共生細菌について知ろう

ヤノマミ族とYekwana族の生涯での血圧上昇と年齢との関係

年齢と共に高血圧になっていくことと加工食品や塩の摂取が、

関与していることが結果からうかがえます。

腸内細菌との関係の研究データが出ることが望まれますね。

 

 

多くの国では、血圧は産まれてすぐから上昇していく。

しかし南アメリカのヤノマミ族(アマゾンの原住民)は西洋文明の影響がなく(食事についても)、

血圧は1才から60才まで上昇しない。

しかし、ヤノマミ族の近隣の部族は(文明の影響を受け)加工食品や塩を摂っているので、

中年後期には高血圧になっている。

 

【研究内容】

1才から60才までのヤノマミ族72人の血圧を調べた。

年齢による血圧の上昇はなかった。

 

一方、近隣の部族Yekwana 83人は、文明の影響を受けており(食事も)、年齢につれて、血圧が上昇していた。

 

ヤノマミ族は狩猟採集生活をしており、低脂肪、低塩分、果物と食物繊維を多くとる食生活をしています。

1980年代以来のヤノマミ族の研究では、動脈硬化と肥満はほとんどなく、血圧はとても低く、年齢が上がっても上昇しない。

 

ヤノマミ族の最高血圧は平均で95、最低は63(一方、アメリカ人は平均 最高122 最低71)。

年齢につれて、血圧が上昇する始めは、小さい子供の時に始まります。

 

今後の研究として、ヤノマミ族のYekwana族の腸内細菌が血圧上昇に関与しているかどうかを調査する予定です。

 

 

Association of age with blood pressure across the lifespan in isolated Yanomami and Yekwana Villages.

ヤノマミ族とYekwana族の生涯での血圧上昇と年齢との関係

JAMA Cardiology   November 1.2018

ジョンホプキンス大学 アメリカ

アブラナ科の野菜を食べてガン化予防

大根やブロッコリーやキャベツなどアブラナ科の野菜はたくさんあります。

実はこのアブラナ科の野菜を摂る重要性がわかってきました。

腸の幹細胞(分裂を繰り返すとっても重要な細胞)のDNA突然変異を修復する免疫機能を

アブラナ科の野菜が助けてくれるというのです。

野菜をたくさん食べるってこういうことからも大事なのがわかりますね。(内山)

 

詳しく知りたい方はこちら

Nature. 2019 Jan. 30

Iuterleukin-22  protects intestinal stem cells against genotoxic stress

 

腸の幹細胞(細胞分裂して、腸の細胞を作り続ける細胞)を遺伝毒性から守ってくれている。

自然免疫研究所 ドイツ

環境中(食品も含めて)の遺伝毒物(遺伝子を突然変異させる毒物)は、環境にさらされている表面の上皮細胞にとっては、試練になっている。もし、突然変異が幹細胞に起きれば、ガン化につながる。上皮幹細胞のゲノムは、DNA傷害反応(DDR)によって守られている。DDRが起きると細胞は分裂を止め、DNAを修復し、傷害を受けた細胞を自殺(アポトーシス)させて、(ガン化を防いでいる)。

私達は、今回の研究で自然免疫に属するILC3細胞とガンマーデルタT細胞がインターロイキン22を作り、それがDDRを開始させることを見つけた。

インターロイキン22を腸の上皮幹細胞で作らせなくしたマウスではDNAが損害を受けてもDDRが始まらず、より多くの突然変異を抱え、大腸ガンを起こしやすくなっていた。

アブラナ科野菜に含まれるフィトケミカルのグルコシノレートの代謝物が自然免疫のILC3とガンマデルタT

細胞に、インターロイキン22を作らせることをつきとめた。

グルコシノレートを含まないエサを与えたマウスは、微量のインターロイキン22しかなくDDRが働かなかった。

解説.

腸の細胞は肝細胞から常に作られ続けています。

幹細胞の遺伝子が突然変異するとガンが起こりやすくなります。幹細胞が突然変異を受けると、それを検知して、細胞分裂を止め、DNAを修復します。修復がうまく行かないとアポトーシスといった細胞を自殺させます。(DDR反応)

今回の論文はこのDDR反応にアブラナ科野菜に含まれているグルコシノレートという成分が必要なことを示したものです。アブラナ科野菜は意識して摂りましょう。

 

腸内細菌が食品アレルギー(牛乳)とも関っている。

腸内細菌が牛乳アレルギーとも関っていることを示す論文です。

 

Lactobacillus rhamnosus GG-supplemented formula expands butyrate-producing bacterial strains in food allergic infants

 

食品アレルギー(牛乳アレルギー)の乳児にLGG乳酸菌を投与すると

酪酸を作る腸内細菌が増える(牛乳アレルギーが治った子が出てくる)

 

The ISME Journal(2016).10.742-750

Cathryn R Nagler シカゴ大学

 

1ヶ月〜12ヶ月の乳児でIgE(免疫グロブリンE)が関与している牛乳アレルギーの乳児19人の内、

5人が耐容に(牛乳アレルギーが治り)、12人がアレルギーのままだった。(6ヶ月後)

 

この実験以外に、シカゴ大学の研究者はAnaerostipes cacae という腸内細菌の一種(クロストリジウム目)が、

牛乳アレルギーを防いでくれる菌だという論文を出しています。

 

Nature medicine 14 January 2019

 

「2023年までにトランス脂肪酸フリーに」

工業的に生産されたトランス脂肪酸を世界からなくすための行動パッケージREPLACE(リプレイス)

「2023年までにトランス脂肪酸フリーに」

 

工業的に生産されたトランス脂肪酸は食品、油脂に含まれる、人がつくった有害な化合物です。

トランス脂肪酸は血管を塞ぎ、冠動脈性心疾患のリスクを高め、毎年世界中で心疾患により50万人以上の死因となっています。

トランス脂肪酸を食品から除き、健康的なものと代替することは可能で、多くの先進国で行われています。

WHOの「REPLACE行動パッケージ」は、各国政府に、2023年までに工業的に生産されたトランス脂肪酸を迅速、完全かつ持続的に取り除くための、6項目を含む活動項目を提示するものです。

 

6項目とは

 

R

E

P

L

A

C

E

REVIEW(見直し)

PROMOTE(促進)

LEGISLATE

(法制化)

ASSESS

(評価)

CREATE

(創出)

ENFORCE

(徹底)

工業的に生産されたトランス脂肪酸の食品源や必要な政策変更のための状況の見直し

工業的に生産されたトランス脂肪酸の健康的な油脂への変更の促進

工業的に生産されたトランス脂肪酸を取り除くための法の制定

食料供給におけるトランス脂肪酸量及び国民の消費の評価・モニタリング

政策策定者、生産者、供給者

及び国民へのトランス脂肪酸の健康への悪影響の意識をつくる

政策や規制の順守を徹底する

 

工業的に生産されたトランス脂肪を世界からなくし、より健康な油脂に変更すると毎年50万人以上の命を救うことになります。

 

工業的に生産されたトランス脂肪酸を取り除くための政策

 

トランス脂肪酸は心臓まひや心疾患と関連づけられてきた

 

REPLACE(トランス脂肪酸を除くためのWHOの行動パッケージと指針)は、食品、油脂のトランス脂肪酸を厳密に制限するための規制の実施を含む、6つの段階の行動からなる。デンマークは2003年に全ての食品中の工業的に生産されたトランス脂肪酸の上限を、油脂量の2%にする法律を制定した。デンマークの法律は、その他の国、ブラジル、カナダの参考となり、アメリカも工業的に生産されたトランス脂肪酸の源である部分水素添加油脂の使用を禁止する法律を制定した。

 

2018年末までには23か国が工業的に生産されたトランス脂肪酸に義務的な上限を設けるか、部分水素添加油脂を禁止する予定である。規制の程度は各国によって異なるが、その多くがトランス脂肪酸の消費量の大幅な削減につながった。今日までの多くの政策は先進国において実行されてきたが、中低所得国における心疾患の割合の増加は、世界的にトランス脂肪酸排除をする必要性を示している。

 

効果は低くなるが、その他の政策としては、トランス脂肪酸含有量の表示義務化、製品の自主的な刷新及び、工業的に生産されたトランス脂肪酸を含む食品の、学校や病院等の特定の場での販売の禁止がある。

 

北米

2018年末までに、カナダ、アメリカ共に、工業的に生産されたトランス脂肪酸の源である部分水素添加油脂の禁止を全国的に実施する。

両国では、既にパッケージ食品へのトランス脂肪酸量の表示が必要である。

 

中南米

アルゼンチン、チリ、コロンビア、エクアドルは工業的に生産されたトランス脂肪酸含有量の上限を油脂中の2%にしており、チリとエクアドルは全ての食品に同条件を適用している。アルゼンチンとコロンビアは食品中に関してはより緩やかな条件を適用している(食品の油脂中の5%)。

 

2009年の「アメリカ大陸トランス脂肪酸フリー」宣言から、南米の8か国はトランス脂肪酸量のラベルの表示を義務化した。これにはグループとしてラベル表示の義務化を2006年にした、メルコスールの国々(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)も含む。

 

ブラジルは2018年に部分水素添加油脂の使用を禁止する法律が通り、2021年から施行される。

 

ヨーロッパ

オーストリア、デンマーク、ハンガリー、アイスランド、ノルウェーは全ての食品中の工業的に生産されたトランス脂肪酸量の上限を設けることに成功している(油脂量の2%)。

ラトビア、スロベニア、スウェーデンはまだ適用されていないが同様の上限が制定された。スイスは食品中ではなく油脂中のトランス脂肪酸量についてのみ上限が設けられた。

 

2018年1月に、トランス脂肪酸量を油脂中の総油脂量の2%とする技術的な規制が、(ユーラシア経済連合の国々である)アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシアで施行された。

 

中東

イランはトランス脂肪酸量について調理油の2%及びその他食品の油脂量の5%の上限義務を設けた。

 

サウジアラビアは植物油とマーガリンスプレッドのトランス脂肪酸を総脂肪量の2%、その他の食品については総脂肪量の5%を上限とし、2018年後半には実施される。

 

バーレーン、イスラエル、クウェート、サウジアラビアはパッケージ食品にトランス脂肪酸量のラベル表示が必要である。

 

アジア

シンガポールは全ての食品中の油脂の2%のトランス脂肪酸量の上限義務を設けている。

 

2017年にインドは油脂中に関してのみ、その5%のトランス脂肪酸量の上限義務を設けた。

 

インド、フィリピン、韓国はパッケージ食品のラベル表示が必要である。

 

アフリカ

南アフリカが工業的に生産されたトランス脂肪酸の食品、油脂中の上限義務を設けている。

 

 

 

 

世界の概況

工業的に生産されたトランス脂肪酸の禁止義務及び上限

 

規制

項目

部分水素添加油脂*1

食品中のトランス脂肪酸量*2

油脂中のトランス脂肪酸量

ラベル表示

規制

内容

禁止

 

2%

 

2%

(例外有)

 

5

 

2%

5%

義務

該当国

アメリカカナダ

チリ

デンマーク

エクアドル

アイスランド

ノルウェー

シンガポール

南アフリカ

オーストリア

ハンガリー

ラトビア

  • 3

アルゼンチン

コロンビア

イラン

サウジアラビア

アルメニア

ベラルーシ

カザフスタン

キルギス

ロシア

スイス

 

  • 4

インド

 

アメリカ

カナダ

南米8か国(含むアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ、パラグアイ)

バーレーン

クウェートイスラエルサウジアラビア

インド

フィリピン韓国

 

  • 1トランス脂肪酸の主要因
  • 2食品中の使用油脂量に対する割合 
  • 3食品中の使用油脂量に対する割合5%かつ油脂中のトランス脂肪酸量2%の上限
  • 4乳化剤中のトランス脂肪酸量を含む

https://www.who.int/news-room/detail/14-05-2018-who-plan-to-eliminate-industrially-produced-trans-fatty-acids-from-global-food-supply

https://www.who.int/docs/default-source/documents/replace-transfats/replace-action-package.pdf?Status=Temp&sfvrsn=64e0a8a5_10

https://www.who.int/docs/default-source/documents/replace-transfats/replace-act-information-sheet.pdf?Status=Temp&sfvrsn=9e5806a6_8

腸内細菌についての最新情報(2018)

腸内細菌が肥満や糖尿病、脳卒中に関係していることが明らかになりつつあります。

その腸内細菌を増やすにはやはり食物繊維を多く摂ること。

意識して食物繊維を摂って、生活習慣病を予防したいものです。

 

Dietary Fiber-induced improvement in glucose metabolism is associated with increased abundance of Prevotella

 

食物繊維を摂ることでブドウ糖代謝が改善されることは、腸内細菌プレボテラ(Prevotella)が増えることによって起きる

 

Petia Kovatcheva-Datchary Gothenburg大学.スウェーデン
Cell Metabolism .22.971-982 December 1.2015

 

始めに
腸内細菌が肥満、2型糖尿病、脳卒中に関係している証拠が増えています。ヒトの場合、腸内細菌は食事によって大きく変わります。脂肪とたんぱく質を多く摂るとバクテロイデスの仲間が増え、食物繊維を多く摂るとプレボテラ(Prevotella)が増えます。
私たちは、以前の研究で大麦ベースの夜の食事(デンプンではない多糖類と難消化性デンプンを多く含んでいる)が、正常なBMI値の健康な人の耐糖能(血糖値を下げる能力)を改善することを示した。しかし、食事に対する反応には個人差が大きく、食事によって改善される人はその人が持っている腸内細菌の種類によっている。

 

今回の研究では、大麦中心のパンを3日間食べた後にブドウ糖代謝が改善した人たちとしなかった人たちの腸内細菌を比較した。

 

結果
ブドウ糖代謝が改善した人たちは、そうでない人たちに比べてプレボテラ/バクテロイデスの割合が高かった。その中でもPrevotella copri株が多く、複雑な多糖類を分解する能力が高まっていた。
次に、ブドウ糖代謝が良くなった人たちの腸内細菌を、腸内細菌を無くしたマウスに移殖したところ、マウスのブドウ糖代謝が改善し、プレボテラが増加し、肝臓中のグリコーゲン量が増加した。

 

解説
デンプンを食べると血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇し、ホルモンのインスリンが分泌され、筋肉や肝臓など全身の細胞に取り込まれ、エネルギー源となったり、肝臓ではグリコーゲン(ブドウ糖から作られる)として貯められ血糖値は下がります。この能力のことを耐糖能といい、血糖値が上がりすぎないよう、またインスリンが出過ぎないようコントロールされています。が、高血糖が続きすぎると、このコントロールはうまくいかなくなり、高インスリン血症、糖尿病へつながっていきます。今までは、食物繊維の役割は血糖を急激に上昇させないためと考えられていました(グリセミックインデックス)。しかし、食物繊維を多く摂り続けることで、腸内細菌の内のプレボテラ・コプリ株が増えることが重要なことが示唆されました。
他の論文では、インスリン濃度が上がることそのものが、発ガンを増加させる可能性も示されており、糖尿病のみならず、発ガンにも食物繊維が効果がある可能性が高くなってきています。
 



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