価不飽和脂肪酸を多く含みます。陸上動物の脂肪は、血管の病気や心の病に関連しています。一方、海の食料の脂肪は、それらに防御的であることが証明されています。初期の人類の食料の証拠として、魚の骨や貝塚の存在があります。

河や河口にいる魚や貝、海鳥やその卵などが初期の人類に、必須な多価不飽和脂肪酸を供給した可能性があり、それらの採取には、集団的な狩りや洗練された技法などを必要としていません。

それらの食料の利用が長い世代にわたって、脳の発達を可能にし、ホモ・サピエンスの進化を可能にしたのです。

陸上のさると哺乳類は、陸上の食料のみに限定された場合、体を大きく進化させるにつれ、1つの例外もなしにすべて、脳と血管系が退化していきました。

(2010/07/29 掲載)

未精製油のキャノロールがラジカルを除去する

Isolation, identification, and structure of a potent alkyl-peroxyl radecal scavenger in crude canola oil, canolol.
未精製のナタネ油中に含まれる脂質過酸化ラジカル除去能を持つ“キャノロール”の分離と構造
熊本大学 崇城大学 前田


酸化した油の中に含まれる脂質過酸化物は、赤身の肉に含まれている、ミオグロビン、ヘモグロビン、ヘムの触媒作用により、脂質ラジカルになるので好ましくない成分です。脂質ラジカルは、生化学的に反応性が高く、核酸(遺伝子)やタンパク質を傷つけることによって、細胞を傷害します。私達は、未精製のナタネ油から脂質ラジカル除去能を持つ成分を分離して、キャノロールと名づけ、構造を、4−ビニル−2,6−ジメトキシフェノールと決定した。未精製のナタネ油中に含まれているキャノロールは焙煎によって、大幅に増加し、精製した油では減少した。

脂質ラジカル除去能は、未精製の油で最も高く、精製の各段階で減少し、純粋な精製油で最も低かった。

キャノロールは焙煎によって生成している。キャノロールは脂質ラジカル除去能が最も高い物質の1つであり、その能力はよく知られている。

Α−トコフェロール(ビタミンE)、ビタミンC、β−カロテン、ルティン(そばに含まれている)、ケルセチンなどの抗酸化物質よりも高い。


用語解説

ラジカル
・・・活性酸素はラジカルの中の1つで、活性酸素同様に細胞に害をなします。
精製
・・・市販されている油は、色も香りも除去されて、純粋油だけにされています。日持ちを向上させるため。

生じた脂質ラジカルを除去することによって、DNA障害、発ガンへつながるのを阻止するのが抗酸化物質で、ビタミンC、E、βカロテンなどがよく知られていますが、未精製のナタネ油に含まれるキャノロールはこれらの物質以上の力を持っています。エキストラバージンのオリーブ油が最も高く、次がごま油、その次がナタネ油です。

不飽和脂肪酸(リノール酸、DHA、EPAなど)→ 脂質過酸化物→ 脂質ラジカル→ 阻止
→×→
キャノロール
DNA障害→ ガン

下の表は、精製の段階ごとにキャノロール及び脂質ラジカル除去能が減っていくことを示した表です。

精製 IPOX50 キャノロールμg/g 総ビタミンEμg/g
脱ガム ナタネ油 1,46 220 785
脱酸 ナタネ油 21,6 38 754
脱色 ナタネ油 105 検出できない 749
脱臭 ナタネ油 300以上 検出できない 409


IPOX

50%の脂質ラジカルを除去するのに必要な量。量が少ないほど、ラジカル除去能が高い。脱ガムしただけの油と、脱臭油と比べると、205倍以上のラジカル除去能の違いがあります。総ビタミンEでみると、785/409≒1.9倍なので、ビタミンEはラジカル除去にあまり有効でないことも分かります。


解説

ラジカルによってもたらされていると思われている病気、炎症、ガン、動脈硬化、神経変性していく病気(筋ジストロフィー、パーキンソン病、アルツハイマー病)などに効果があるかもしれない。

この研究は、現在の工業的精製法が、ラジカル除去能を保持できる様な方法に変わっていく必要を示しています。

(2006/09/22 掲載)

調理により油煙を吸い込む婦人は肺がんになる危険性が高い

論文で紹介します。

Genotoxicity and oxidative stress of the mutagenic compounds formed in fumes of heated soybean oil,sunflower oil and lard.
Dung CH 国立chung Hsing 大学  台湾
Toxicol In Vitro.2006 Jun; 20(4) 439-47

油が熱せられる時に出る油煙に含まれる遺伝毒性と細胞毒性を大豆油、ひまわり油、ラードでヒト肺がん上皮細胞(A―549)を用い調べた。

脂肪酸の加熱で生じる、最も突然変異原性の高い、t-t-2.4-DDEは大豆油、ひまわり油、ラードにそれぞれ、66.4μg/g、35.9μg/g、40.3μg/g含まれていた。

この結果は明らかに油煙が細胞毒性とDNAを酸化することを示している。A-549細胞に油煙によって起こったDNAの傷害は活性酸素の生成と関連していた。

調理により、この油煙を吸い込む婦人は肺がんになる危険性が高い。

(2010/08/02 掲載)

ジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油脂

論文で紹介します。

ジアシルグリセロール(DG)を主成分とする油脂(例:エコナ)には、トリアシルグリセロール(TG)油脂(オリーブオイルなど一般的な植物油)と比較して体脂肪を減らす効果があり、それらを含むマヨネーズでも効果は同様であるといわれています。

その一方で、こんな実験結果もあるのです。

『マヨネーズの食後血清中性脂肪に及ぼす影響』としてお茶の水女子大学 生活環境センターが試験をし、その結果を報告しています。 平均年齢42.8歳・空腹時血清中性脂肪が少し高めの一般成人男性 14名を対象に

TG油脂70%を含むTGマヨネーズ(103.5Kcal)

TG油脂30%を含むTGハーフマヨネーズ(50.3kcal)

TG油脂14%とDG油脂50%を含むDGマヨネーズ(103.4Kcal)

(油脂の脂肪酸組成はほぼ同じになるように調整して試験)

の3種類のマヨネーズタイプを摂ってもらい、食事後6時間までの食事由来の血清脂質とリポ蛋白脂質の及ぼす影響を検討したというものです。

血清中性脂肪濃度と小腸で吸収された食事由来の外因性脂質を運ぶカイロミクロンはTGハーフマヨネーズでは増加変動が一番少なく、TGマヨネーズとDGマヨネーズは経過時間の変動、増加量に差は認められませんでした。

また、血清RLP−CM(マクロファージが取り込みゴミとして動脈壁に蓄積して、動脈硬化を引起す原因の1つ)の値はDGマヨネーズがもっとも高い値で推移し6時間経過後も若干ですが高い値を示しました。

すなわち、この結果からみると、TGマヨネーズもDGマヨネーズも血清TGの増加にもたらす影響は同じで、TGハーフマヨネーズの方が血清中性脂肪、カイロミクロン、血清RLPコレステロールの増加を抑制しているということより、油脂の構造の違いではなく摂取する油脂量を減らした方が、食後高脂血症には効果的であるということです。

2つの結果の違いをどうとらえたらいいのでしょうか?

どんな油脂も1g−9kcalです。摂り過ぎれば体に良い訳がありません。油を摂る量を控えることで摂取カロリーを抑え、バランスのとれた食生活を心がけること大切で、余分に食べて増えてしまった中性脂肪をまた食べることで減らそうとするより、余分なカロリーを摂らないことのほうが賢明ではないかと思うのです。

もし、安全性や効果の信頼性を疑いながら、『体には良いといわれているから』と使うより、自然の恵みを十二分に受けた、より自然に近い良質の植物油を、必要な量だけ食すほうがよいのではないでしょうか。

(2012/06/25 掲載)

ペパーミント油の安全性

Final report on the safty assessment of Mentha Piperita (peppermint) oil
ペパーミント油の安全性に関する最終レポート

・ラット小脳 ミスト様の傷害を起こす
・ペパーミント中の成分 プレゴンは、肝毒性を示す
・ペパーミントオイルは、エームス試験及びマウスリンパ腫、突然変異試験では、陰性だが、チャイニーズハムスターでの染色体異常試験では「どちらともいえない」
・1%を越えない範囲で使えば安全?


解説

Constituents of aromatic plants || Estragole

エストラゴールは、タラゴン、スウィートバジル、スウィートフェンネルなどの植物の成分です

エストラゴールは、CD-1、B6C3F1マウスの両方で発ガン性を示した。

ノーハイドロキシーエストラゴールは、強力な肝ガン毒物です。

(2012/07/03 掲載)



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